多発血管炎性肉芽腫症の場合、主にどのような治療をしますか?

まずは強力な薬を使って、病気の激しい炎症を速やかに鎮める「寛解導入治療」を行います。症状が落ち着いたあとは、薬の量を減らして良好な状態を長く保つ「寛解維持治療」へと移行します。

多発血管炎性肉芽腫症とは

多発血管炎性肉芽腫症は、全身の細い血管に炎症が起きる国の指定難病のひとつです。鼻や耳、喉、肺、腎臓などの大切な臓器に、炎症の塊(肉芽腫)ができやすいのが特徴です。

多発血管炎性肉芽腫症の治療の基本方針

治療は、大きく分けて2つのステップで進められます。

  1. 寛解導入(かんかいどうにゅう)治療: 強力な薬を使って、急な炎症や不調を速やかに落ち着かせる初期治療
  2. 寛解維持(かんかいいじ)治療: 症状が治まった(寛解した)状態を長く保ち、再燃を防ぐための治療

患者さんの病状の重さに合わせて、最適な薬の組み合わせが選ばれます。

多発血管炎性肉芽腫症の寛解導入治療

初期の強い炎症を抑えるため、「副腎皮質ステロイド」と、免疫の働きを抑える「シクロホスファミド」という薬を組み合わせて使うのが基本です。病状や医師の判断によって、次のような選択肢が検討されることもあります。

  • ステロイド薬 + 「リツキシマブ」
  • ステロイド薬 + 「ミコフェノール酸モフェチル」
  • 重い臓器の障害がない場合:ステロイド薬 + 「メトトレキサート」
  • 重い腎障害がある場合:血液中の悪い成分を取り除く 血漿交換(けっしょうこうかん) の併用

多発血管炎性肉芽腫症の寛解維持治療

症状が落ち着いたあとは、より副作用の少ない維持用の薬(アザチオプリン、メトトレキサート、リツキシマブなど)に切り替え、少量のステロイド薬と一緒に長期間にわたって継続服用することで、病気の再発を防ぎます。

多発血管炎性肉芽腫症の治療を続けるうえでの注意点

治療中に症状がぶり返した場合は、再び強い炎症を抑える治療を行います。また、免疫を抑える薬を使うため、感染症にかかりやすくなる点に十分な注意が必要です。治療は長期にわたるため、自己判断で薬を中止せず、定期的に医療機関を受診して医師と相談しながら進めることが大切です。

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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科

山形 昂 監修

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