多発血管炎性肉芽腫症
同義語
ウェゲナー肉芽腫症
「多発血管炎性肉芽腫症」とは、免疫異常で全身の細い血管に炎症が起き、組織が壊死し肉芽腫ができる指定難病です。発熱、倦怠感、治りにくい鼻づまり、血痰、血尿などの症状がみられます。原因不明の発熱や慢性的な鼻・耳の症状、血痰・血尿がある場合はリウマチ膠原病内科を受診しましょう。
京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
病気について
病気そのものが直接がんを引き起こすわけではありませんが、「治療薬の副作用」と「最初の診断」の2つの点で深い関わりがあります。
腎臓の障害は非常に高い確率で発生する、この病気の最も重大な合併症のひとつです。初期は自覚症状のない血尿や蛋白尿から始まりますが、放置すると数日〜数週間という短期間で急激に悪化し、生涯にわたる人工透析が必要な「腎不全」に至る危険があります。
適切な治療をせずに放置すると、肺からの大出血(呼吸不全)や急速に進行する腎不全などを引き起こし、極めて短期間で命を落とす危険性が高い病気です。また、命を取り留めても失明や難聴、手足の麻痺などの重篤な後遺症が残る恐れがあるため、一刻も早い治療の開始が不可欠です。
多発血管炎性肉芽腫症では、初期症状として中耳炎になることがよくあります。患者さんの約90%に耳や鼻の症状が現れるとされており、一般的な抗菌薬を飲んでも治りにくいのが特徴です。
無治療のままでは極めて短期間で命に関わる危険な病気ですが、早期に適切な治療を始めれば、多くの方が数ヶ月で病状をコントロールでき、長期的な延命や通常の生活が期待できます。
肺の病変は70%以上に起こる、この病気の重要な特徴です。主に長引く咳や息苦しさ、胸の痛み、血の混じった痰といった症状が現れます。
本来は体を守るはずの免疫システムに異常が起き、自分の白血球を攻撃してしまう抗体(ANCA)が作られることなどが深く関わっています。
多発血管炎性肉芽腫症は、ANCA関連血管炎の一種で、上気道・肺・腎に炎症が起こる指定難病です。
臓器の障害が元に戻るかや、日常生活・入院への支障度に応じて5段階(1度〜5度)で評価されます。日本の制度では、一般的に「3度以上」の基準を満たすと医療費助成の対象となります。
受診について
かかりつけ医に相談するほか、各都道府県の「難病相談支援センター」や「難病診療連携拠点病院」などの公的な窓口・制度を活用して、専門的な体制が整った総合病院を探すのが最も確実な方法です。
風邪薬や抗菌薬を使っても発熱や関節痛が治まらない場合や、鼻・耳・目の不調に加えて、血痰や血尿などのサインが見られるようになった場合は、早めに専門の医療機関を受診することをご検討ください。
全身の炎症を専門に診る「リウマチ膠原病内科」を受診するのが基本です。この病気は鼻・喉・肺・腎臓など複数の臓器に症状が出るため、必要に応じて耳鼻咽喉科、呼吸器内科、腎臓内科など、他の専門科とも連携しながら診療が進められます。
症状について
病気が最悪の段階まで進行・放置された場合、自力で尿を作れなくなる「末期腎不全」や、肺全体からの出血による「致死的な急性呼吸不全」、喉が塞がる「気道の閉塞」などの命に関わる重篤な状態に陥ります。
指先や皮膚の組織が死んでしまう壊死や、皮膚が深く傷つく潰瘍がみられることがあります。
発熱やだるさといった全身の症状に加えて、耳・鼻・喉(上気道)、肺、腎臓などのさまざまな場所に症状が現れます。現れる症状の範囲や組み合わせは人によって異なります。
発熱や体重減少などの全身のだるさに加え、鼻づまり、膿のような鼻水、鼻血といった耳・鼻・喉(上気道)の症状が初期に現れることがよくあります。
多発血管炎性肉芽腫症のセルフチェックには、上気道・肺・腎臓の症状チェックリストや、症状検索エンジン「ユビー」の質問への回答が活用できます。
治療について
国際的な治療ガイドラインでは、寛解導入療法と寛解維持療法の、大きく2つの段階に分けたアプローチが推奨されています。
手洗いや各種ワクチンの接種などによる感染症対策が重要です。また、ステロイドの副作用に気をつけた体重管理や、規則正しい生活を心がけ、定期的に受診しましょう。
まずは強力な薬を使って、病気の激しい炎症を速やかに鎮める「寛解導入治療」を行います。症状が落ち着いたあとは、薬の量を減らして良好な状態を長く保つ「寛解維持治療」へと移行します。
手続きや支援について
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診断について
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