多発血管炎性肉芽腫症を放置するとどうなりますか?
適切な治療をせずに放置すると、肺からの大出血(呼吸不全)や急速に進行する腎不全などを引き起こし、極めて短期間で命を落とす危険性が高い病気です。また、命を取り留めても失明や難聴、手足の麻痺などの重篤な後遺症が残る恐れがあるため、一刻も早い治療の開始が不可欠です。
多発血管炎性肉芽腫症とは
多発血管炎性肉芽腫症は、免疫の異常によって全身の細い血管に激しい炎症が起こり、組織が破壊されていく国の指定難病です。
治療せずに放置するとどうなるか(命への危険)
適切な治療をせずに放置した場合、病気は急速に進行します。肺全体から出血して窒息状態に陥る「びまん性肺胞出血(急性呼吸不全)」や、自力で尿を作れなくなる「急速進行性の腎不全」などを引き起こし、極めて高い確率で急速に死に至る、非常に危険な状態となります。
放置によって生涯残る深刻な後遺症
命を取り留め、その後に病状が落ち着いたとしても、治療が遅れてすでに破壊されてしまった組織は元に戻りません。そのため、以下のような重篤な後遺症が生涯残る可能性が非常に高くなります。
- 永久的な難聴: 耳の神経や骨が完全に破壊されて起きる、重度の聴力低下
- 重大な視力障害(失明): 目の神経への障害による視力の喪失
- 鞍鼻(あんび)変形: 鼻の軟骨が壊死し、鼻筋が大きく落ちくぼんでしまう変形
- 永久的な末梢神経障害: 手足の神経が障害され、力が入らずだらりと麻痺してしまう状態
- 透析への移行: 腎臓の機能が失われ、生涯にわたる血液透析(人工透析)が必要な状態
早期治療の重要性と見込める改善
無治療のまま放置すれば極めて危険な病気ですが、手遅れになる前に強力な治療(副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬)を早期に開始すれば、約60〜90%の高い確率で病状を速やかにコントロールできる「寛解(かんかい)」状態に導くことが可能です。
治りにくい鼻の不調や血痰、長引く発熱などのサインに気づいたときは、決して自己判断で放置せず、一刻も早く専門の医療機関を受診することが、ご自身の命と将来の生活を守るために最も重要です。
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(参考文献)
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京都大学iPS細胞研究所 呼吸器内科
山形 昂 監修
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