多発血管炎性肉芽腫症は難病ですか?
国の指定難病に定められています。発症の原因がはっきりとわかっておらず、長期的な治療が必要となるため、一定の基準を満たすと国から医療費の助成を受けられる対象疾患となっています。
多発血管炎性肉芽腫症(旧称:ウェゲナー肉芽腫症)とは
多発血管炎性肉芽腫症は、免疫の異常によって全身の血管に炎症が起き、炎症の塊(肉芽腫:にくげしゅ)ができる病気です。以前は「ウェゲナー肉芽腫症」と呼ばれていました。
原因はまだはっきりとわかっていませんが、本来は体を守るはずの免疫が自分自身を誤って攻撃してしまう「自己抗体(ANCA:アンカ)」が深く関わっていると考えられています。
なぜ「指定難病」に指定されているのか
この病気は、原因が不明で根本的な治療法がまだ確立されておらず、長期間の療養が必要となるため、国が定める「指定難病(指定難病44号)」に指定されています。
日本国内での年間発症率は100万人あたり2人程度と非常にまれな病気ですが、一定の重症度基準を満たせば、治療にかかる医療費の助成を受けることができます。現在では国内の診療ガイドラインも整備され、専門的な治療体制が整えられています。
主な症状
多くの場合、鼻や喉などの上気道から始まり、肺、そして腎臓へと症状が進む傾向があります。ただし、症状の出方や進む順番には個人差があります。
治療と見通し
治療の中心となるのは、炎症や免疫の暴走を抑え込むための薬物療法です。主に「副腎皮質ステロイド」と「免疫抑制薬」を組み合わせて使用します。
早期に適切な治療を始めれば、約97%の方が「寛解(かんかい:症状がすっかり落ち着き、安定した状態)」に至ると報告されています。しかし、発見や治療が遅れると肺や腎臓に回復しにくいダメージが残るリスクがあります。長引く鼻水や咳、血痰、血尿などの気になるサインがある場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診することが大切です。
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(参考文献)
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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