抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)を放置するとどうなりますか?
低ナトリウム血症が進行し、頭痛や吐き気から、けいれんや昏睡といった重篤な神経症状に至ります。最悪の場合、命にかかわる危険があります。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)を放置すると、病気の本体である「低ナトリウム血症(血液中のナトリウム濃度が低い状態)」が進行し、非常に危険な状態に陥る可能性があります。
【症状の進行】
軽度の段階
放置された初期段階では、倦怠感、食欲不振、吐き気、軽い頭痛といった、他の体調不良と区別のつきにくい症状が現れます。
中等度の段階
ナトリウム濃度がさらに低下すると、脳の機能に影響が出始めます。頭痛が悪化し、混乱したり、異常な言動が見られたり、眠気が強くなったりします。歩行がふらつくこともあります。
重度の段階(末期症状)
治療されないまま重度の低ナトリウム血症(一般に血清ナトリウム値が120mEq/L未満)になると、脳が水分でむくんでしまう「脳浮腫」という状態になります。これにより、脳圧が上昇し、以下のような命にかかわる深刻な神経症状が引き起こされます。
- けいれん発作
- 昏睡(呼びかけに反応しない意識障害)
- 呼吸停止
このように、SIADHは初期には軽い症状しか見られなくても、放置すると急速に悪化し、命を脅かす可能性がある病気です。特に、高齢者や他の病気を持っている方は重症化しやすいため、原因不明の体調不良を感じた際には、早めに医療機関を受診することが極めて重要です。
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(参考文献)
Goce Spasovski et al. Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia. Nephrol Dial Transplant. 2014, Suppl 2, i1-i39.
Horacio J et al. The Syndrome of Inappropriate Antidiuresis. N Engl J Med. 2023, 389, 1499 - 1509.
.“バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断と治療の手引き”.医学情報・医療情報 UMIN.https://square.umin.ac.jp/kasuitai/guidance/SIADH.pdf,(参照 2025-10-27).
有馬寛ほか.“間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版”.日本内分泌学会.https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.phpfile=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00818.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照 2025-10-27).
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最終更新日:
福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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