多発血管炎性肉芽腫症の原因は何がありますか?
本来は体を守るはずの免疫システムに異常が起き、自分の白血球を攻撃してしまう抗体(ANCA)が作られることなどが深く関わっています。
多発血管炎性肉芽腫症の原因
多発血管炎性肉芽腫症のはっきりした原因は、現時点では解明されていません。ただし、いくつかの異なる要因が重なることで免疫のバランスが崩れ、発症や再燃につながると考えられています。主な要因としては、次の3つが挙げられます。
- 免疫の異常(免疫学的要因): 白血球の一種(好中球)に対する「ANCA(アンカ)」と呼ばれる自己抗体が高い確率で見つかります。この抗体が誤って自分自身の細胞を攻撃し、血管に炎症を起こします。
- 細菌などの感染(感染要因): 鼻や喉などの上気道における細菌感染、特に「黄色ブドウ球菌」の持続的な保菌や感染が、病気が発症したり悪化したりするきっかけになることがあります。
- 体質の個人差(遺伝的要因): 親から子どもへ直接遺伝する病気ではありません。ただし、病気になりやすさや免疫の働きに関係する遺伝子の個人差(多型)がいくつか報告されており、発症のしやすさに影響していると考えられています。
多発血管炎性肉芽腫症とANCA(抗好中球細胞質抗体)の関係
この病気では、ANCAの一種である「PR3-ANCA(ピーアールスリー・アンカ)」という自己抗体が高い頻度で検出されます。この抗体が白血球を過剰に刺激・活性化させることで、血管の壁が傷ついて炎症が起きたり、炎症細胞の塊(肉芽腫)が作られたりすると考えられています。
多発血管炎性肉芽腫症は遺伝する病気なのか
前述の通り、この病気は特定の遺伝子によって親から子へ直接受け継がれる遺伝病ではありません。あくまで、いくつかの体質的な傾向(遺伝子の個人差)が、発症のしやすさの背景にあるとされています。
多発血管炎性肉芽腫症の症状
症状は、一般的に鼻や喉(上気道)から始まり、気管や肺(下気道)、そして腎臓へと進む傾向がありますが、影響を受ける臓器やその程度は一人ひとり異なります。気になる症状が長引く場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。
多発血管炎性肉芽腫症について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
難病情報センター.“多発血管炎性肉芽腫症(指定難病44)”.厚生労働省.https://www.nanbyou.or.jp/entry/4011,(参照 2026-08-18).
川嶋聡子.“多発血管炎性肉芽腫症(GPA)”.日本リウマチ学会(JCR).https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/gpa/,(参照 2026-08-18).
厚生労働科学研究費補助金・難治性疾患政策研究事業(難治性血管炎の医療水準・患者QOL向上に資する研究).“「難治性血管炎に関する調査研究班」解説サイト”.難治性血管炎の医療水準・患者QOL向上に資する研究.https://www.vas-mhlw.org/,(参照 2026-08-18).
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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