抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
原因疾患の見直しと、より厳格な水分制限を行います。薬の量や種類を変更したり、入院して専門的な治療を行うこともあります。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)で薬が効かない場合、治療方針を多角的に見直す必要があります。自己判断は非常に危険なため、必ず主治医と相談してください。
原因の再評価と治療の徹底
まず、SIADHを引き起こしている根本的な原因(肺がん、肺炎、脳の病気、薬剤の副作用など)が見逃されていないか、あるいはその治療が十分に行われているかを再評価します。原因疾患のコントロールがつけば、SIADHも改善することが期待できます。
水分制限の強化
薬物療法の基本となる水分制限が、本当に厳密に守られているかを確認します。水分摂取量を1日500mL以下など、さらに厳しく制限することで効果が出る場合があります。
薬物療法の見直し・変更
現在使用している薬(トルバプタンなど)の量が適切か、投与方法に問題がないかを確認します。効果が不十分な場合は、薬の量を増やしたり、作用の異なる別の薬(ループ利尿薬と食塩の併用など)への変更を検討したりします。
入院による集中治療
外来での管理が難しい場合は、入院して治療を行います。入院環境では、厳密な水分管理ができるだけでなく、症状が重い場合には高張食塩水の点滴など、専門的で慎重な管理を要する治療を行うことができます。これにより、安全かつ確実にナトリウム濃度を補正していきます。
薬が効きにくい難治性のSIADHでは、原因の見極めと治療法の調整が非常に重要になります。内分泌内科や腎臓内科といった専門医のもとで、治療方針を再構築していくことが不可欠です。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
Goce Spasovski et al. Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia. Nephrol Dial Transplant. 2014, Suppl 2, i1-i39.
Horacio J et al. The Syndrome of Inappropriate Antidiuresis. N Engl J Med. 2023, 389, 1499 - 1509.
.“バソプレシン分泌過剰症(SIADH)の診断と治療の手引き”.医学情報・医療情報 UMIN.https://square.umin.ac.jp/kasuitai/guidance/SIADH.pdf,(参照 2025-10-27).
有馬寛ほか.“間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版”.日本内分泌学会.https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.phpfile=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00818.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照 2025-10-27).
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最終更新日:
福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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