多発血管炎性肉芽腫症は血液検査でわかりますか?
血液検査でANCA(自己抗体)や炎症反応を確認できますが、血液検査だけでは確定診断できず、症状や組織検査との組み合わせが必要です。
血液検査でわかること
血液検査では、体の中で炎症がどれくらい起きているかを示す数値(CRPの上昇や白血球の増加など)を確認できます。さらに、「ANCA(アンカ)」と呼ばれる、自分自身の細胞を誤って攻撃してしまう自己抗体を調べることで、診断に向けた重要な手がかりが得られます。
血液検査(ANCA検査)と病気の関係
多発血管炎性肉芽腫症の患者さんの多くは、血液検査で特定の自己抗体(PR3-ANCAなど)が高い確率で陽性になります。日本ではMPO-ANCAが陽性になる方も多く見られます。ただし、血液検査だけで診断が確定できないのには理由があります。
- 陰性の場合もある:患者さんの10%程度はANCAが陰性(検出されない)となるため、血液検査に異常がないからといって病気ではないと言い切ることはできません。
- 他の病気でも陽性になる:ANCAは、他の血管炎や別の病気でも陽性になることがあり、この病気だけに特有の反応ではありません。
どのような症状と組み合わせて考えるのか
診断を確かなものにするためには、血液検査の結果に加えて、この病気に特徴的な症状が出ているかどうかも重要な手がかりになります。
病気を確定するための診断方法
多発血管炎性肉芽腫症の診断は、血液検査の結果だけで下されることはありません。上記のような特徴的な症状に加え、肺や鼻の画像検査(CTなど)、そして影響を受けている組織の一部を採って顕微鏡で調べる生検の結果をすべて組み合わせて、専門医が総合的に判断します。
疑わしい症状があるときは
血液検査は病気を見つけるための強力な手がかりになりますが、それだけで自己判断せず、専門医による詳しい検査を受けることが大切です。抗生物質を飲んでも治らない鼻や耳の不調、血の混じった痰、血尿、原因不明の発熱などが続く場合は、早めに専門の医療機関を受診することをご検討ください。早期発見と適切な治療が、その後の順調な回復につながります。
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(参考文献)
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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