肥満のある2型糖尿病では、薬の選び方は変わりますか?
変わります。肥満の有無も判断材料となり、体重を増やしにくい薬が候補になります。
2型糖尿病の薬は、肥満があるかどうかで候補が変わります。ここでは学会が示す選び方の流れを解説します。
肥満の有無による薬の選び方の違い
日本糖尿病学 会の「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」(2022年9月策定、2023年10月改訂)では、Step 1として「病態に応じた薬剤選択」を置き、病態をある程度判別できる臨床指標として肥満の有無を採用しています(糖尿病診療ガイドライン2024)。なお、その前に、重い高血糖などでインスリン治療が必要かどうかを確認することもあります。
肥満がある場合に候補となる薬
インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)があることを想定して、次のような薬が候補になるとされています(糖尿病診療ガイドライン2024)。
- インスリンの分泌を促さない薬: ビグアナイド薬、SGLT2阻害薬、チアゾリジン薬
- 体重減少が期待できる薬: GLP-1受容体作動薬
- インスリン抵抗性を改善する作用も併せ持つ薬: イメグリミン
- 食後の高血糖に対して: α-グルコシダーゼ阻害薬
体重増加への悪影響はないとされるDPP-4阻害薬も、腎機能などの理由でビグアナイド薬を使いにくく、ビグアナイド薬が避けられる傾向にある高齢の方で候補に挙がります。
薬の選択で考慮されるほかの要素
肥満の有無だけでは決まりません。アルゴリズムはStep 1のあとに、Step 2「安全性への配慮」、Step 3「心臓や腎臓を守る効果などを考慮すべき併存疾患」、Step 4「服薬の続けやすさと医療費」を順に検討する流れになっています。
BMIが25kg/m²未満の場合の注意点
日本人を含むアジア人では、BMIで非肥満に分類される場合でも内臓脂肪の蓄積によるインスリン抵抗性を認める例があります。そのため、BMIに加えてウエスト周囲長(腹囲)を測り、内臓脂肪の蓄積を評価することが望まれるとされています。ご自身に合う薬については、医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
日本糖尿病学会 編・著『糖尿病診療ガイドライン2024』南江堂, 2024(第13章 13-3「肥満2型糖尿病への薬物治療はどのように考えるか?」/第5章 5-2「血糖降下薬の選択はどのように行うか?」)
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編集・監修基準について
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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