抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の抗利尿ホルモンとはなんですか?
体内の水分量を調節し、尿を濃くして量を減らすホルモンです。「利尿(尿を出すこと)」に「抗う」働きを持つことからこの名前がついています。
抗利尿ホルモン(Antidiuretic Hormone)、略してADHは、その名の通り「尿の量を減らす(利尿に抗う)」働きを持つ、体内の水分バランスを保つための非常に重要なホルモンです。別名「バソプレシン」とも呼ばれます。
このホルモンは、脳の一部である下垂体から分泌され、血液に乗って腎臓に運ばれます。そして、腎臓に対して「体に必要な水分を尿として捨てずに、血液中に再吸収しなさい」という命令を出します。
通常、ADHは体が脱水状態になった時(例:汗をたくさんかいた時)や、血圧が下がった時に分泌量が増え、尿を濃くして水分が逃げないようにします。逆に、水をたくさん飲んで体内に水分が十分ある時は、ADHの分泌が抑えられ、薄い尿がたくさん出て水分バランスが保たれます。
しかし、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)では、体内に水分が十分にあるにもかかわらず、このADHが必要以上に分泌され続けてしまいます。その結果、腎臓は命令通りに水分を溜め込み続け、体内に水が過剰になります。これにより血液が薄まり、「低ナトリウム血症」という危険な状態を引き起こすのです。
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(参考文献)
Goce Spasovski et al. Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia. Nephrol Dial Transplant. 2014, Suppl 2, i1-i39.
Horacio J et al. The Syndrome of Inappropriate Antidiuresis. N Engl J Med. 2023, 389, 1499 - 1509.
.“バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断と治療の手引き”.医学情報・医療情報 UMIN.https://square.umin.ac.jp/kasuitai/guidance/SIADH.pdf,(参照 2025-10-27).
有馬寛ほか.“間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版”.日本内分泌学会.https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.phpfile=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00818.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照 2025-10-27).
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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