後天性血友病は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
後天性血友病は主にバイパス止血製剤と免疫抑制薬で治療され、血栓症や感染症などの副作用があります。
後天性血友病の治療は、①バイパス止血製剤による止血治療(出血のコントロール)と、②プレドニゾロン(+シクロホスファミド)によるインヒビター除去療法(疾患の根本的治療)の2本柱で構成されます。
①バイパス止血製剤
自己抗体により第VIII因子が機能しないため、通常の凝固経路を迂回(バイパス)する「バイパス止血製剤」が止血治療に用いられます。
代表的な薬剤には、遺伝子組換え活性型第VII因子(rFVIIa)や活性化プロトロンビン複合体製剤(aPCC)があり、これらは第X因子を直接または複合的に活性化して止血効果を発揮します。
まれではありますが、副作用としてバイパス止血製剤使用による種々の血栓症が下記のように報告されています。
- 遺伝子組換え活性型第VII因子(rFVIIa):心筋梗塞、脳血管障害、深部静脈血栓、肺血栓塞栓症、播種性血管、内凝固(全身の微小な血栓症, DIC)など
- 活性化プロトロンビン複合体製剤(aPCC):DIC、心筋梗塞、肺血栓塞栓症など
両者とも80%近くは高齢、潜在性の虚血性心疾患、肥満、高脂血症などのリスク因子をもつ患者や、薬剤の大量・長期使用時に起こっています。
そのため、特にこれらのハイリスク患者さんには血栓症の存在が確認できる血液検査を適宜行う必要があります。
② プレドニゾロン(+シクロホスファミド)
出血制御と同時に、インヒビター除去療法として免疫抑制療法を開始するのが標準的です。プレドニゾロン単独またはプレドニゾロン+シクロホスファミド併用が第一選択です。
副作用は、プレドニゾロン、シクロホスファミドそれぞれ以下のようです。
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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