抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の原因は何がありますか?
肺がんなどの悪性腫瘍、肺炎や髄膜炎、脳の病気、特定の薬剤の副作用など、原因は多岐にわたります。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)は、さまざまな病気や状態が引き金となって発症します。原因は大きく分けて、以下の4つに分類されます。
悪性腫瘍(がん)
最も代表的な原因のひとつです。特に肺がん(小細胞肺がん)の腫瘍細胞自体が、本来の場所以外で勝手に抗利尿ホルモン(ADH)を作り出してしまうこと(異所性産生)があります。その他、膵臓がんや消化器系のがんなども原因となり得ます。
中枢神経系の病気
ADHは脳の視床下部で作られ、下垂体から分泌されます。そのため、脳出血、脳梗塞、頭部外傷、髄膜炎や脳炎といった感染症など、脳に影響を及ぼす病気によってADHの分泌調節が乱れ、SIADHが引き起こされることがあります。
肺の病気
肺炎(特にレジオネラ肺炎)、肺結核、喘息の重い発作など、がん以外の肺の病気でもADHの分泌が異常に増えることがあります。
薬剤の副作用
一部の薬剤には、ADHの分泌を促したり、腎臓でのADHの作用を強めたりする副作用があります。原因薬剤としては、特定の抗うつ薬、抗てんかん薬、抗がん剤、痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs)などが知られています。
その他、大きな手術のあとや強い痛み、ストレスなども一時的な原因となることがあります。SIADHの治療では、原因となっている病気の治療や、原因薬剤の中止・変更を行うことが非常に重要となります。
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(参考文献)
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Horacio J et al. The Syndrome of Inappropriate Antidiuresis. N Engl J Med. 2023, 389, 1499 - 1509.
.“バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断と治療の手引き”.医学情報・医療情報 UMIN.https://square.umin.ac.jp/kasuitai/guidance/SIADH.pdf,(参照 2025-10-27).
有馬寛ほか.“間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版”.日本内分泌学会.https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.phpfile=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00818.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照 2025-10-27).
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最終更新日:
福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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