多発血管炎性肉芽腫症ではどのような症状がありますか?
発熱やだるさといった全身の症状に加えて、耳・鼻・喉(上気道)、肺、腎臓などのさまざまな場所に症状が現れます。現れる症状の範囲や組み合わせは人によって異なります。
多発血管炎性肉芽腫症とは
多発血管炎性肉芽腫症は、全身の細い血管に炎症が起こる指定難病です(以前は「ウェゲナー肉芽腫症」と呼ばれていました)。免疫の異常によって自分自身の細胞を攻撃してしまう抗体(ANCA)などが関わっているとされています。
多発血管炎性肉芽腫症の原因
はっきりとした原因はまだわかっていません。免疫の異常、細菌感染、遺伝的な体質(遺伝子多型)など、複数の要因が重なって引き起こされると考えられていますが、親から子どもへ直接遺伝する病気ではありません。
多発血管炎性肉芽腫症の症状
多くの場合、鼻や喉などの上気道から始まり、気管や肺、そして腎臓へと症状が広がっていく傾向がありますが、影響を受ける部位や程度は一人ひとり異なります。
- 全身の症状: 発熱、食欲不振、強いだるさ(倦怠感)、体重減少、疲れやすさ、筋肉痛、関節痛など
- 上気道(耳・鼻・喉)の症状: 治りにくい鼻づまり、膿や血の混じった鼻水、鼻の骨が壊れて鼻筋が沈む変形(鞍鼻)、難聴、耳だれ、目の痛みや充血など
- 肺(呼吸器)の症状: 咳、血の混じった痰、息苦しさや呼吸困難など
- 腎臓の症状: 健康診断などで見つかる血尿や蛋白尿、むくみ、急速に悪化する腎炎など
- その他の症状: 皮膚にあざや紫斑(皮下出血)ができる、手足のしびれや麻痺(多発神経炎)が起きるなど
なお、これら全身・上気道・肺・腎臓のすべての領域に症状が及ぶタイプを「全身型」、一部の領域のみにとどまるタイプを「限局型」と呼び分けることがあります。
多発血管炎性肉芽腫症が重症化するとどうなる?
病気が進行して肺や腎臓に強い炎症が及ぶと、激しい出血や腎機能の急激な低下(腎不全)などを引き起こし、重症化するリスクがあります。発熱や鼻・耳の慢性的な不調に加えて、血痰や血尿などのサインが見られた場合は、早めに専門の医療機関を受診することが大切です。
多発血管炎性肉芽腫症について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
難病情報センター.“多発血管炎性肉芽腫症(指定難病44)”.厚生労働省.https://www.nanbyou.or.jp/entry/4011,(参照 2026-08-18).
川嶋聡子.“多発血管炎性肉芽腫症(GPA)”.日本リウマチ学会(JCR).https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/gpa/,(参照 2026-08-18).
日本小児リウマチ学会.“多発血管炎性肉芽腫症 概要”.小児慢性特定疾病情報センター.https://www.shouman.jp/disease/details/06_02_008/,(参照 2026-08-18).
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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