多発血管炎性肉芽腫症の診断基準について教えてください。
鼻や喉、肺、腎臓などの特徴的な症状に加えて、顕微鏡で組織を調べてわかる炎症の特徴や、血液検査で特殊な自己抗体が見つかるかどうかなどを総合的に組み合わせて判断します。
多発血管炎性肉芽腫症とは
多発血管炎性肉芽腫症(GPA)は、以前は「ウェゲナー肉芽腫症」と呼ばれていた指定難病です。細い血管に炎症が起きる「血管炎」と、免疫細胞が集まってしこりのような塊を作る「肉芽腫(にくげしゅ)」ができるのが特徴で、鼻や喉などの上気道から、肺、腎臓へと症状が広がることがあります。
多発血管炎性肉芽腫症の診断基準
多発血管炎性肉芽腫症(GPA)には、「この検査でこの数値が出たら診断確定」というような、世界的に決まった診断のものさしは存在しません。学会などがつくっている「分類基準」というものはありますが、これは治療研究のために似た症状の患者さんをグループ分けするためのもので、一人ひとりの診断にそのまま当てはめるには精度が足りないとされています。
そのため実際には、医師が次のような情報を複数組み合わせて、総合的に診断を進めます。
- 症状:鼻づまりや鼻血、耳の症状、喉の狭さ、肺の症状(結節や出血)、腎臓の症状など、体のどこにどんな症状が出ているか。
- 血液検査:PR3-ANCA(またはC-ANCA)という特殊な自己抗体が陽性かどうか(ただし陰性でも病気を否定はできません)。
- 画像検査:肺のCTで見える結節や空洞、副鼻腔のCTで見える骨の変化など。
- 生検(最も重要):皮膚、腎臓、肺、鼻などの組織を少し採って顕微鏡で調べ、「壊死性肉芽腫性炎症」や「壊死性の小さな血管の炎症」といった特徴的な所見があるかを確認する検査。これが最も確実な手がかりになります。
主な症状
気になる症状があるときは
鼻や喉、肺、腎臓の不調に加えて、原因のわからない発熱や体重減少が続いている場合は、自己判断せず、早めに専門の医療機関(呼吸器内科、腎臓内科、リウマチ・膠原病内科など)に相談することをおすすめします。診断には血液検査(PR3-ANCA)や画像検査、必要に応じた組織の精密検査(生検)が用いられます。
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(参考文献)
厚生労働省.“指定難病44 多発血管炎性肉芽腫症 概要”..https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000089937.pdf,(参照 2026-08-18).
難病情報センター.“多発血管炎性肉芽腫症(指定難病44)”.厚生労働省.https://www.nanbyou.or.jp/entry/4011,(参照 2026-08-18).
川嶋聡子.“多発血管炎性肉芽腫症(GPA)”.日本リウマチ学会(JCR).https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/gpa/,(参照 2026-08-18).
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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