男性更年期障害は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
テストステロン補充療法が中心で、多血症や前立腺等の副作用に注意が必要です。
男性更年期障害の薬物治療の中心は、テストステロン補充療法(TRT「不足したテストステロン(男性ホルモン)を薬で補う治療」)です。
治療法としては筋肉注射と塗り薬があります。主な副作用は多血症(血が濃くなる状態)、前立腺への影響、血栓症(血のかたまりができる病気)などで、定期的な血液検査が必須です。
TRTを始める前に必要なこと
TRTは、症状の評価に加えて、血液検査で血中テストステロンの低値を確認したうえで開始します。ただし、挙児希望がある方や、前立腺がんや乳がんがある方は使えないため、開始前にこれらがないか確認することが大切です。
日本で使われる主な製剤
日本では以下のお薬が使用されます。
- テストステロンエナント酸エステル(エナルモンデポーⓇ、テスチノンデポーⓇ):125〜250mgの筋肉注射を2〜4週間に1回行います。最も一般的な治療です
- テストステロン軟膏(グローミンⓇ):陰嚢の皮膚に毎日塗布する市販薬(OTC薬「医師の処方なしに薬局で買える薬」)です。注射より効果は穏やかですが、自分で量を調節しやすい利点があります
治療中に必要な定期検査
TRT開始後は、以下の項目を定期的にチェックしながら治療を続けます。
- 血算(赤血球やヘマトクリットなどの血液成分検査):多血症の早期発見のため
- PSA(前立腺がんの目安となる血液検査):前立腺への影響を確認するため
主な副作用と注意点
以下のような副作用や注意点があります。
- 多血症(赤血球が増えすぎて血が濃くなる状態):血が固まりやすくなり血栓のリスクが高まるため、定期的な血液検査でチェックします
- 前立腺への影響:前立腺がんを進行させる可能性があるため、PSA検査(前立腺の検査)を行います。前立腺がんがある方には使えません
- 乳房の張り、女性化乳房(乳房が大きくなる現象)
- ニキビ、皮脂の増加
- 精子形成の抑制:将来的に子どもをもうけたい男性には基本的にすすめられません
- 不整脈:一部の方に心房細動が起こる可能性が報告されています
TRTを使えない・慎重に検討する方
副作用などのため、以下のような方はTRTを使用することができません。
これらの理由から、TRTは「症状+血液検査結果」で総合的に判断し、開始後も定期的な検査が必須となります。必ず医師の管理下で行いましょう。
ED(勃起不全)が前面に出ている場合は、PDE5阻害薬(バイアグラⓇ、シアリスⓇ、レビトラⓇなど、勃起を助ける飲み薬)が併用されることもあります。
男性更年期障害について、特に知りたいことは何ですか?
利用規約とプライバシーポリシーに同意のうえ、もっとも当てはまる項目を選択してください。
(参考文献)
日本泌尿器科学会ほか. LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き. 医学図書出版. 2022
Bhasin S et al. Testosterone Therapy in Men With Hypogonadism: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline. J Clin Endocrinol Metab. 2018, 103, 1715-1744.
Lincoff AM et al. Cardiovascular Safety of Testosterone-Replacement Therapy. N Engl J Med. 2023, 389, 107-117.
男性の性腺機能低下症ガイドライン作成委員会.“男性の性腺機能低下症ガイドライン2022 133-137”.日本内分泌学会/日本メンズヘルス医学会.https://jspe.umin.jp/medical/files/guide20230217.pdf,(参照 2026-05-12).
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
男性更年期障害
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
公開日:
最終更新日:
編集・監修基準について
本記事は情報の正確性を担保するため、以下のフローを経て作成・公開されています。
Q作成
医師執筆/監修
QAレビュー
公開
東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ医療AIパートナー ユビー
24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです