後天性血友病の場合、主にどのような治療をしますか?

出血に対するバイパス止血と、免疫抑制薬による自己抗体(インヒビター)除去が基本です。

解説

後天性血友病は、止血に必要である血液凝固因子を働かなくさせる自己抗体(インヒビター)が産生されることによって、著しい出血がひきおこされる疾患です。

したがって、後天性血友病の治療は、①止血治療(出血のコントロール)と、②インヒビター除去療法(疾患の根本的治療)の2本柱で構成されます。

①止血治療

自己抗体により第VIII因子が機能しないため、通常の凝固経路を迂回(バイパス)する「バイパス止血製剤」が用いられます。

通常は、第VIII因子 → 第IX因子 → 第X因子 → 凝固というルートを辿りますが、第VIII因子が低下していますので、第VIII因子の部分を「バイパス」した迂回ルートで第X因子を活性化する治療です。

代表的な薬剤には、遺伝子組換え活性型第VII因子(rFVIIa)や活性化プロトロンビン複合体製剤(aPCC)があり、これらは第X因子を直接または複合的に活性化して止血効果を発揮します。

②インヒビター除去療法

出血制御と同時に、免疫抑制療法を開始するのが標準的です。プレドニゾロン単独またはプレドニゾロン+シクロホスファミド併用が第一選択です。

ガイドラインでは、第VIII因子活性の正常化とインヒビターの検出限界以下の達成を寛解(CR)と定義し、本邦、欧米の報告によると寛解率は60~80%とされています。

公開日

最終更新日

‪東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター ‬ 悪性腫瘍治療研究部‬ 腫瘍 血液内科

村橋 睦了 監修

おすすめのQ&A
関連する病気と症状

(参考文献)

この記事をシェアする

治療が必要な患者様へのお願い

後天性血友病

の方は説明を必ずお読みください

こちらのQRコードを

スマーフォンのカメラで読み取ってください

疾患について分かりやすくまとまっています
1

QRコードを読み取るだけ 非接触で安心

2

一問一答なので 読むのが簡単

3

どんな治療をするべきか 納得して取り組める

関連するQ&A
関連する病気と症状
気になる症状はユビーアプリで簡単チェック
初めての方へ

ユビー病気のQ&Aとは?

現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。

病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ
無料で症状を調べる
症状を調べる

症状検索エンジン「ユビー」

体調に不安がある、医療機関への受診を考えている方向けに、20〜30問程度の質問に答えることで、あなたに関連性のある病名や、適切な受診先を無料で調べられます。

さっそく調べる
医療機関を探す
医療機関を探す

お近くの病院をお探しの方へ

「受診科が分からない」「どの医療機関に行ったらいいか分からない」といった悩みは、ユビーの病院検索が便利です。近所の病院も探せるので、ぜひご利用ください。

病院を探す
治療法を調べる
治療法を調べる

治療案内ユビー

自身の治療情報を登録することで、治療の選択肢や使っている薬についてなど、あなたの参考になりそうな治療情報を調べられる機能です。

さっそく調べる
ネットで医師相談
ネットで医師相談

ユビーかんたん医師相談

病院にすぐに行くべきかなど悩んだタイミングですぐに相談。つらくて病院に行けないとき、時間がないとき、夜間や休日などに、いつでも医師に相談できます。

詳しくはこちら