糖尿病で足が壊疽するのはなぜですか?初期症状の見分け方も教えてください。
神経障害と血流低下に感染が重なるためで、痛みがなくても進みます。
糖尿病で足の壊疽が起こる背景には、神経と血流の両方の変化が関わっています。
糖尿病で足壊疽・足潰瘍が起こる仕組み
糖尿病性足病変は「神経障害や末梢動脈疾患と関連して糖尿病患者の下肢に生じる感染、潰瘍、足組織の破壊性病変」と定義されます(糖尿病診療ガイドライン2024)。神経障害が進むと足の変形や胼胝(たこ)ができて足の裏にかかる圧力が高まり、汗が減って皮膚が乾燥し、割れやすくなります。そこへ靴ずれ・外傷・低温やけどなどが加わると潰瘍ができますが、感覚が鈍っているため発見が遅れます。さらに末梢動脈疾患による血流低下や細菌感染が重なると治りにくくなり、組織が死んでしまった状態(壊疽)へと進みます。糖尿病性足潰瘍の90%に末梢神経障害が合併すると報告されています。また、足潰瘍は再発が多く、7〜20%が下肢切断に至り、糖尿病のある人の足切断の80〜85%は足潰瘍が先行するとされています(糖尿病診療ガイドライン2024)。
糖尿病性壊疽の初期症状として現れる足のサイン
潰瘍や壊疽に進む前の段階では、次のような変化がみられることがあります。
- 足の裏の胼胝(たこ)や鶏眼(うおのめ)、足の指の変形
- 皮膚の乾燥やひび割れ
- しびれ、冷たさ、感覚の鈍さ
- 爪の変形、足白癬(水虫)
- なかなか治らない小さな傷、皮膚の色の変化
足白癬や爪白癬の治療は潰瘍の発症や悪化を防ぐために、胼胝・鶏眼への適切な処置は潰瘍の発症を防ぐために推奨されています。ただし、不適切な処置はかえって潰瘍を悪化させることがあるとされています(創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―3:糖尿病性潰瘍・壊疽ガイドライン)。
壊死のサインを見分けるときの注意点と受診の目安
傷の周囲が赤くなる、熱を持つ、腫れる、うみが出るといった変化があるときは、すぐに医療機関に相談することが大切とされています。注意したいのは、感覚が低下していると痛みが出ないまま進むことがある点です。痛みの有無だけで判断せず、毎日足を見て触って確かめることが早期発見につながります。見えにくい足の裏や指の間は、鏡を使ったり家族に見てもらったりする方法がすすめられています。気になる変化があるときは、医療機関への相談をご検討ください。
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(参考文献)
日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024 11章 糖尿病性足病変」https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/11_1.pdf
日本皮膚科学会「創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―3:糖尿病性潰瘍・壊疽ガイドライン」日皮会誌 127(9):1989-2031, 2017https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/3.diabetic_ulcer_GL.pdf.(参照 2026-10-07).
国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「フットケア」https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/070/11.html.(参照 2026-10-07).
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日本医科大学付属病院形成外科 形成外科
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