多発血管炎性肉芽腫症の余命はどれくらいですか?
無治療のままでは極めて短期間で命に関わる危険な病気ですが、早期に適切な治療を始めれば、多くの方が数ヶ月で病状をコントロールでき、長期的な延命や通常の生活が期待できます。
多発血管炎性肉芽腫症の余命と予後
この病気において、「余命〇年」や「〇年生存率」といった一律のデータを示すことは困難です。なぜなら、「治療を行うかどうか」や「治療を始めるタイミング」によって、その後の寿命や見通し(予後)が劇的に変わるためです。
治療をしなかった場合と早期治療の効果
- 無治療の場合: 治療を行わずに放置すると、肺からの大出血(呼吸不全)や急速に進行する腎不全などにより、余命を語る間もなく極めて短期間のうちに命を落としてしまう危険性の高い病気です。
- 早期治療の場合: 発症の早い段階で、副腎皮質ステロイドや免疫を抑える薬を使った強力な治療を開始すれば、約60〜90%(日本国内の特定の調査では約97%)という高い割合で、3〜6ヶ月以内に「寛解(かんかい:病状がすっかり落ち着いた状態)」に導くことができます。寛解に至れば、長期間にわたって通常の生活を送ることが十分に期待できます。
治療が遅れた場合のリスクと後遺症
発見や治療が遅れて病気が進行してしまうと、薬の効果が十分に得られにくくなります。命を取り留めたとしても、炎症で破壊された組織は元に戻らないため、以下のような重大な後遺症が残るリスクがあります。
- 腎不全: 腎臓の機能が失われ、生涯にわたる血液透析(人工透析)が必要になる
- 呼吸不全: 肺のダメージにより慢性的に呼吸が苦しい状態が続く
- 外見や感覚の障害: 鼻の軟骨が壊れる変形(鞍鼻:あんび)や、重大な視力障害、難聴など
気をつけたい合併症と主な死因
治療によって病気そのものが落ち着いても、油断はできません。実際の死因としては、病気そのものの悪化(最重症の呼吸不全など)に加えて、免疫を抑える治療によって抵抗力が落ち、敗血症(細菌感染が全身に広がる命に関わる状態)や重い肺炎などの感染症にかかって亡くなるケースが多いことがわかっています。
長く安定した生活を送るために
多発血管炎性肉芽腫症は、一度落ち着いたあとも、時間が経ってから再び悪化を繰り返しやすい特徴があります。長く安定した生活を続けるためには、自己判断で薬をやめたり減らしたりせず、定期的に専門医の診察を受け続けること、そして日頃からの徹底した感染症対策が何よりも大切です。
多発血管炎性肉芽腫症について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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