多発血管炎性肉芽腫症で皮膚が壊死することはありますか?
指先や皮膚の組織が死んでしまう壊死や、皮膚が深く傷つく潰瘍がみられることがあります。
多発血管炎性肉芽腫症とは
多発血管炎性肉芽腫症は、全身の細い血管に炎症が起きる病気です。はっきりした原因はわかっていませんが、自分自身を攻撃してしまう自己抗体(ANCA)が深く関わっており、鼻や喉、肺、腎臓などに影響が出やすいのが特徴です。
多発血管炎性肉芽腫症の皮膚症状
この病気では、皮膚の血管にも炎症が及ぶことで、さまざまなトラブルが起こります。海外の研究報告では、患者さんの半数以上に皮膚症状がみられたとされており、次のような症状が現れることがあります。
- 可触性紫斑: 触って少し盛り上がりを感じる、赤紫色のあざのような出血斑(最も多くみられます)
- 指の壊死: 血流が途絶えることで、指先の組織が死んでしまう状態
- 皮膚の壊死・潰瘍: 皮膚にできたしこりの中心が壊死したり、皮膚が深くえぐれたような潰瘍ができたりする状態
多発血管炎性肉芽腫症で皮膚が壊死する理由
この病気は、血管の壁が壊死を伴って激しい炎症を起こす「壊死性血管炎」が特徴です。血管に炎症が起きて血流が悪くなり、皮膚や指先などの末端に十分な血液や酸素が届かなくなるため、組織が壊死してしまいます。また、こうした皮膚の紫斑などは、臓器の障害をいち早く察知する重要な手がかりにもなります。
多発血管炎性肉芽腫症のその他の症状
皮膚のトラブルに加えて、発熱、体重減少、強いだるさ、筋肉痛や関節痛といった全身の症状や、手足のしびれ(多発神経炎)などが現れることもあります。
治療と受診の目安
治療には、副腎皮質ステロイドや免疫を抑える薬が用いられます。皮膚に治りにくいあざや紫斑、潰瘍、壊死などの症状がみられるときは、病気が体内で進んでいるサインの可能性があるため、早めに専門の医療機関を受診することをご検討ください。
多発血管炎性肉芽腫症について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
難病情報センター.“多発血管炎性肉芽腫症(指定難病44)診断・治療指針”.難病情報センター.https://www.nanbyou.or.jp/entry/4012,(参照 2026-08-19).
難病情報センター.“多発血管炎性肉芽腫症(指定難病44)”.厚生労働省.https://www.nanbyou.or.jp/entry/4011,(参照 2026-08-18).
Montero-Vilchez T, et al. Cutaneous Manifestations of Granulomatosis with Polyangiitis: A Case Series Study. Acta Derm Venereol. 2020, 100, adv00150.
川嶋聡子.“多発血管炎性肉芽腫症(GPA)”.日本リウマチ学会(JCR).https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/gpa/,(参照 2026-08-18).
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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