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全身のしびれが突然現れた場合、どのような原因や対処が考えられますか?
山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
末梢神経に急に不調をきたす病気が考えられます。早急に医療機関を受診した方がよい場合が多いです。
首から手足の指先につながる神経を、末梢(まっしょう)神経と呼びます。末梢神経に急に不調が生じると、全身のしびれが突然現れます。
首に原因がある場合
以下のような病気が原因で、首の痛みとともに全身のしびれが現れた場合、早急な対応が必要なことが多いです。
整形外科や救急外来を受診しましょう。
頚椎椎間板ヘルニア
首の椎間板(首の骨の間のクッション)が飛び出て神経を圧迫する病気です。急に大きく飛び出た際には、全身にしびれや痛みを感じます。
頚髄損傷
頭のケガにより、首の脊髄がダメージをうけると全身のしびれや痛みが起こります。
血種(神経のまわりの出血)
まれに、細菌感染で首の神経が急に圧迫されることもあります。
全身の末梢神経に原因がある場合
さまざまな原因により神経の働きを正常に保つことができなくなると、しびれが生じます。
意識がはっきりしない場合などは早急な対応が必要です。救急外来を受診しましょう。
食中毒や薬の副作用
神経に対して有害な作用を起こすものがあります。食べ物では、フグや貝・キノコの一種にしびれが生じやすいものがあります。
大量の嘔吐の後
体から急に水分や胃酸がなくなると、イオンバランスが崩れて全身にしびれが生じます。
熱中症や脱水症
熱中症や脱水症では、体の水分や塩分が不足して、イオンバランスが崩れます。意識がもうろうとする場合は、早急な処置が必要な場合があります。急に気温が上昇した日や、屋外作業が長い・空調が効いていない場所での作業が長い際には、積極的に水分を摂取して予防しましょう。
過呼吸(かこきゅう)症候群
浅い呼吸が勢いよく繰り返されると、イオンバランスが崩れます。不安や焦り、痛みなど体や心へのストレスが原因となります。ゆっくり呼吸をしても落ち着かない場合には、救急外来を受診しましょう。
左肘下から手指、左膝下から足指にかけての痺れと痛みが続いています。これは神経系の病気でしょうか?どの診療科を受診すべきか教えてください。
こんにちは。最近、左肘から手の親指と人差し指にかけて3週間ほどしびれがあります。さらに、昨日から左脚の膝下から親指にも軽いしびれが出てきました。左膝には違和感と痛みもあります。何かの病気や神経の問題かもしれないので、どの科を受診すれば良いか教えてください。
50代 / 女性
ご相談いただきありがとうございます。いただいた情報から精一杯回答させていただきます。
手足のしびれや痛みは、神経系の問題が関与している可能性があり、まずは、脳神経内科を受診することをお勧めします。脳神経内科では、神経や骨・関節の問題を専門的に診断し、治療することができます。特に、左肘下から左手親指、人差し指までのしびれが三週間続いていること、さらに左脚膝下から親指にかけてのしびれが出始めたことは、注意が必要です。
考えられる原因としては、以下のようなものがあります
神経の圧迫:例えば、頸椎や腰椎の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が原因で神経が圧迫されると、手足にしびれや痛みが生じることがあります。
末梢神経障害:糖尿病やビタミン欠乏症などが原因で末梢神経が障害されることがあります。
血行不良:血管の問題で血行が悪くなると、しびれや痛みが生じることがあります。
特に、しびれが続く場合や痛みが増している場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。これらの症状が進行すると、日常生活に支障をきたす可能性があります。
受診の目安としては、以下の状況が挙げられます
- しびれや痛みが三週間以上続いている
- 症状が悪化している
- 日常生活に支障をきたしている
- 他の症状(例えば、筋力低下や歩行困難)が現れている
お近くの脳神経内科は、こちらから検索できますのでご活用ください。
まとめ
神経圧迫や末梢神経障害、血行不良などが考えられます。早めに脳神経内科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
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右足のしびれが、立ち上がると悪化して座ると和らぎます。この場合は何科を受診すべきでしょうか?
右足がしびれます。椅子に座っている時は特に問題はありません。立ち上がってしばらくすると、右足がしびれてきます。歩いていると、しびれが徐々にひどくなります。腰を下ろすと、しびれは和らぎます。どの診療科を受診すればよいか、ご教示いただけますでしょうか。
80代 / 男性
右足のしびれについてご相談いただきありがとうございます。お話を伺う限り、いくつかの原因が考えられますので、以下に説明いたします。
考えられる病気と診療科について
まず、疑わしいのは腰部脊柱管狭窄症です。これは、腰のあたりの脊髄が通っている脊柱管が狭くなることで、脊髄神経が圧迫され、しびれや痛みが生じる状態です。特に、椅子に座っている時は症状が出ず、立ち上がって歩くとしびれがひどくなるというのは、腰部脊柱管狭窄症に典型的な症状です。脊柱管が狭くなる原因に、腰椎椎間板ヘルニアや変形性腰椎症、後縦靭帯骨化症など、さまざまな病気があります。
この場合は、整形外科が専門になります。
似たような症状を呈する疾患に、「閉塞性動脈硬化症」もあります。この病気は、腹部大動脈から脚の方へ枝分かれする動脈が、動脈硬化により細く狭くなり、足へ流れる血流が悪くなることで、痛みを生じる病気です。喫煙されている方や、高血圧や糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症)にかかっている方は、この病気を発症するリスクが高まります。歩行中に足が痛くなるがしばらく 休むとまた歩けるようになるという症状は、「閉塞性動脈硬化症」でも特徴的な症状です。進行すると、足の血流がさらに悪化して、皮膚の血色が悪くなったり、冷たくなったり、じっとしていても痛みが出るようになります。最重症化した場合は、細菌感染を起こしたり、足が壊死したりして、切断手術を要することもあります。
この場合は、循環器内科や血管外科が専門になります。
受診の目安について
これらの症状が続く場合や、しびれがひどくなって日常生活に支障をきたす場合は、早めに受診することをお勧めします。特に、以下のような場合はすぐに受診してください。
- しびれが急にひどくなった
- 足の力が入らなくなった
- じっとしていても痛くなってきた
- 足先が冷たい、血色が悪い
これらの症状は、神経が強く圧迫されている可能性や、血流が急に悪化している可能性があり、早急な治療が必要です。
まとめ
歩行時に生じるが休むと改善する右足のしびれは、一般的に、腰部脊柱管狭窄症や閉塞性動脈硬化症などが考えられます。特に、歩くとしびれがひどくなり、休むと和らぐという症状はこれらの疾患の特徴です。ご相談いただいた内容だけでは、どちらの疾患の可能性が高いかは判断が難しいです。しかし、「閉塞性動脈硬化症」の方が、より重篤な病状の可能性があるため、まず循環器内科または血管外科(いずれもお近くになければ、一般内科でも構いません)を受診することをお勧めします。そちらで異常がなければ、次に整形外科を受診してみてください。お近くの循環器内科、血管外科、整形外科は、こちらから検索できますのでご活用ください。
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狭心症・心筋梗塞治療中、左足のしびれと冷たさについて教えてください。
8年前に心筋梗塞の手術を受けました。狭心症と糖尿病もあります。術後から、自覚はありませんでしたが、左足先に触れると冷たく感じることがありました。最近では、左足先から足裏にかけて冷たさと共に軽い痺れを感じるようになりました。 特に気になるのは、この足の冷たさと痺れです。糖尿病の影響もあるのでしょうか。また、心筋梗塞の手術との関連はあるのでしょうか。今後の生活で注意すべきことがあれば教えていただきたいです。
70代 / 女性
ご相談ありがとうございます。
左足のしびれと冷たさについて心配されているのですね。
いくつかの可能性を考えながら、どの診療科を受診すべきかご案内いたします。
まず、左足のしびれと冷たさは、いくつかの原因が考えられます。
以下にいくつかの疑わしい原因を挙げます。
1. 末梢神経障害: 糖尿病がある場合、糖尿病性神経障害が原因で足のしびれや冷たさが生じることがあります。これは糖尿病により神経がダメージを受けることによって起こります。
2. 血行不良: 狭心症や心筋梗塞の既往があるため、血管の問題も考えられます。動脈硬化が進行している場合、足の血流が悪くなり、冷たさやしびれが生じることがあります。
3. 腰椎の問題: 腰椎の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因で神経が圧迫され、足にしびれが出ることもあります。
これらの症状が進行すると、日常生活に支障をきたす可能性がありますので、早めの受診が重要です。
受診の目安として挙げる状況
- しびれや冷たさが日常生活に支障をきたす場合
- 症状が急激に悪化した場合
- 足の色が変わったり、痛みが強くなった場合
これらの状況は、神経や血管の問題が進行している可能性があるため、早急な対応が必要です。
受診すべき診療科
- 脳神経内科: 糖尿病性神経障害や末梢神経の問題を評価してもらうため。
- 循環器内科: 血行不良や動脈硬化の評価を受けるため。
- 整形外科: 腰椎の問題が疑われる場合。
まとめ
左足のしびれと冷たさは、糖尿病性神経障害、血行不良、腰椎の問題などが考えられます。早めに脳神経内科、循環器内科、整形外科のいずれかを受診し、適切な診断と治療を受けることをお勧めします。
お近くの医療機関は、こちらから検索できますのでご活用ください。
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