抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)ではどのような症状がありますか?
主に低ナトリウム血症による症状です。軽度では倦怠感や吐き気、進行すると頭痛、錯乱、けいれん、重篤な場合は昏睡に至ります。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の症状は、病気そのものによる症状というよりは、SIADHによって引き起こされる「低ナトリウム血症(血液中のナトリウム濃度が低下した状態)」によるものです。症状の重症度は、ナトリウム濃度がどのくらい低いか、また、どれくらいの速さで低下したかによって決まります。
軽度の低ナトリウム血症(血清ナトリウム値 130〜135 mEq/L程度)
多くの場合、症状がないか、あっても軽い倦怠感、食欲不振、吐き気、頭痛など、風邪や疲れと区別がつきにくい非特異的な症状です。
中等度の低ナトリウム血症(血清ナトリウム値 120〜129 mEq/L程度)
症状がはっきりしてきます。頭痛が悪化し、精神症状(錯乱、見当識障害、異常な言動)が現れたり、筋肉のけいれんや意識レベルの低下(ぼんやりする、眠気が強いなど)が見られたりします。
重度の低ナトリウム血症(血清ナトリウム値 120 mEq/L未満)
命にかかわる危険な状態です。脳がむくむ(脳浮腫)ことで、けいれん発作や深い昏睡状態に陥り、呼吸が止まってしまうこともあります。
このように、SIADHの症状は軽度の体調不良から始まり、放置すると急速に重篤な状態へと進行する可能性があります。原因不明の体調不良が続く場合や、特に高齢者で急に様子がおかしくなった場合などは、SIADHの可能性も考えて、早めに医療機関を受診することが重要です。
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(参考文献)
Goce Spasovski et al. Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia. Nephrol Dial Transplant. 2014, Suppl 2, i1-i39.
Horacio J et al. The Syndrome of Inappropriate Antidiuresis. N Engl J Med. 2023, 389, 1499 - 1509.
.“バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断と治療の手引き”.医学情報・医療情報 UMIN.https://square.umin.ac.jp/kasuitai/guidance/SIADH.pdf,(参照 2025-10-27).
有馬寛ほか.“間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版”.日本内分泌学会.https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.phpfile=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00818.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照 2025-10-27).
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最終更新日:
福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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