多発血管炎性肉芽腫症で肺病変が起こることはありますか?
肺の病変は70%以上に起こる、この病気の重要な特徴です。主に長引く咳や息苦しさ、胸の痛み、血の混じった痰といった症状が現れます。
多発血管炎性肉芽腫症とは
多発血管炎性肉芽腫症は、全身の血管に炎症が起きる国の指定難病です。主に、耳・鼻・喉、肺などの下気道、そして腎臓の3つの臓器に障害が起きやすいという特徴があります。
肺に現れる主な症状
肺や気管支などの呼吸器系の障害は、この病気の核心的な特徴のひとつです。半数以上の方が、診断された時点で以下のようななんらかの呼吸器症状を抱えているとされています。
- 長引く咳
- 息苦しさ(呼吸困難)
- 血痰、喀血(かっけつ): 痰に血が混じったり、血を吐き出したりすること
- 胸の痛み
症状が現れる順序と広がり方
一般的には、まず鼻や喉の不調から始まり、次に肺、そして腎臓の順に症状が進むことが多いとされています。
ただし、症状の出方には個人差があります。鼻・肺・腎臓のすべての症状がそろうタイプは「全身型」、1〜2つの臓器にとどまるタイプは「限局型」と呼ばれます。そのため、「肺の症状だけが出る」「鼻と肺の症状だけが出る」といったケースも珍しくありません。
重症化した場合の肺への影響と受診の目安
病気が進行して肺の病変が重症化すると、以下のような深刻な状態を引き起こすことがあります。
- びまん性肺胞出血: 肺の毛細血管で激しい炎症が起き、肺全体から出血してしまう非常に危険な状態です。急激な呼吸困難を引き起こします。
- 気道の狭窄(声門下狭窄など): 空気の通り道である気管などが炎症によって狭くなり、息を吸うときにヒューヒュー音がしたり、窒息のような息苦しさを感じたりします。
- 肺結節・空洞: 肺の内部に丸いしこり(結節)ができ、その中心が崩れて穴が開く(空洞化する)ことがあります。
- 間質性肺炎: 肺全体が徐々に硬く線維化し、呼吸がしづらくなる病態です。
これらは命に関わる重篤な変化につながる恐れがあります。長引く咳や息苦しさ、痰に血が混じるなどのサインに気づいたときは、決して自己判断で放置せず、早めに専門の医療機関を受診してください。
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(参考文献)
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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