「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)」とはどのような病気ですか?
抗利尿ホルモンが過剰に分泌され、体内に水が溜まりすぎる病気です。血液が薄まって低ナトリウム血症となり、さまざまな症状を引き起こします。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(Syndrome of Inappropriate secretion of Anti-Diuretic Hormone)、略してSIADHは、その名の通り「抗利尿ホルモン(ADH)」が体の状態に不適合な(=必要ないのに)量だけ過剰に分泌されてしまう病気です。
抗利尿ホルモン(ADH)は、通常、体が脱水状態の時に分泌され、腎臓に働きかけて尿の量を減らし、体内に水分を保持する役割を持っています。
しかし、SIADHでは、体内に水分が十分にあるにもかかわらず、ADHが過剰に分泌され続けてしまいます。その結果、腎臓は必要以上に水分を体に溜め込んでしまい、尿の量が極端に減ります。体内に水分が過剰になることで、血液が薄められ、血液中のナトリウム濃度が低下します。この状態を 「低ナトリウム血症」と呼び、SIADHの本体と言えます。
低ナトリウム血症は、軽度であれば吐き気や食欲不振、倦怠感といった症状ですが、進行すると頭痛や錯乱、けいれん、重篤な場合は昏睡状態に陥ることもあり、命にかかわる危険な状態です。
SIADHの原因はさまざまで、肺がんなどの悪性腫瘍、肺炎や髄膜炎といった感染症、特定の薬剤の副作用などが挙げられます。治療は、原因となっている病気の治療と並行して、厳密な水分制限を行うのが基本となります。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
Goce Spasovski et al. Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia. Nephrol Dial Transplant. 2014, Suppl 2, i1-i39.
Horacio J et al. The Syndrome of Inappropriate Antidiuresis. N Engl J Med. 2023, 389, 1499 - 1509.
.“バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断と治療の手引き”.医学情報・医療情報 UMIN.https://square.umin.ac.jp/kasuitai/guidance/SIADH.pdf,(参照 2025-10-27).
有馬寛ほか.“間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版”.日本内分泌学会.https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.phpfile=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00818.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照 2025-10-27).
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最終更新日:
福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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