男性更年期障害の場合、主にどのような治療をしますか?

生活習慣の改善に加え、テストステロン補充療法や漢方薬等を組み合わせて治療します。

男性更年期障害の治療は、生活習慣の改善を土台に、必要に応じてテストステロン補充療法(TRT)、漢方薬、症状に応じた薬を組み合わせるのが基本です。重症度や検査結果、本人の希望に合わせて、最も負担の少ない方法から段階的に進めます。

生活習慣の改善

すべての治療の土台です。バランスの取れた食事、適度な運動(特に下半身を使う筋トレ)、十分な睡眠、ストレスのコントロール、禁煙、節酒などにより、テストステロンの低下を抑えたり改善したりすることが期待できます。

テストステロン補充療法(TRT「不足したテストステロン(男性ホルモン)を薬で補う治療」)

症状の強さと、血液検査で総テストステロン値(男性ホルモン全体の量を示す値)や遊離テストステロン値(実際に体に効いている形のホルモン量を示す値)を考慮して使用されます。日本では下記の製剤が使用できます。

  • テストステロンエナント酸エステル筋肉注射(エナルモンデポーⓇ、テスチノンデポーⓇ):125〜250mgを2〜4週間に1回
  • テストステロン軟膏(グローミンⓇ):陰嚢の皮膚に毎日塗布する市販薬

TRTを始める前には、挙児希望の有無の確認や、前立腺がん乳がんがないかを確認する検査が必要です。治療中も、副作用の有無を確認する目的でPSA(前立腺がんの目安となる血液検査)、血算(赤血球やヘマトクリットなど血球成分に関わる検査)を定期的にチェックする必要があり、必ず医師の管理下で行う治療です。

漢方薬

PDE5阻害薬(勃起を助ける飲み薬)が使えない方、西洋薬に抵抗がある方などで選択肢になります。
八味地黄丸(はちみじおうがん)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などが代表的です。

症状に応じた薬

上記の治療などをしたうえで、症状に合わせて、以下のような薬を使用することもあります。

  • 抑うつ・不眠が強い場合:抗不安薬、睡眠薬、必要に応じて精神科との連携
  • ED(勃起不全)が強い場合:PDE5阻害薬(バイアグラⓇ、シアリスⓇなど)

ご自身に合った治療を見つけるためにも、まずは泌尿器科やメンズヘルス外来で相談することが大切です。

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東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科

秋元 隆宏 監修

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