気管支喘息で食べてはいけないもの、飲んではいけないものはありますか?
一律に禁止される食品はありませんが、食物アレルギーや飲酒が症状を誘発することがあります。
気管支喘息(きかんしぜんそく)がある人全員に共通する「食べてはいけないもの」はありません。ただし、食物アレルギーや食品添加物への感受性がある場合や、飲酒によって症状が誘発される場合は、特定の飲食物を避ける必要があります。
気管支喘息で食べてはいけないものはある?
喘息の発症や悪化には、アレルギー体質、気道過敏性、喫煙、アレルゲン、呼吸器感染症、大気汚染など、さまざまな要因が関係します。食物が喘息を悪化させることもありますが、その頻度は高くなく、主に食物アレルギーがある場合に問題となります(GINA 2026)。
食物アレルギーでは、原因食物を摂取したあとに、次のような症状が現れることがあります。
原因となりやすい食品は年齢によって異なります。乳幼児では鶏卵、牛乳、小麦などが多いとされていますが、年長児や成人では木の実類、甲殻類、果物類なども原因になります。
食物アレルギーの管理は、「正しい診断に基づく必要最小限の除去」が基本です。必要のない除去は栄養不足につながる可能性があるため、自己判断で食品を制限しないでください。一方、すでに除去している原因食物を、医師の指示なく食べて安全性を確かめることも危険です。
気管支喘息で避けたほうがよい飲みものは?
喘息がある人のなかには、飲酒後に咳、喘鳴、鼻づまり、息苦しさなどが現れる人がいます。
アルコールの分解で生じるアセトアルデヒドが体内にたまると、ヒスタミンなどが放出され、気管支が収縮することがあります。日本人の喘息患者さんを対象とした研究では、アセトアルデヒドを分解する酵素であるALDH2の働きが弱い遺伝子型と、アルコールによる喘息症状との関連が報告されています(Takaoら, J Allergy Clin Immunol. 1998)。
また、ワインやビールなどに含まれる亜硫酸塩などが症状の引き金になる場合もあります。飲酒によって症状が出たことがある人は、その飲み物を避け、医師に相談しましょう(環境再生保全機構)。
気管支喘息と食品添加物(保存料)の関係
亜硫酸塩は、食品の変色や腐敗を防ぐ目的で使用される添加物です。ワイン、ビール、ドライフルーツ、加工されたイモ類、エビなどに含まれることがあります。
過去の研究では、喘息患者さんの3~10%に亜硫酸塩への感受性があると推定されています。ただし、実際の頻度には不確実性があり、すべての喘息患者さんが避ける必要はありません。重症の喘息や気道過敏性が強い人では、反応が起こる可能性が比較的高いとされています(Vallyらのレビュー)。
なお、NSAIDs過敏喘息は、アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬によって喘息症状が誘発される病態です。亜硫酸塩への感受性とは別のものであり、NSAIDs過敏喘息があるからといって、すべての食品添加物を避ける必要があるとは限りません。
亜硫酸塩以外の安息香酸塩、着色料のタートラジン、グルタミン酸ナトリウムなどについては、喘息を一般的に悪化させるという十分な根拠はないとされています。特定の添加物を一律に除去するのではなく、実際の症状との関係を医師と確認することが大切です。
気管支喘息と食生活・体重の関係
肥満やメタボリックシンドロームは、喘息の発症やコントロール不良に関係する要因です。肥満では、胸や腹部についた脂肪による呼吸への負担に加え、脂肪組織から分泌される炎症性物質が喘息に影響する可能性があります。
肥満がある場合、適切な減量によって喘息の症状やコントロール状態が改善することがあります。ただし、極端な食事制限は避け、栄養バランスのよい食事と体調に合った運動を基本にしましょう。
気管支喘息の症状と食事で症状が出たときの対応
気管支喘息では次のような症状がみられます(環境再生保全機構)。
- 主に夜間や早朝に息苦しくなる、咳が止まらなくなる
- 呼吸のたびにゼーゼー・ヒューヒューという音がする(ぜん鳴)
- 運動や冷気・煙にあたると息苦しさや咳が出る
食べものや飲みもので咳やゼーゼーが出るときは、自己判断で食事を制限せず、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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気管支喘息が治りづらい方へ


(参考文献)
独立行政法人環境再生保全機構『日常生活におけるぜん息悪化の要因|成人ぜん息(ぜんそく、喘息)』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/causes.html.(参照 2026-09-09).
独立行政法人環境再生保全機構『ぜん息とは|成人ぜん息(ぜんそく、喘息)|ぜん息基礎知識』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/index.html.(参照 2026-09-09).
一般社団法人日本アレルギー学会『食物アレルギー|アレルギーポータル』https://allergyportal.jp/knowledge/food/.(参照 2026-09-09).
Takao A, Shimoda T, Kohno S, Asai S, Harada S. Correlation between alcohol-induced asthma and acetaldehyde dehydrogenase-2 genotype. J Allergy Clin Immunol. 1998;101(5):576-80.
Vally H, Misso NLA, Madan V. Clinical effects of sulphite additives. Clin Exp Allergy. 2009;39(11):1643-51.
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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