抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)のセルフチェックはできますか?
正確な診断はできませんが、リスクを疑うことは可能です。原因不明の倦怠感や頭痛が続き、尿量が少ない場合は医師に相談しましょう。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)を、患者さん自身が症状などから判断して、正確にセルフチェックで診断することはできません。
その理由は、SIADHの診断には、血液検査で「低ナトリウム血症」を確認し、同時に尿検査で「尿が適切に薄まっていないこと」を証明する必要があるためです。これらの検査は医療機関でしか行えません。
また、SIADHの初期症状である倦怠感、頭痛、吐き気などは、他の多くのありふれた病気でも見られるため、症状だけでSIADHと判断することは非常に困難です。
ただし、SIADHのリスクが高いかどうかを推測するという意味でのセルフチェックは可能です。以下のような項目に心当たりがある場合は、SIADHの可能性を念頭に置き、医療機関の受診を検討する目安となります。
- 原因不明の体調不良:最近、だるさ、軽い頭痛、食欲不振、吐き気などが続いている。
- 尿量の変化:水分を特別控えていないのに、尿の量が明らかに少ない、または色が濃い。
- 背景となる病気:現在、肺の病気(肺炎など)、脳の病気(髄膜炎や脳出血の後など)、がん(特に肺がん)の治療を受けている。
- 服用中の薬:特定の抗うつ薬や抗てんかん薬、痛み止めなどを最近飲み始めた、または量が変わった。
これらの項目に当てはまり、体調不良を感じる場合は、SIADHの可能性も考えられるため、自己判断せずに、かかりつけ医や専門医(内科、内分泌内科など)に相談することが重要です。
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(参考文献)
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Horacio J et al. The Syndrome of Inappropriate Antidiuresis. N Engl J Med. 2023, 389, 1499 - 1509.
.“バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断と治療の手引き”.医学情報・医療情報 UMIN.https://square.umin.ac.jp/kasuitai/guidance/SIADH.pdf,(参照 2025-10-27).
有馬寛ほか.“間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版”.日本内分泌学会.https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.phpfile=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00818.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照 2025-10-27).
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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