高血圧は市販薬でも治療できますか?
高血圧を市販薬で治療することは一般的ではありません。
高血圧治療ガイドラインでは、降圧薬として以下が挙げられています。
- カルシウム拮抗薬
- アンジオテンシン変換酵素阻害薬
- アンジジオテンシンⅡ受容体拮抗薬
- 利尿薬
- β遮断薬
- 直接的レニン阻害薬
- α遮断薬
- ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
- 中枢性交感神経抑制薬
- 古典的な血管拡張薬(ヒドララジン)
これらの薬は、市販されていませんので、医療機関を受診して医師に処方してもらう必要があります。
特定保健用食品(トクホ)・機能性表示食品についても、降圧効果を有する成分が含まれてはいるものの、十分な効果は期待できず、降圧薬の代替品にはなりません。ガイドラインでも、これらの食品の摂取を積極的にはすすめない、とされています。
高血圧の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
市販されている漢方薬の中には、「高血圧の傾向のあるもの 」(釣藤散)や「高血圧に伴う随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なりなど)」(七物降下湯、三黄瀉心湯)などを効果のひとつとして持つものもあります。しかし、将来的な脳心血管病抑制効果が示されているわけではなく、エビデンスも限られているため、ガイドラインでは言及されていません。
漢方薬の中には、甘草(カンゾウ)という成分が含まれているものがあり、この成分が薬剤誘発性高血圧の原因になりえるため、注意が必要です。したがって、血圧を下げることを目的に漢方薬を用いる場合でも、医師の判断のもと処方してもらうことが望ましいでしょう。
公開日:
最終更新日:
東日本橋内科クリニック 一般内科
平松 由布季 監修
(参考文献)
日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会.“高血圧治療ガイドライン2019”.日本高血圧学会.https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_hp.pdf,(参照 2024-05-13).
クラシエ.“クラシエ七物降下湯エキス顆粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J060100956102A.pdf (参照 2024-09-06).
ツムラ.“ツムラ漢方釣藤散エキス顆粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J0601010078_04_A.pdf (参照 2024-09-06).
クラシエ.“クラシエ三黄瀉心湯エキス顆粒”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J0701000797_02_A.pdf (参照 2024-09-06).
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