子宮腺筋症と更年期の関係について教えてください。
子宮腺筋症は女性ホルモンに依存するため、閉経を迎えると進行が止まり症状は改善します。
子宮腺筋症は、子宮の筋肉の層の中にできる病気の部位(子宮内膜に似た組織)が、女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けて増殖し、悪化していく疾患です。このため、月経がある限り、病気の進行は続き、それに伴い月経痛や月経の量が多い(過多月経)といった症状も悪化していきます。
子宮腺筋症が最も多く見られる年齢層は40歳代にピークがあり、これはちょうど多くの女性が更年期(閉経前の約5年間と閉経後の約5年間を合わせた期間)を迎える時期と重なっています。
閉経後の変化
閉経すると、女性ホルモンの分泌が自然に減少し、子宮腺筋症の活動が停止します。その結果、子宮腺筋症に関連する症状は以下のようになります。
- 子宮腺筋症の病気の勢いが止まる
- 月経痛や過多月経などの症状が消失、または改善される
更年期症状との関係
更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって、ほてりや発汗、イライラ、腰痛、頭痛など、さまざまな更年期症状が現れます。子宮腺筋症も月経時以外に腹痛や腰痛などを引き起こすため、更年期と子宮腺筋症の症状が重なって現れることもあります。
更年期障害の治療法としてホルモン補充療法(HRT)が検討されることがありますが、子宮腺筋症の既往がある場合は、HRTの慎重な投与が必要な症例のひとつとされています。診察を受ける際は、これらの症状の原因が、更年期によるものなのか、子宮腺筋症などの別の病気によるものなのかを、医師が区別することが重要です。
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最終更新日:
Ubie株式会社 産婦人科
金沢 誠司 監修
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