薬剤が原因で抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)になりますか?
はい、なります。特定の抗うつ薬や抗てんかん薬、抗がん剤、痛み止めなどが、副作用としてSIADHを引き起こすことが知られています。
はい、薬剤の副作用は、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)を引き起こす重要な原因のひとつです。特定の薬が、脳からの抗利尿ホルモン(ADH)の分泌を異常に促したり、腎臓でのADHの作用を強めたりすることで、SIADHが発症します。
原因となることが知られている代表的な薬剤には、以下のようなものがあります。
向精神薬
- 抗うつ薬:特にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれるタイプで多く報告されています。
抗精神病薬
- 抗てんかん薬:カルバマゼピンなどが有名です。
- 抗がん剤:ビンクリスチンやシクロホスファミドなど、一部の化学療法薬。
- 痛み止め:医療用麻薬(モルヒネなど)や、市販もされている非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期・大量使用。
- その他:一部の降圧薬(チアジド系利尿薬)や睡眠薬など。
特に高齢者は、複数の薬剤を服用していることが多く、腎機能も低下している傾向があるため、薬剤性のSIADHを発症するリスクが高いとされています。
これらの薬を服用中に、原因不明の倦怠感や吐き気、頭痛、食欲不振といった症状が現れた場合は、SIADHの初期症状である可能性も考えられます。自己判断で薬を中止するのは危険ですので、まずは処方した医師や薬剤師に速やかに相談することが重要です。原因薬剤を中止または変更することで、SIADHは改善することがほとんどです。
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(参考文献)
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有馬寛ほか.“間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版”.日本内分泌学会.https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.phpfile=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00818.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b,(参照 2025-10-27).
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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