抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の場合、日常生活で気をつけることはありますか?
医師の指示に従った厳格な水分制限が最も重要です。毎日の体重測定や、頭痛・吐き気などの体調変化に注意することも大切です。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)と診断された場合、体内に水分が溜まりすぎて、血液中のナトリウム濃度が低下する(低ナトリウム血症)のを防ぐため、日常生活での自己管理が非常に重要になります。気をつけるべき主なポイントは、以下の通りです。
厳格な水分制限
これが最も基本的で重要な治療です。体内にこれ以上水分を溜め込まないようにするため、医師から指示された1日の水分摂取量の上限(例:800mL/日など)を厳守する必要があります。この水分量には、飲み水だけでなく、お茶やジュース、味噌汁やスープといった汁物、水分の多い果物なども含まれるため、注意が必要です。
毎日の体重測定
体内の水分量の変動を把握するために、毎日決まった時間(例:朝起きてトイレに行ったあと)に体重を測定し、記録する習慣をつけましょう。急激な体重増加(例:1日で1kg以上)は、体内に水分が溜まっているサインであり、すぐに主治医に相談する必要があります。
食事の注意
医師の指示によっては、塩分(ナトリウム)を少し多めに摂るように指導されることがあります。ただし、心臓病や腎臓病を合併している場合は塩分制限が必要なこともあり、自己判断での塩分摂取は危険です。必ず医師の指示に従ってください。
体調変化への注意
低ナトリウム血症の症状である、頭痛、吐き気、食欲不振、倦怠感、意識がぼんやりするといった変化に気をつけましょう。これらの症状が現れたり、悪化したりした場合は、速やかに医療機関に連絡してください。
確実な服薬
SIADHの原因疾患に対する薬や、SIADH自体の治療薬が処方されている場合は、必ず指示通りに服用してください。
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(参考文献)
Goce Spasovski et al. Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia. Nephrol Dial Transplant. 2014, Suppl 2, i1-i39.
Horacio J et al. The Syndrome of Inappropriate Antidiuresis. N Engl J Med. 2023, 389, 1499 - 1509.
.“バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断と治療の手引き”.医学情報・医療情報 UMIN.https://square.umin.ac.jp/kasuitai/guidance/SIADH.pdf,(参照 2025-10-27).
有馬寛ほか.“間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版”.日本内分泌学会.https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.phpfile=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00818.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照 2025-10-27).
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最終更新日:
福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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