多発血管炎性肉芽腫症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
治療には主に「副腎皮質ステロイド」と、免疫の働きを抑える薬を組み合わせて使用します。効果が高い一方で、免疫が下がることによる感染症や、血液・膀胱などへの副作用に十分な注意と定期的な検査が必要です。
多発血管炎性肉芽腫症の治療の考え方
治療の大きな目標は、激しい炎症を速やかに鎮める「寛解導入(かんかいどうにゅう)治療」を行い、その落ち着いた状態を長く保って再発を防ぐ「寛解維持(かんかいいじ)治療」へとつなげる2つの段階で進められます。
多発血管炎性肉芽腫症の治療に使われる薬
最初の強力な炎症を抑える寛解導入治療では、「副腎皮質ステロイド」に、次のいずれかの薬を組み合わせて使います。
- シクロホスファミド: 点滴で行われることが多い強力な免疫抑制薬です。
- リツキシマブ: 専門的な知識と経験を持つ医師の判断のもとで使用される薬です。
- 軽症の場合:メトトレキサートやミコフェノール酸モフェチルなどが選ばれることもあります。
腎臓に重い障害がある場合は、血液中の悪い成分を取り除く「血漿交換(けっしょうこうかん)」を併用することもあります。症状が落ち着いた後の維持治療では、ステロイド薬とアザチオプリン、またはリツキシマブやメトトレキサートを組み合わせて服用を続けます。
多発血管炎性肉芽腫症の治療薬の副作用
治療に使う薬には、以下のような特有の副作用があるため、定期的な血液・尿・肝機能・腎機能の検査が欠かせません。
- シクロホスファミドの主な副作用: 血液を作る働きが弱まる「骨髄抑制(感染症や出血リスクにつながる)」、膀胱の粘膜が荒れる「出血性膀胱炎」、免疫低下による感染症、将来的な生殖機能への影響や、長期使用によるがんのリスク増加など。
- 副腎皮質ステロイドの副作用: 長期に飲むことで感染症にかかりやすくなるほか、血糖値の上昇や骨がもろくなるなどのリスクがあるため、症状が落ち着き次第、医師の管理のもとで少しずつ量を減らしていきます。
多発血管炎性肉芽腫症の治療中に気をつけたいこと
免疫を抑える薬を使うため、日常生活では細菌やウイルスによる感染症に対する対策が非常に重要になります。手洗い・うがいなどを徹底し、発熱やいつもと違う体調の変化を感じたときは自己判断で様子を見ず、速やかに医療機関へご相談ください。
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(参考文献)
難病情報センター.“多発血管炎性肉芽腫症(指定難病44)診断・治療指針”.難病情報センター.https://www.nanbyou.or.jp/entry/4012,(参照 2026-08-19).
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA).“患者向医薬品ガイド 経口用エンドキサン原末100mg”.PMDA.https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/guide/ph/340018_4211002X1023_1_00G.pdf,(参照 2026-08-19).
厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業. ANCA関連血管炎診療ガイドライン2023. 診断と治療社. 2023
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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