喘息
監修医師折茂 圭介呼吸器内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/12/15
気管支喘息とは
慢性的な炎症があることで刺激に敏感になった気管支が、何らかの刺激で細くなることで、呼吸困難をきたす病気です。
ピークフローメーターとは何ですか?
気道の広がりや狭窄を確認する検査で使われる医療機器です。
ピークフローメーターは、気道の広がりや狭窄を確認する検査で使われる医療機器です。ドラッグストアや家電量販店、インターネット通販などで販売されています。機械は小型で、主に自宅で使用します。医師に指導を受け、正しい方法で使えるようにしましょう。
被検者が最大限息を吸い込んで、できる限り速く一気に息を吐き出すと、その瞬間に吐き出した息の最大速度(ピークフロー値)が測定されます。一般的に2週間以上の記録を平均し、1日の中でどの程度ピークフローの差があるかを評価し、治療効果の判定や症状の把握に役立てて活用します。
気管支喘息のスパイロメトリーとは何ですか?
息を吸ったり吐いたりする量や速さを測る、喘息診断や管理に使う基本的な呼吸機能検査です。
スパイロメトリーは、気管支喘息の診断や治療の効果判定、そして病状の経過を観察するために非常に重要な呼吸機能検査の一つです。
この検査では、患者さんが最大限に息を吸い込んだ後、できるだけ勢いよく息を吐き出す際の、空気の量や速度を測定します。
主に、以下の項目を評価します。
努力肺活量(FVC)
最大限に息を吸ってから、最大限に吐き出すことのできる空気の総量。
1秒量(FEV1)
最初の1秒間に吐き出せる空気の量。
1秒率(FEV1%)
努力肺活量に対する1秒量の割合。
予測値に対する1秒量(%FEV1)
年齢や性別などから算出される予測値と比較した1秒量の割合。
これらの数値から、気道の狭さの程度や、気管支を広げる薬を使った後の改善の度合い(「気道可逆性」と呼びます)があるかどうかなどを客観的に評価することができます。
喘息の診断を確定したり、治療方針を決めたり、治療がうまくいっているかを確認したりするのに役立ちます。
咳喘息とはなんですか?気管支喘息との違いを教えてください。
咳喘息は、症状が咳のみの「喘息の亜型」です。気管支喘息と違って息苦しさや喘鳴はありません。
咳喘息は喘息の亜型で、長引く咳を引き起こす病気のひとつです。
気管支喘息では咳に加えて息苦しさ・喘鳴(息をする時にぜいぜい、ヒューヒューということ)が起こるのに対して、咳喘息では息苦しさや喘鳴はなく、咳のみが出るということが特徴です。
深夜や早朝に症状が出やすい点や、季節によって症状が変動しやすい点などは気管支喘息と同様で、治療でも気管支喘息と同じ薬が使われます。
はじめは咳のみで咳喘息と診断されても、その後の経過の中で気管支喘息に移行してしまうことがあるので注意が必要です。
気管支喘息とはどのような病気ですか?
気管や気管支に慢性的な炎症があり、発作的な喘鳴(ぜんめい)や息苦しさを繰り返す病気です。
喘息の人は、気管や気管支が慢性的に炎症を起こして過敏になっており、喘息でない人に比べて空気が通りにくくなっています。
風邪を引いたり、花粉やハウスダストなどのアレルゲンを吸い込んだりした刺激によって気管支が収縮し、喘鳴(ぜんめい:呼吸をする時にゼーゼー、ヒューヒューという音が鳴ること)や息苦しさ、咳などの症状が出る病気です。
このような症状が悪化したり改善したりを繰り返すことが、気管支喘息の特徴です。
気管支喘息の症状
気管支喘息で脈拍数が増加するのはなぜですか?
発作時の酸素不足を補う心臓の働きと、気管支拡張薬の副作用が関係するとされています。
気管支喘息の発作中に脈が速くなると、心臓の病気ではないかと不安になる方もいるでしょう。脈拍数の増加は喘息発作や治療薬の影響で起こることがありますが、心臓の病気など別の原因が隠れている可能性もあります。ここでは、脈が速くなる主な理由と注意したい症状を整理します。
気管支喘息で脈拍数が増加するのはなぜ?
喘息発作のときに脈が速くなる背景として、主に次のような原因が考えられます。
- 発作による身体的な負担: 気道が狭くなると呼吸に大きな力が必要になり、息苦しさや不安などによって交感神経が活発になるため、脈が速くなることがあります
- 酸素不足: 発作が重く、血液中の酸素が不足すると、全身に酸素を届けようとする体の反応によって脈拍数が増えることがあります
- 治療薬の影響: 気管支を広げるβ2刺激薬では、動悸や脈拍数の増加が生じることがあります
- 喘息以外の原因: 発熱、脱水、不安、不整脈などによっても脈が速くなることがあります
したがって、脈拍数が増えたというだけでは、その原因や発作の重症度を判断できません。
気管支喘息の発作で気道が狭くなるとどうなる?
気管支喘息は、気道(空気の通り道)に慢性的な炎症が続き、さまざまな刺激によって発作的に気道が狭くなる病気です。発作時には気道の壁にある筋肉が収縮し、粘膜の腫れや痰などの分泌物も加わるため、空気が通りにくくなります。
主な症状は次のとおりです。
呼吸困難には、酸素不足や二酸化炭素の増加だけでなく、「呼吸しようとしているのに十分に呼吸できない」という感覚も関係しています(日本呼吸器学会)。
気管支喘息の治療薬(β2刺激薬)の副作用と脈拍
β2刺激薬は、気管支のβ2受容体に作用して気管支を広げる薬です。副作用として、手の震え、動悸、頭痛、不整脈などが現れることがあります(環境再生保全機構)。
特に短時間作用性β2刺激薬を高用量で使用すると、脈拍数の増加や動悸のほか、不整脈や血液中のカリウム濃度の低下などが起こる可能性があります(GINA 2026)。
使用後に一時的な動悸が現れることはありますが、自己判断で薬を中止したり、反対に決められた回数を超えて使用したりしないでください。処方された方法で使用しても症状が改善しない場合は、速やかな受診が必要です。
気管支喘息の脈拍数と発作の重症度
脈拍数は、喘息発作の程度を評価する項目のひとつです。ただし、脈拍数だけで重症度を判断するわけではありません。
医療機関では、次のような項目を総合的に評価します。
- 意識の状態
- 会話ができるか
- 呼吸数や脈拍数
- 呼吸補助筋の使用
- 呼吸音や喘鳴
- 酸素飽和度
- ピークフローや1秒量などの呼吸機能
GINA 2026では、酸素飽和度が92%未満の場合は、重い発作を示す可能性があるとされています。ただし、家庭用パルスオキシメーターの数値だけで受診の要否を判断してはいけません。
気管支喘息で脈が速いときに注意したい症状
脈の速さだけで発作の重症度が決まるわけではありません。息苦しさが強い、会話がしづらい、ゼーゼーという音が激しいなど発作が強いと感じるときや、薬を使っても動悸が続くときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。
参考文献
独立行政法人環境再生保全機構『ぜん息とは|成人ぜん息』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/index.html.(参照 2026-09-08).
独立行政法人環境再生保全機構『治療 ぜん息の薬|成人ぜん息』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/medicine.html.(参照 2026-09-08).
一般社団法人日本呼吸器学会『Q11. 発作性もしくは突然呼吸が苦しくなります。-呼吸器Q&A』https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q11.html.(参照 2026-09-08).
Global Initiative for Asthma. Summary Guide for Asthma Management and Prevention 2026. Global Initiative for Asthma, 2026. https://ginasthma.org/2026-gina-summary-guide/.(参照 2026-09-08).
西川正憲. 喘息増悪(発作). 日本内科学会雑誌. 2011;100(6):1683-1691. doi:10.2169/naika.100.1683
気管支喘息では肩で息をするようになると聞きますが、なぜですか?
気道が狭くなり、通常の呼吸だけでは空気を送り込めず、首や肩の筋肉を使うためとされています。
気管支喘息(きかんしぜんそく)の発作時にみられる「肩で息をする」状態は、狭くなった気道に空気を通すため、普段より多くの筋肉を使って呼吸しているサインです。呼吸が苦しくなっている可能性があるため、注意が必要です。
気管支喘息で肩で息をするのはなぜ?
安静時の呼吸は、主に横隔膜(おうかくまく)や肋骨の間にある筋肉によって行われます。気管支喘息の発作で気道が狭くなると、空気を出し入れするために必要な力が大きくなります。
そのため、首、肩、胸などにある「呼吸補助筋(こきゅうほじょきん)」も使って呼吸するようになります。外から見ると肩が大きく上下するため、「肩で息をしている」ように見えます。
喘息発作で入院した成人129人を対象とした研究では、呼吸補助筋の使用が1秒量の低下と関連していました(Arnold DH, et al. Am J Emerg Med. 2007)。呼吸補助筋の使用は、呼吸に強い負担がかかっていることを示す所見のひとつです。ただし、この所見だけで発作の重症度が決まるわけではありません。
気管支喘息で気道が狭くなるしくみ
気管支喘息は、空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起こり、さまざまな刺激に対して気道が敏感になって、発作的に狭くなることを繰り返す病気です。
気道が狭くなる主な仕組みは、次の3つです(小児慢性特定疾病情報センター)。
これらが重なることで、特に息を吐き出しにくくなり、呼吸に大きな力が必要になります。
気管支喘息の症状
気管支喘息では、主に次のような症状がみられます(日本呼吸器学会)。
すべての症状が現れるとは限りません。また、重い発作では空気の出入りが極端に少なくなり、喘鳴が弱くなったり聞こえなくなったりすることがあります。音がしなくなったから改善したとは限らないため、注意が必要です。
肩で息をしていると発作が重い?
発作の程度は、呼吸困難の程度によって次のように評価されます。
- 軽度(小発作): 苦しいが横になれる
- 中等度(中発作): 苦しくて横になれない
- 高度(大発作): 苦しくて動けない
- 重篤: 呼吸音が弱くなる、チアノーゼが現れる、呼吸が止まる
肩を大きく動かして呼吸している状態は、呼吸に強い負担がかかっている可能性を示します。特に、肩で息をすることに加えて、会話が難しい、横になれない、顔色が悪いといった症状がある場合は、早急な治療が必要です。
「肩で息をする」状態は喘息だけで起こるものではありません。肺炎、心不全など、別の病気による呼吸困難でもみられるため、初めて現れた場合は原因を自己判断しないことが大切です。
気管支喘息の発作時の対応と治療
発作時には狭くなった気道を拡げる即効性の気管支拡張薬が使われ、ふだんの管理では気道の炎症をしずめる吸入ステロイド薬が中心になります(日本アレルギー学会・日本呼吸器学会)。肩で息をするような苦しさや、横になれない・話せないといった変化があるときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。
参考文献
一般社団法人日本呼吸器学会『C-01 気管支ぜんそく(C. アレルギー性肺疾患)』https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/c/c-01.html.(参照 2026-09-08).
小児慢性特定疾病情報センター(国立研究開発法人国立成育医療研究センター)『気管支喘息 概要』https://www.shouman.jp/disease/details/03_02_002/.(参照 2026-09-08).
一般社団法人日本アレルギー学会『成人のぜん息』アレルギーポータル https://allergyportal.jp/knowledge/adult-asthma/.(参照 2026-09-08).
Arnold DH, Gebretsadik T, Minton PA, Higgins S, Hartert TV. Clinical measures associated with FEV1 in persons with asthma requiring hospital admission. Am J Emerg Med. 2007;25(4):425-9.
気管支喘息で背中の痛みが出ることがあるのはなぜですか?
喘息発作時の呼吸や繰り返す咳が、胸や背中の筋肉・胸郭に負担をかけるためと考えられています。
気管支喘息(きかんしぜんそく)の代表的な症状は、咳や喘鳴、息苦しさです。喘息に伴って胸や背中に痛みを感じることもありますが、痛みそのものは喘息の典型的な症状ではありません。ここでは、考えられる原因と注意すべき症状について解説します。
気管支喘息で背中の痛みが出るのはなぜ?
気管支喘息は、空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起こり、気道が狭くなる発作を繰り返す病気です。発作時には、気道の粘膜の腫れや気管支の収縮、分泌物の増加などによって空気の通り道が狭くなり、特に息を吐き出しにくくなります。
息苦しさが強いと、普段の呼吸ではあまり使わない首、肩、胸などの筋肉(呼吸補助筋)を使って呼吸することがあります。激しい呼吸が続くと、胸や背中の筋肉に負担がかかり、痛みや張りを感じる可能性があります。
喘息発作で呼吸補助筋を使用している状態は、呼吸機能の低下と関連する重症化のサインのひとつです(Arnold DHら, Am J Emerg Med. 2007)。ただし、この研究は呼吸補助筋の使用と背中の痛みとの直接的な因果関係を示したものではありません。
気管支喘息の症状
気管支喘息では、主に次のような症状がみられます。
- 発作的な咳や痰(たん)
- 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音(喘鳴/ぜんめい)
- 息苦しさ
- 胸苦しさや胸の圧迫感
- 夜間や早朝に起こりやすい咳や息苦しさ
冷たい空気、たばこの煙、ほこり、強いにおい、運動などが症状の引き金になることもあります。
背中の痛みは喘息の代表的な症状ではないため、喘息に伴う筋肉への負担だけでなく、ほかの病気が隠れていないかを考える必要があります。
気管支喘息の咳が背中や胸の痛みにつながることがある
激しい咳や長引く咳によって、胸郭(きょうかく)を動かす筋肉に繰り返し負担がかかり、胸や背中に筋肉痛のような痛みが生じることがあります。
まれですが、強い咳によって肋骨(ろっこつ)が骨折することもあります。咳による肋骨骨折の患者さん54人を調べた研究では、85%に3週間以上続く咳があり、骨密度が正常な人にも骨折がみられました(Hanak Vら, Mayo Clin Proc. 2005)。
咳や深呼吸、体をひねる動作などで特定の場所が強く痛む場合や、押すと痛む場合は、胸まわりの筋肉や肋骨に負担がかかっている可能性があります。痛みが続く場合は医療機関を受診してください。
気管支喘息の発作が重症化するとどうなる?
喘息発作の強さは、呼吸困難の程度に応じて次のように示されています(環境再生保全機構)。
- 軽度(小発作): 苦しいが横になれる
- 中等度(中発作): 苦しくて横になれない
- 高度(大発作): 苦しくて動けない
- 重篤: 呼吸音が弱くなる、チアノーゼが現れる、呼吸が止まる
発作が重くなるほど呼吸に使う筋肉への負担も大きくなります。ただし、喘鳴が弱くなったからといって改善したとは限りません。重い発作では空気の出入りが少なくなり、呼吸音そのものが弱くなることがあります。
胸や背中の痛みで注意したいこと
胸や背中の痛みは、喘息以外にも次のような原因で起こります(日本呼吸器学会)。
次のような場合は、喘息発作や緊急性の高い別の病気の可能性があるため、ただちに救急外来を受診するか、救急車を呼びましょう。
- 胸や背中に突然、激しい痛みが現れた
- 痛みとともに強い息苦しさ、冷や汗、速い脈、失神などがある
- 苦しくて横になれない、眠れない、または動けない
- 発作治療薬を使用しても息苦しさが改善しない
- 唇や指先が青紫色になっている
- 意識がもうろうとしている
痛みが比較的軽くても、長く続く場合や繰り返す場合は、呼吸器内科や循環器内科などの医療機関に相談してください。
参考文献
一般社団法人日本呼吸器学会「C-01 気管支ぜんそく - C. アレルギー性肺疾患」https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/c/c-01.html.(参照 2026-09-08).
独立行政法人環境再生保全機構「ぜん息とは(成人ぜん息 ぜん息基礎知識)」https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/index.html.(参照 2026-09-08).
独立行政法人環境再生保全機構「発作が起こったら…(成人ぜん息)」https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/attack.html.(参照 2026-09-08).
一般社団法人日本呼吸器学会「Q8 急に胸が痛くなり良くなりません。心臓や肺の病気でしょうか?」https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q08.html.(参照 2026-09-08).
Hanak V, Hartman TE, Ryu JH. Cough-induced rib fractures. Mayo Clin Proc. 2005;80(7):879-882.
Arnold DH, Gebretsadik T, Minton PA, Higgins S, Hartert TV. Clinical measures associated with FEV1 in persons with asthma requiring hospital admission. Am J Emerg Med. 2007;25(4):425-429.
気管支喘息の症状に倦怠感はありますか?
気管支喘息の症状として、倦怠感(疲労)はよく報告される症状です。
喘息は、咳や胸の圧迫感、息切れ、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)などの症状が知られていますが、実は「倦怠感」(だるさや疲れを感じる状態)もよく見られる症状の一つです。
実際、ある研究では、喘息の外来患者さんのうち、約63%の方が重度の倦怠感を経験していると報告されています。
この倦怠感は、喘息の治療目標である症状コントロールや、患者さんの生活の質(Quality of Life)にも大きく影響を与えると指摘されています。
倦怠感は、息切れ、うつ病、不安といった症状と関連があることが示されていますが、肺の機能の低下度や喘息自体の重症度とは、必ずしも関連があるわけではないとされています。
このように、喘息では身体的な症状だけでなく、倦怠感のような見過ごされがちな症状も患者さんの日常生活に影響を与えることがあるため、適切な対処が重要です。
気管支喘息で鼻水が出るのはなぜですか?
鼻水は喘息に合併しやすい副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の症状であり、これらの疾患が喘息と関連しています。
気管支喘息の患者さんは、しばしば鼻の病気である慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎を合併することが知られています。
これらの鼻の病気では、鼻の粘膜に炎症が起こり、以下のような症状が現れます。
- 鼻水(鼻漏)
- 鼻づまり
- 後鼻漏(鼻水が喉に流れ込むこと)
- 咳
特に「好酸球性副鼻腔炎」というタイプの慢性副鼻腔炎は、難治性の喘息と高い確率で合併することが報告されています。
これらの鼻の病気と喘息は、アレルギー性の炎症メカニズムが共通しているため、密接に関連していると考えられています。
鼻症状がある場合、それが喘息を悪化させる要因となることもあるため、鼻の病気の治療も喘息管理において重要となります。
軽症の喘息と比較し、重症喘息ではどのような症状がみられますか?
重症喘息では、日常的な息苦しさ、夜間の悪化などの症状がみられます。
重症喘息では、軽症喘息と比較して、以下のような症状がみられます。
- 息切れ、喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅーという音)、咳、胸の締め付け感などの症状が強く、頻繁に起こる
- 夜間や早朝に症状が悪化しやすい
- 少しの運動でも息切れや喘鳴が起こる
- 頻繁に喘息発作を起こし、入院が必要になることもある
- 日常生活に支障をきたす
- QOL(生活の質)が低下する
- 呼吸機能が低下する
- ステロイド薬への依存度が高くなる
重症喘息は、軽症喘息よりも症状が重く、治療が難しい病気です。
気管支喘息の症状に喉の違和感がみられることはありますか?
気管支喘息の症状として、喉の違和感が現れることがあります。
気管支喘息の症状として喉の違和感が現れることがあります。
気管支喘息は気道の炎症に関連しており、その結果として喉の違和感や咳が生じることがよくあります。
特に初診時に、喉の違和感や咳を訴える患者さんが多く見られます。これは、気道の炎症や粘液の分泌が喉に影響を与えるためです。
喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)がない軽い症状でも、喉の違和感や咳が続く場合は早めの受診が推奨されます。喉の違和感は風邪やアレルギー性鼻炎とも共通する症状ですが、気管支喘息では特に注意が必要です。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
大人の気管支喘息の症状をチェックしたいです。
大人の喘息症状は咳、喘鳴、息切れ、胸の圧迫感があり、特に夜間や運動後に悪化します。
大人の気管支喘息の症状には、咳、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音)、息切れ、胸の圧迫感や苦しさがあります。
これらの症状は、特に夜間や早朝に悪化しやすく、運動後や冷たい空気を吸ったとき、アレルゲン(花粉、ダニ、ペットの毛など)や刺激物(タバコの煙、強い香りなど)に触れたときに引き起こされることが多いです。症状が重い場合、日常生活や睡眠に支障をきたすこともあります。
喘息の診断には、症状の頻度や持続時間、誘発因子の特定に加え、肺機能検査やアレルギー検査が行われます。早めに医師の診断を受け、適切な治療を行うことが重要です。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
気管支喘息と症状が似ている他の病気はありますか?
COPD(慢性閉塞性肺疾患)、心不全などで似た症状がみられます。
気管支喘息と症状が似ている病気はいくつかあり、正しい診断が重要です。
代表的なものとして慢性閉塞性肺疾患(COPD)があげられます。COPDは主に喫煙者にみられ、慢性的な咳や痰、息切れが特徴です。
また、うっ血性心不全も咳や喘鳴、息苦しさを起こすため、喘息と誤診されることがあります。
その他、後鼻漏症候群や逆流性食道炎、肺がんなども慢性的な咳の原因となることがあり、それらの病気と見分ける必要があります。
これらの病気は診察や肺機能検査、レントゲン、CT、血液検査などで見分けられるため、自己判断せず、専門医の診断を受けることが大切です。
気管支喘息ではどのような症状がみられますか?
喘鳴(ぜんめい)や息切れ、咳、息苦しさなどの症状がみられます。
気管支喘息の主な症状には、咳、喘鳴(ぜんめい)、息苦しさ、胸の圧迫感などがあります。
特に夜間や早朝に症状が悪化しやすいのが特徴です。気道が狭くなることで「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった音(喘鳴)が出たり、息切れが起こったりします。
重症化すると呼吸困難を引き起こし、発作時には酸素不足で唇や指先が紫色(チアノーゼ)になることもあります。
運動や寒暖差、ストレス、アレルゲン(ダニ・花粉・ハウスダストなど)によって症状が引き起こされることがあり、日常生活に大きな影響を与えます。
気管支喘息の原因
ストレスで気管が狭くなったり、気管支喘息の原因になったりしますか?
ストレスは気管支喘息の発症原因ではなく、症状を悪化させる要因のひとつとされています。
ストレスは気管支喘息(きかんしぜんそく)を発症させる直接の原因としては挙げられていませんが、症状を悪化させたり発作の引き金になったりする要因のひとつと考えられています。ここでは仕組みと対策を整理します。
気管支喘息の原因はストレス?
気管支喘息は、気道(空気の通り道)に炎症が続き、さまざまな刺激に気道が敏感になり、発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気です。気道の炎症は、チリダニやハウスダスト、ペットのフケ、カビなどに対するアレルギーや、ウイルス感染(風邪)によって起こることが多いとされています。ただし、原因を特定できない場合もあります(日本呼吸器学会)。ストレスは発症の直接的な原因ではありませんが、すでにある気道の炎症を悪化させたり、発作を誘発したりする要因のひとつと考えられています(環境再生保全機構)。
気管支喘息とストレスの関係|気管が狭くなる仕組み
ストレスを感じると、体内のマスト細胞(炎症物質を出す細胞)から炎症物質が出されるため、喘息が悪化すると考えられています(環境再生保全機構)。また、心理的ストレスを受けた際に分泌されるグルココルチコイドやアドレナリンなどのストレスホルモンが、免疫系の変化を介して喘息の悪化に関与する可能性も報告されています(Ohno I. Allergol Int. 2017)。
気管支喘息の悪化因子
ストレス以外にも、次のような要因が喘息を悪化させる可能性があります(環境再生保全機構)。
- 喫煙
- 風邪、インフルエンザ、肺炎などの呼吸器感染症
- ダニ、カビ、ペットの毛やフケ、花粉などのアレルゲン
- 肥満やメタボリックシンドローム
- 気圧や気温などの気象変化
- PM2.5などによる大気汚染
- 飲酒
- NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)など一部の解熱鎮痛薬
- β遮断薬
気管支喘息の症状
日本呼吸器学会によると、気管支喘息では主に次のような症状がみられます。
気管支喘息のストレス対策と受診の目安
環境再生保全機構は、ストレスによる喘息の悪化を防ぐ方法として、次のような対策を紹介しています。
- 強いストレスを受けることがあらかじめわかっている場合は医師に相談し、必要に応じて薬の種類や使用量を調整してもらう
- 趣味やスポーツなど、自分に合ったストレス解消法を見つける
- 医師の指示のもと、吸入ステロイド薬を含む喘息治療を適切に続け、症状が安定した状態を保つ
気管支喘息の診断や治療は、主に呼吸器内科やアレルギー科で行われます。ストレスがかかると息苦しさや咳が出やすいと感じる場合や、症状を繰り返している場合は、医療機関に相談しましょう。
参考文献
独立行政法人環境再生保全機構『日常生活におけるぜん息悪化の要因|成人ぜん息』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/causes.html.(参照 2026-09-08).
独立行政法人環境再生保全機構『悪化因子の対策 日常生活の改善|成人ぜん息』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/measures/lifestyle.html.(参照 2026-09-08).
一般社団法人日本呼吸器学会『C-01 気管支ぜんそく|C. アレルギー性肺疾患』https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/c/c-01.html.(参照 2026-09-08).
Ohno I. Neuropsychiatry phenotype in asthma: Psychological stress-induced alterations of the neuroendocrine-immune system in allergic airway inflammation. Allergol Int. 2017;66S:S2-S8.
ストレスが原因で気管支喘息になることはありますか?
ストレスや心理的因子は、喘息の発症や症状の悪化に影響を与える可能性が示唆されています。
喘息と心の問題には、深い関係があることが知られています。ストレスや不安が、喘息の症状に影響を与えることがあるのです。
喘息と心の関係で、主に言われていること
- 喘息をお持ちの方は、不安な気持ちになったり、パニックを起こしやすかったりと、心の問題を同時に抱えやすい傾向があります。
- 気分が落ち込みがちな(うつの症状がある)患者さんは、そうでない方と比べて喘息のコントロールがうまくいかず、発作が多くなる傾向があります。
ストレスによる影響
- 強いストレスや不安を感じる心の状態が、喘息を発症するきっかけの一つになる可能性も指摘されています。
- さらに、ストレスが多い状態だと、喘息を治療するためのお薬(ステロイド薬や、気管支を広げる薬など)が効きにくくなることがあります。これは、長引くストレスによって、体が薬の効果を受け取りにくくなってしまうためではないかと考えられています。
このように、ストレスや心の問題は、喘息の発症や症状の悪化につながる大切な要因です。心と体の両方のケアが、喘息の治療では重要になります。
大人になってから気管支喘息になる原因はなんですか?
大人の喘息はアレルゲン、職業環境、感染症、喫煙、大気汚染、ストレス、肥満などが原因で発症します。
大人になってから気管支喘息を発症する原因は多岐にわたります。アレルゲン(花粉、ダニ、カビ、ペットの毛など)への暴露は主要な原因のひとつです。
また、職業上の環境要因(化学物質、粉塵、煙など)も喘息発症リスクを高めます。感染症(風邪やインフルエンザなどのウイルス感染)も喘息の引き金となることがあります。
さらに、喫煙や大気汚染も重要なリスク因子です。ストレスや肥満も成人喘息の発症に関連することがあります。家族に喘息やアレルギーの既往がある場合、遺伝的な影響で喘息を発症する可能性が高まります。
これらの要因が単独または組み合わさって、成人になってから喘息を発症することがあります。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
気管支喘息の原因はなんですか?
体質や環境などのさまざまな原因が複合し、気管支喘息を発症すると考えられています。
喘息になりやすい体質や環境など、さまざまな原因が複合して気管支喘息を発症すると考えられています。
アレルギー性の炎症が起こるタイプと、アレルギー以外の炎症が起こるタイプがあります。
喘息になりやすい体質
- 家族歴や遺伝的要因
- アレルギー素因(アトピー性皮膚炎、花粉症など)
- 肥満
喘息になりやすい環境の例
- アレルゲン吸入(ダニ、花粉、ハウスダスト、動物の毛やフケなど)
- 幼少期の呼吸器感染症
- 喫煙
- 大気汚染
- 室内空気汚染
気管支喘息の検査・診断
喘息の診断基準について教えてください。
確立された診断基準はありませんが、診断の目安があります。
喘息の診断は、特定の検査だけで決まるものではなく、症状や検査結果を総合的に判断します。
以下のような項目が、診断の目安となります。
上記のうち、1, 2, 3, 6が重要です。
治療を優先せざるを得ない場合は、薬剤の反応性を持って評価しますが、経過中の検査により診断の再評価を行うことが重要です。
気管支喘息の症状をセルフチェックできますか?
気管支喘息の症状や原因、お近くの病院や対処方法は症状検索エンジン「ユビー」で調べられます。
体調に不安がある方や医療機関への受診を考えている方向けに、20問〜30問程度の質問に答えることで、関連する病名や適切な受診先を調べられる症状検索エンジン「ユビー」を無料で提供しており、多くの患者様にご利用いただいています。
気になる病気や症状がありましたら、ぜひご利用ください。
気管支喘息のアレルギー検査には、どれくらいの費用がかかりますか?
検査方法や調べるアレルギーの種類によって変わります。
気管支喘息のアレルギー検査の費用は、検査方法や調べるアレルギーの種類によって変わります。
保険診療の場合、アレルギー症状があって、医師が必要と判断した場合は保険が適用されます。以下に自己負担割合が3割の場合として、目安を記載します。
血液検査(Viewアレルギー39など)
一度に多数(39種類)のアレルゲンを調べられる検査です。自己負担額はおよそ3,000~5,000円程度が目安です。
血液検査(特定のアレルゲン)
スギ花粉やダニなど、特定のアレルゲンだけを検査する場合には、1項目ごとに数百円程度かかります。項目数が多くなるほど、費用も比例して増加します。
皮膚反応検査(プリックテストなど)
アレルゲンの抽出液を皮膚につけて反応を確認する検査です。費用は検査対象となるアレルゲンの数によって異なり、数百円から数千円程度です。
気管支喘息で胸部X線検査を受けるのはなぜですか?
他の呼吸器疾患や合併症を除外するためです。
気管支喘息で胸部X線検査(レントゲン検査)を受けるのは、他の呼吸器疾患や合併症を除外するためです。喘息そのものの状態を直接見るためではありません。
喘息は気道の慢性的な炎症や狭窄を伴いますが、これらの変化はレントゲン画像にははっきり写りません。そのため、肺炎や肺結核、肺がん、心不全など、喘息と似た症状を起こす他の病気が存在しないかを確かめる目的で行われます。また、喘息発作の原因となる感染症などの合併症がないかどうか確認する目的もあります。
気管支喘息でも呼気NO検査の結果が異常なしの場合はありますか?
喘息患者さんでも呼気NO検査の結果が、正常範囲内(異常なし)となる場合はあります。
喘息患者さんでも、呼気NO検査の結果が正常範囲内(異常なし)となる場合はあります。理由としては、炎症のタイプや個人差、治療の影響などが挙げられます。
喘息の病態はさまざまで、非好酸球性の炎症を伴うタイプもあります。この場合は、呼気NOが上昇しにくいことがあります。また、吸入ステロイド薬などの抗炎症治療を受けている患者さんでは炎症が抑えられ、呼気NOが正常値になっていることもあるためです。
結果が異常なしでも、喘息が完全に否定されるわけではないため、他の検査や臨床症状も考慮して、診断や治療方針が決定されます。
参考文献
松永 和人.“気管支喘息の新しい診断ツール:呼気一酸化窒素濃度測定”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/6/105_950/_pdf,(参照 2025-08-13).
愛知県臨床検査標準化協議会.“愛知県臨床検査標準化ガイドライン「呼吸機能検査における標準手順書」第 2 版”.愛知県臨床検査技師会.https://www.aichi-amt.or.jp/aamt/wp-content/uploads/2024/03/aicc-guide-19.lung_function.pdf,(参照 2025-08-13).
「タイプ2炎症バイオマーカーの手引き」編集委員.“タイプ2炎症バイオマーカーの手引き”.日本呼吸器学会.https://www.jrs.or.jp/publication/file/type2_IB.pdf,(参照 2025-08-13).
呼気NO検査の前に食事制限はありますか?
検査結果に影響する可能性があるため、検査前1時間以内は飲食を避けることが望ましいとされています。
呼気NO検査前1時間以内は、飲食を避けることが望ましいとされています。検査結果に影響する可能性があるためです。
呼気NO濃度は、レタス、ほうれん草、セロリ、ごぼうなどの硝酸塩を含む食品の摂取で上昇し、アルコールや果糖(フルクトース)、脂質の過剰摂取で低下するという報告があります。実際の気道炎症の状態が正確に反映されにくくなり、症状の評価や治療に影響が出る可能性があります。事前の指示に従って、適切な準備を行ってから検査を受けましょう。
呼気NO検査ではどのような機械を使いますか?
呼気中に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を、簡便に測定できるように設計されている専用装置です。
呼気NO検査に使われる主な機械は、呼気中に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を簡単かつ短時間で測定できるように設計されている専用装置です。
大きく分けて2つのタイプがあり、ひとつは「化学発光法」を用いた据え置き型の装置です。これは非常に高い精度と感度で、呼気中の一酸化窒素(NO)を測定します。呼気中のNOとオゾンを反応させて発生する光(化学発光)を特殊なセンサーで感知し、その光の強さからNOの濃度を測定します。検査機器本体だけでなく解析ソフトや周辺機器も必要で、主に研究や病院の専門的な検査に使われるものです。
もうひとつは「イオン電極法(電気化学法)」を使った携帯型の装置です。NOにより発生する電流の大きさを測定して、濃度を測定します。精度はやや化学発光法に劣りますが、クリニックや病院で広く使われており、保険適用となっています。機械が小型で扱いやすく、手軽に測定できるのが特徴です。最新の機器は、持ち運びしやすいハンドヘルド型や据え置き型があり、どちらも高精度なセンサーを搭載しています。
一般的に使われるイオン電極法(電気化学法)を用いた装置では、いずれも画面に従って患者さん自身も正しく検査できるような工夫がなされています。呼気中のNO以外が混じらないよう、専用のフィルターを通して吸気を行い、その後一定条件で呼気を吹き込んで測定し、結果は1分ほどで得られる検査です。
ピークフロー検査の基準値や正常値を教えてください。
基準値や正常値は、人によって異なります。
ピークフロー検査の基準値や正常値は、人によって異なります。空気を一気に吐き出した際の息の速さを数値化し、気道の広がりや狭窄を評価する検査です。
ピークフローの基準値や正常値は、性別・年齢・身長などから算出した標準予測値や、過去の自己最良値(それまでに測定した中で最も高い値)を基準として評価します。
一般的に、ピークフロー値が予測値や自己最良値の80%以上であれば症状がほとんどなく、比較的安定した状態と考えられます。医師と相談して予測値を決め、自分の症状を把握しましょう。
参考文献
.“呼吸機能検査の理解と臨床応用”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/12/1092496/pdf/-char/ja,(参照 2025-07-29).
環境再生保全機構.“自分のぜん息の状態を把握する”..https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/condition/peakflow.html,(参照 2025-07-29).
長谷川 好規.“4.気管支喘息”..https://www.jslm.org/books/guideline/04.pdf,(参照 2025-07-29).
喘息で呼吸機能検査がうまくできない場合はどうすればよいですか?
状況によって異なります。
状況によって異なりますので、個人の見解を記します。
気管支喘息のアレルギー検査は、どこで受けられますか?
呼吸器内科やアレルギー科で受けられます。子どもの場合は小児科でも対応してもらえるでしょう。
具体的なエビデンスが存在しないため、以下に個人の見解を記します。
気管支喘息のアレルギー検査では、どのような項目を調べますか?
主に特異的IgE抗体や好酸球数や総IgE値を調べます。
気管支喘息のアレルギー検査では、主に血液検査で特異的IgE抗体を調べ、患者さんがどのアレルゲンに敏感かを特定します。具体的には、スギやダニ、ハウスダスト、ペットのフケ、カビなどの吸入性アレルゲンのほか、卵や牛乳、小麦、エビなどの食物性アレルゲンに対する特異的IgE抗体です。また、血液中の好酸球数や総IgE値などを測定して、アレルギー性の炎症の有無を確かめることもあります。
アレルギー検査で喘息症状を悪化させる原因を推定し、接触を避けるなどの予防や治療方針の決定に役立てます。しかし、原因物質を特定できない場合もあります。
気管支喘息の場合、呼気NO検査の数値にどのような変化がありますか?
呼気中の一酸化窒素(NO)濃度が高くなります。
気管支喘息の場合、呼気中の一酸化窒素(NO)濃度が高くなります。これは気道の炎症、特に好酸球性の炎症が活発化することで、通常より多くのNOが産生されるためです。
日本人の成人健常者の呼気NO平均値は約15ppbで、正常上限は約37ppbですが、喘息を疑う症状を有し、かつ呼気NOが22ppb以上の場合は喘息の可能性が高く、37ppb以上ではほぼ確実に喘息が診断されます。また、治療を開始すると呼気NO濃度は低下するため、治療効果の指標としても利用されています。
一方で、喫煙者では呼気NOが低下し、鼻炎などの合併症では上昇することが知られています。患者さんの背景を考慮した解釈が必要です。
参考文献
松永 和人.“気管支喘息の新しい診断ツール:呼気一酸化窒素濃度測定”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/6/105_950/_pdf,(参照 2025-08-13).
愛知県臨床検査標準化協議会.“愛知県臨床検査標準化ガイドライン「呼吸機能検査における標準手順書」第 2 版”.愛知県臨床検査技師会.https://www.aichi-amt.or.jp/aamt/wp-content/uploads/2024/03/aicc-guide-19.lung_function.pdf,(参照 2025-08-13).
「タイプ2炎症バイオマーカーの手引き」編集委員.“タイプ2炎症バイオマーカーの手引き”.日本呼吸器学会.https://www.jrs.or.jp/publication/file/type2_IB.pdf,(参照 2025-08-13).
呼気NO検査は子どもでも受けることはありますか?
子どもでも受けることがあります。
呼気NO検査は、子どもでも受けることがあります。この検査は痛みや苦しさがなく、子どもでも安心して行えます。モニターを見ながら、一定の速度で10秒程度息を吹き込むだけで行えるため、指示に従って実施できれば、子どもでも検査が可能です。
特に喘息と診断された子どもや、喘息の疑いがある慢性的な咳が続く子どもにとって、診断の補助や喘息のコントロール、治療効果のモニタリングのために大切な検査です。
小児では35ppbより高値の場合に、喘息の疑いが高くなりますが、鼻炎の影響なども確認して評価されます。
参考文献
松永 和人.“気管支喘息の新しい診断ツール:呼気一酸化窒素濃度測定”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/6/105_950/_pdf,(参照 2025-08-13).
愛知県臨床検査標準化協議会.“愛知県臨床検査標準化ガイドライン「呼吸機能検査における標準手順書」第 2 版”.愛知県臨床検査技師会.https://www.aichi-amt.or.jp/aamt/wp-content/uploads/2024/03/aicc-guide-19.lung_function.pdf,(参照 2025-08-13).
「タイプ2炎症バイオマーカーの手引き」編集委員.“タイプ2炎症バイオマーカーの手引き”.日本呼吸器学会.https://www.jrs.or.jp/publication/file/type2_IB.pdf,(参照 2025-08-13).
呼気NO検査の結果はどのように見ればよいですか?
数値が高いほど肺の炎症が強い可能性があります。
呼気NO検査の結果を見た時、数値が高いほど肺の炎症が強い可能性があります。呼気NO検査は吐いた息の中に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定する検査です。気管~肺胞までの下気道に好酸球性炎症の程度を評価するために行われ、特に喘息の診断や治療評価に役立ちます。
呼気NOの結果は数値(ppb単位)で示され、成人の正常な呼気NO濃度の平均は15ppb程度です。喘息の診断の補助としては、22ppbを超えると喘息の可能性が高い目安となり、37ppbを超えると肺の炎症が強い可能性があります。ただし、結果は喫煙の有無や鼻炎の合併といった個人の状態にも影響されるため、医師は他の検査や身体の状況も考慮して総合的に判断します。
参考文献
松永 和人.“気管支喘息の新しい診断ツール:呼気一酸化窒素濃度測定”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/6/105_950/_pdf,(参照 2025-08-13).
愛知県臨床検査標準化協議会.“愛知県臨床検査標準化ガイドライン「呼吸機能検査における標準手順書」第 2 版”.愛知県臨床検査技師会.https://www.aichi-amt.or.jp/aamt/wp-content/uploads/2024/03/aicc-guide-19.lung_function.pdf,(参照 2025-08-13).
「タイプ2炎症バイオマーカーの手引き」編集委員.“タイプ2炎症バイオマーカーの手引き”.日本呼吸器学会.https://www.jrs.or.jp/publication/file/type2_IB.pdf,(参照 2025-08-13).
呼気NO検査のやり方を教えてください。
一度息を吐き切ったあと、機器の指示に従って一定の速度で息を吐き続けます。
まず、リラックスして椅子に座ります。その後、一度息を吐き切ってからマウスピースをくわえ、次に大きく息を吸い込みます。続いて、マウスピースをくわえたまま機器の指示に従い、一定の速度でゆっくりと息を吐き続けます。大人は8秒以上、小児は6秒以上吐き続けるようにします。この時、息の吐く速さをキープすることがポイントです。
呼気の分析は測定後すぐに行われ、1~2分程度で結果が出ます。鼻腔で産生されたNOの混入をなるべく避けるため、一般的な肺機能検査のようにノーズクリップは使用しません。
参考文献
松永 和人.“気管支喘息の新しい診断ツール:呼気一酸化窒素濃度測定”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/6/105_950/_pdf,(参照 2025-08-13).
愛知県臨床検査標準化協議会.“愛知県臨床検査標準化ガイドライン「呼吸機能検査における標準手順書」第 2 版”.愛知県臨床検査技師会.https://www.aichi-amt.or.jp/aamt/wp-content/uploads/2024/03/aicc-guide-19.lung_function.pdf,(参照 2025-08-13).
「タイプ2炎症バイオマーカーの手引き」編集委員.“タイプ2炎症バイオマーカーの手引き”.日本呼吸器学会.https://www.jrs.or.jp/publication/file/type2_IB.pdf,(参照 2025-08-13).
気管支喘息の場合、呼気NO検査では何がわかりますか?
気道にどれくらい炎症が起きているのか、炎症の程度が具体的な数値でわかります。
呼気NO検査では、気道にどれくらい炎症が起きているのか、炎症の程度が具体的な数値でわかります。気管支喘息では、気道粘膜に炎症が起こり、体内で一酸化窒素(NO)の産生が増えます。
呼気NO検査は、息を吸って吐き切り、吐いた息のNOを測定するものです。気管支喘息の、重症度評価、治療効果の判定などに用いられます。健常者でも微量のNOは検出されますが、気管支喘息など気道の慢性炎症性疾患では多量に検出される、という特徴を生かしています。体への負担が非常に少なく、リアルタイムで気道の炎症の程度を調べられる検査法です。
呼気NO検査とはなんですか?
吐いた息に含まれる一酸化窒素(NO)の量を測定する検査です。
呼気NO検査とは、吐いた息に含まれる一酸化窒素(NO)の量を測定する検査です。気道の炎症の程度を客観的に知れる検査で、喘息の診断や治療効果の確認、喘息と似た慢性閉塞性肺疾患(COPD)との鑑別などに用いられます。体への負担が非常に少なく、リアルタイムで気道の炎症の程度を調べられるメリットがあります。
NOは気道、特に気道上皮細胞で炎症が起こると産生量が増すことが知られています。気管支喘息のようなアレルギー性の気道疾患では、炎症の影響でNOが多く発生するため、呼気中のNO濃度が高くなる、という現象を利用した検査です。
気管支喘息で行うピークフロー検査とは何ですか?
気管支喘息の診断やコントロール評価のために行われる検査です。
気管支喘息の診断やコントロール評価のために行われる検査です。患者さんがピークフローメーターという機器を用いて、息を一気に吐き出した時の最大呼気速度(PEF:Peak Expiratory Flow)を測定し、気道が空気の流れを妨げている程度を調べます。
ピークフローは1日2~4回、最低3日間続けて記録し、日内や週内における数値の変動を確認します。健康な人でも1日の中で多少の変動はありますが、気管支喘息の患者では変動が大きくなる特徴があります。喘息診断のために行うだけでなく、日常生活の中で患者さんが状態をセルフチェックし、適切な管理につなげるための有用な方法です。
気道過敏性検査の運動負荷試験とは何ですか?
体を動かした時の気道の反応性を調べる検査です。
運動負荷試験とは、体を動かした時の気道の反応性を調べる検査です。一般的にはトレッドミル(ランニングマシン)やエルゴメーター(自転車型の運動器具)などを使って行われます。一定時間運動を行った直後にスパイロメーターという機械で1秒量(FEV₁)やピークフロー値などの呼吸機能を調べます。空気の吐き出し量や速さを測定し、運動前後の測定値が基準以上低下した場合は気道過敏性が高いと判定されます。
この検査は、運動時にせきや息切れ、ゼーゼーとした音が出る場合に、喘息の診断や重症度の評価、治療効果の判定などを目的として実施されます。運動により一時的な気道狭窄が現れる人は、通常の生活でも刺激に対して気道が敏感であると考えられるため、喘息などの診断や治療の方針決定に役立ちます。
参考文献
.“運動誘発性喘息と気道過敏性 ”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpp1990/1/1/11100/_pdf/-char/ja,(参照 2025-07-29).
滝沢琢己ほか.“小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023 ”..https://www.jspaci.jp/assets/documents/jpgl2023_web.pdf,(参照 2025-07-29).
環境再生保全機構.“Q3-2 気道過敏性の検査には、どのような試験があるのでしょうか?”..https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/child/09_03_02.html,(参照 2025-07-29).
気道過敏性検査の吸入誘発試験とは何ですか?
気管支喘息などの診断や重症度の評価を目的に行われる検査です。
吸入誘発試験とは、喘息の診断や重症度を調べるための検査で、主に気管支喘息の評価を目的に行われます。主に2種類の方法があります。
標準法は日本アレルギー学会が定めた手法で、低濃度から段階的に希釈したメタコリンやアセチルコリン、ヒスタミンなどの気道収縮物質を専用のネブライザーで2分間ずつ吸入します。吸入ごとに1秒量(FEV1)などの肺機能を測定し、20%以上低下した時点の薬剤濃度(PC20など)をもって気道過敏性の指標とするものです。
一方、オシログラフ(オシレーション法)は、希釈した薬剤を一定の時間間隔で吸入させ、呼吸抵抗を連続的に記録する方法です。特に1秒量(FEV1)を見て、FEV1が基準値から20%以上低下する薬剤濃度(PC20)または累積投与量(PD20)を測定します。
値が低いほど気道過敏性が高い、つまり喘息の可能性が高いと判断されます。気道の反応性を定量的かつ客観的に評価できる検査で、喘息の診断や治療効果の判定の際に有用です。
参考文献
小川 浩正.“呼吸機能検査”..https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/108/6/1081128/pdf,(参照 2025-07-29).
下田 照文ほか.“気道過敏性の病態とその治療への応用”.日呼吸会誌.https://is.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/041090606j.pdf,(参照 2025-07-29).
環境再生保全機構.“Q3-2 気道過敏性の検査には、どのような試験があるのでしょうか?”..https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/child/09_03_02.html,(参照 2025-07-29).
気道過敏性検査を行う目的を教えてください。
主に喘息などの呼吸器疾患の診断や重症度の評価、療効果や経過の把握を目的として行われます。
気道過敏性検査は、主に気管支喘息や咳喘息などの呼吸器疾患の診断や重症度の評価、また治療効果や経過の把握を目的として行われます。
これらの疾患では、気道が正常の状態よりも敏感に反応しやすく、少しの刺激でも気管支が収縮して咳や息苦しさなどの症状が現れます。
気道過敏性検査では、気道の敏感さの程度や、症状が喘息などの疾患によるものかどうかを客観的に評価します。また、治療を進める上での効果判定や再発リスクの予測、重症度評価にも活用されています。
気道過敏性検査を受けるために休薬期間は必要ですか?
一部の薬剤は、気道過敏性検査を正確に行うために一定の休薬期間を設けることが推奨されています。
一部の薬剤は、気道過敏性検査を正確に行うために一定の休薬期間を設けることが推奨されています。検査の際に気管支収縮薬を吸入し、気道の収縮反応をみるためです。
たとえば、吸入する気管支拡張薬では、短時間作用性では8時間、長時間作用性を1日1回投与の場合は18時間以上、1日2回投与の場合は36時間以上休薬することが推奨されています。
一方で、抗炎症作用のある吸入ステロイド剤は、症状管理の観点から必ずしも中止が推奨されていません。検査を受ける前に、医師から詳しい説明を受け、休薬の指示があった場合は守るようにしましょう。
気道過敏性検査は臨床検査技師だけでできますか?
現行制度のもとでは臨床検査技師が実施可能な範囲だとされています。
現行制度のもとでは臨床検査技師が実施可能な範囲とされています。
現在、医療従事者間の「タスク・シフト/シェア」が進められていますが、日本臨床衛生検査技師会は「検査の実施に当たって、医師が処方・指示した調剤済みの薬剤を患者に渡し、服用させる行為は、医行為に該当せず、臨床検査技師が当該行為を行うことは可能である。」としています。
気道過敏性検査で気管支収縮薬を吸入させる場合も該当すると解釈されるためです。実際に検査が行われる際は、医師の指示のもと、安全に十分配慮した環境下で行われます。
参考文献
日本臨床衛生検査技師会.“現行制度の下で実施可能な範囲におけるタスク・シフト/シェアの推進について”.JAMT.https://www.jamt.or.jp/task-shifting/promotion/,(参照 2025-07-29).
厚生労働省医政局長.“現行制度の下で実施可能な範囲におけるタスク・シフト/シェアの推進について”..https://www.jamt.or.jp/task-shifting/pdf/promotion.pdf,(参照 2025-07-29).
.“タスク・シフティング推進に関するヒアリング”..https://www.jamt.or.jp/data/asset/docs/20190711%E3%82%BF%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E6%8E%A8%E9%80%B2%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%92%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0.pdf,(参照 2025-07-29).
気管支喘息で行う気道過敏性検査とは何ですか?
気管支喘息の診断や病態の把握のために気道の過敏性を調べる検査です。
気道過敏性検査とは、気管支喘息の診断や病態の把握のために気道の過敏性を調べる検査です。喘息の患者さんは気道が炎症などにより過敏な状態になっており、通常なら反応しないような刺激にも気道が収縮しやすくなっています。
標準的な方法である直接的気道負荷検査では、アセチルコリンやメサコリンといった気管支を収縮させる薬剤を、低濃度から段階的に吸入し、どの濃度で気道が収縮し始めるかを呼吸機能検査で確認します。気道が過敏なほど、より低い濃度で気道収縮が誘発されます。
直接的気道負荷検査で認められる気道過敏性は、必ずしも喘息に特異的なものでなく、COPDのような他の疾患でも過敏性が認められることがわかっています。一方、間接的に気道平滑筋を収縮させる負荷をかけて検査する間接的気道負荷検査は、喘息における気道炎症を直接反映するものだとされています。
気管支喘息の呼吸機能検査を受ける上での注意点を教えてください。
検査の方法を理解し、リラックスしてできるだけ頑張って受けましょう。
以下に、検査者としての個人の見解を含めた意見を記します。
呼吸機能検査で使うマウスピースとは何ですか?
肺の機能を調べる際に患者が口にくわえて呼吸を行うための器具です。
呼吸機能検査で使用するマウスピースとは、肺の機能を調べる際に患者が口にくわえて呼吸を行うための器具です。使い捨てタイプが一般的で、患者ごとに新しいものへ交換することで感染予防にもつながります。
主にスパイロメトリーなどの検査で用いられ、息を吸ったり吐いたりする空気を正確に測定機器へ誘導する役割があります。検査時に鼻から空気が漏れることを防ぐため、通常はノーズクリップで鼻を塞いだ上でマウスピースをしっかりとくわえます。
これにより、口からの呼吸だけが確実に測定できる状態になります。また、測定中に唇をしっかり閉じて隙間ができないよう注意することで、検査結果の正確性が保たれます。
呼吸機能検査の費用はどれくらいかかりますか?
検査項目によるため、一概に言えません。
検査項目や実施目的によるため、一概に言えません。個人の見解を示します。
呼吸機能検査のDLCO(肺拡散能)とは何ですか?
肺がどれだけ効率よく酸素を血液中に取り込めるかを調べる検査です。
呼吸機能検査のDLCO(肺拡散能)は、肺がどれだけ効率よく酸素を血液中に取り込めるかを調べる検査です。呼吸器疾患の存在や重症度、治療効果の評価に幅広く利用されている検査です。
酸素を吸い込んだ時、肺の奥にある肺胞で血液とガス交換が行われます。DLCOは、ガス交換で酸素が血中に移動する過程のスムーズさを定量的に評価するものです。実際の測定では、少量の一酸化炭素(CO)を含むガスを吸い、数秒息を止めた後に吐き出します。
COはヘモグロビンと高い親和性があるため、肺胞から血液内へと移動する量を測定することで、ガス交換機能の状態を把握できるのです。DLCOの値が低い場合、肺気腫や肺塞栓症などが疑われますが、喘息単独の場合はDLCOの低下は認められません。ただし、DLCOの低下がみられる場合には、喘息を合併している可能性もあります。
呼吸機能検査のNO(呼気一酸化窒素)とは何ですか?
息を吐いた際に含まれる一酸化窒素の濃度です。
呼吸機能検査のNO(呼気一酸化窒素)とは、息を吐いた際に含まれる一酸化窒素の濃度を測定し、気道に炎症があるかどうかを調べる検査項目です。特に気管支喘息では、気道の慢性的な炎症によってNOの値が高くなり、診断に使われることがあります。
呼気NO検査は体に負担の少ない方法で、専用の装置に一定の速さで息を吹き込むだけで簡単に測定できます。通常、健康な人の呼気NO値は低いですが、喘息やアレルギー性気道炎症のある人では高値を示すことが特徴です。
また、治療方針の見直しや薬剤の効果確認にも有用であり、患者さんごとにオーダーメイドの治療を行う指標ともなります。
呼吸機能検査のVC(肺活量)とは何ですか?
肺の「容量」を評価するための検査項目です。
呼吸機能検査のVC(肺活量)とは、肺の「容量」を評価するための検査項目です。息をできる限りゆっくりと吸い込み、ゆっくりと吐き出したときに、肺がどれだけの空気を出し入れできるかを調べる検査項目です。
これは『ゆっくり呼吸したときの最大の呼気量と最大の吸気量の差』でもあります。
VCの値は年齢・性別・身長によって基準値が異なり、実際に測定された値を基準値と比較して割合(%VC)で示し、判断基準とします。%VCが80%以上であれば正常域です。
参考文献
日本呼吸器学会.“呼吸器Q&A Q27.肺機能検査とはどのような検査法ですか?”..https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q27.html,(参照 2025-07-29).
.“呼吸機能検査の理解と臨床応用”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/12/1092496/pdf/-char/ja,(参照 2025-07-29).
愛知県臨床検査標準化協議会.“「呼吸機能検査における標準手順書」”.愛知県臨床検査標準化ガイドライン.https://www.aichi-amt.or.jp/aamt/wp-content/uploads/2024/03/aicc-guide-19.lung_function.pdf,(参照 2025-07-29).
呼吸機能検査のやり方を教えてください。
口呼吸の状態を作り、技師の声掛け通りに呼吸しましょう。
以下に、検査者としての個人の見解を含めた意見を記します。
喘息で行う呼吸機能検査とは何ですか?
主に努力性肺活量(FVC)、1秒量(FEV1)、1秒率(FEV1%)といった項目を測定します。
喘息の際に行う呼吸機能検査では、主に努力性肺活量(FVC)、1秒量(FEV1)、1秒率(FEV1%)といった項目を測定します。努力性肺活量とは、限界まで息を吸った後に一気に早く吐き出して測定する肺活量です。1秒量は1秒間でどれくらいの息を吐き出しているか、1秒率は努力性肺活量に対する1秒量の割合です。
喘息の診断や治療効果の確認には、1秒率が重要です。1秒率が70%未満だと「閉塞性換気障害」とされ、気道が狭くなっている状態であるとわかります。また、気管支喘息に特徴的な気道過敏性(正常の人に比べて気道が狭くなりやすい状態)を検査するため、気道を収縮させる物質を吸入して気道の反応を見る検査も行うことがあります。
参考文献
日本呼吸器学会.“呼吸器Q&A Q27.肺機能検査とはどのような検査法ですか?”..https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q27.html,(参照 2025-07-29).
.“呼吸機能検査の理解と臨床応用”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/109/12/1092496/pdf/-char/ja,(参照 2025-07-29).
愛知県臨床検査標準化協議会.“「呼吸機能検査における標準手順書」”.愛知県臨床検査標準化ガイドライン.https://www.aichi-amt.or.jp/aamt/wp-content/uploads/2024/03/aicc-guide-19.lung_function.pdf,(参照 2025-07-29).
気管支喘息の呼吸機能検査の最新ガイドラインはありますか?
3種類発売されています。
はい、あります。2025年7月時点のものをご紹介します。
呼吸器専門医向け
日本呼吸器学会 肺生理専門委員会 呼吸機能検査ハンドブック作成委員会による「呼吸機能検査ハンドブック」(メディカルレビュー社より2021年7月21日発売)
非専門医向け
一般社団法人日本喘息学会喘息診療実践ガイドライン作成委員会「喘息診療実践ガイドライン2024」(株式会社協和企画より2024年7月13日発売)
また、小児向けとして日本小児呼吸器学会による「小児呼吸機能検査ハンドブック 2020年改訂版」(株式会社協和企画より2019年12月12日発売)もあります。
気管支喘息の場合、呼吸機能検査の基準値は年齢で変わりますか?
気管支喘息の場合に限らず、呼吸機能検査の基準値は年齢によって変わります。
気管支喘息の場合に限らず、呼吸機能検査の基準値は年齢によって変わります。呼吸機能検査の主な項目である肺活量(VC)や努力性肺活量(FVC)、1秒量(FEV1)は、被検者の年齢だけでなく、身長、性別などをもとに予測値や基準値が算出され、一般的に20歳代がピークで加齢とともに減少します。
また、小児用には別の計算式が設定されています。小児では、年齢が若いほど肺が発達段階にあり、成長とともに数値は増加傾向となります。個人に合わせた予測値から基準値を算出し、結果を評価することが大切です。
検査数値から気管支喘息の重症度はわかりますか?
検査数値も判断の参考になります。
喘息の重症度を判断する手がかりとなるものには以下のようなものがあります。
●血液検査
○末梢血好酸球数
好酸球性炎症の指標となり、数値が高いほど重症である可能性があります。 特に、抗IL-5抗体や抗IL-5Rα抗体の投与対象を判断する際に、この数値が目安として用いられます。
○血清総IgE値
アレルギー反応の指標となり、高いほどアトピー型喘息の可能性が高く、重症化しやすい傾向があります。
●呼吸機能検査
○スパイロメトリー
一秒量(FEV1)や努力肺活量(FVC)などの数値から、気道の狭窄の程度を評価できます。これらの数値が低いほど、重症である可能性があります。
○気道可逆性検査
気管支拡張薬吸入後のFEV1の変化を測定することで、気道の狭窄がどの程度改善するかを評価します。可逆性が低い場合は、重症である可能性があります。
○ピークフロー(PEF)
最大呼気流量を測定し、日内変動や自己最良値との比較から喘息のコントロール状態を評価します。変動が大きい場合や自己最良値より低い場合は、重症である可能性があります。
●呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)
気道の炎症の指標となり、数値が高いほど重症である可能性があります。
●喀痰検査
喀痰中の好酸球比率が高い場合は、好酸球性気道炎症が強く、重症である可能性があります。
ただし、これらの検査数値はあくまで参考であり、喘息の重症度は、症状、悪化の頻度、治療への反応性、合併症などを総合的に判断する必要があります。
喘息でアレルギー検査を行うことはありますか?
アレルギー体質の有無や、そのアレルゲンを調べることがあります。
喘息の患者さんに対してアレルギー検査を行うことがあります。
血液検査では、アレルギー体質の有無や、特異的IgE抗体を測定してアレルゲン(原因物質)を特定します。
これにより、患者さんがどのアレルゲンに敏感かを把握でき、発作の予防や治療に役立てることが可能です。
喘息のアレルゲンには、チリ、ダニ、ハウスダスト、ペットのフケ、カビなどがあります。
原因物質が特定できない場合もありますが、特定された場合には、それを避けることが発作の予防に重要です。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
気管支喘息では血液検査データはどのように変化しますか?
気管支喘息では、好酸球数と総IgE値が上昇するのが特徴です。
気管支喘息の血液検査では、好酸球数の増加と総IgE値の上昇が特徴です。
好酸球
好酸球はアレルギー反応に関与する白血球であり、気管支喘息の患者さんではしばしば増加します。
総IgE値
総IgE値はアレルギー反応を示す抗体で、その値が高いとアレルギーが関連している可能性が高くなります。
特定のアレルゲン(アレルギーの原因物質)に対する特異的IgE抗体の測定も行われ、アレルゲンの特定に役立ちます。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
どのような検査をして気管支喘息の診断をするのでしょうか?
問診・診察に加えて、胸部X線検査、血液検査、肺機能検査、喀痰検査などの検査結果から診断します。
気管支喘息は、問診や診察、さまざまな検査などから総合的に診断します。
問診
過去の咳のエピソードや、アレルギー体質がないかなど詳細に伺います。
診察
胸の聴診を中心に全身の診察を行います。
検査
- 胸部X線検査
- 血液検査
- 呼吸機能検査
- 喀痰検査
- 呼気一酸化窒素検査(FeNO)
また、合併症がないかをより詳しく調べるために副鼻腔の検査(場合によって耳鼻咽喉科の受診)や尿検査、胸部CT検査などが追加されることがあります。
気管支喘息の治療・対処法
喘息への対処法は?
病状によって治療薬は異なりますが、炎症を抑える吸入薬の使用がベースになります。症状がない場合でも、炎症が持続していることがあり、その場合は継続的な治療が必要になりますので、自己判断での治療中断はやめましょう。風邪を引いた時や、天気によって発作が起こることがありますのでその際は我慢せず病院を受診してください。
気管支喘息は完治しますか?
「コントロール良好」や「寛解」を目指した治療が推奨されています。
気管支喘息の治療の目標は、症状を良好にコントロールし、発作を繰り返さないようにすることです。
治療によって症状が落ち着き、薬を使わなくても症状がない状態を「寛解」と呼びます。特に小児喘息の場合、成長とともに症状が出なくなる「寛解」状態になることがあります。
しかし、一度寛解したとしても、大人になってから喫煙などの影響で喘息が再燃する可能性も指摘されています。
また、小児期に喘息が寛解した患者さんでも、健康な大人と比べて将来的に肺の機能が低下しやすいという報告もあります。
これらのことから、喘息は症状が落ち着いていても、長期的な視点での管理が重要であり、継続的な治療と注意が必要な病気だと考えられています。
気管支喘息の治療でステロイド内服薬を飲む期間はどのくらいですか?
通常は数日の短期間使用し、症状が改善すれば中止します。
気管支喘息の治療でステロイド内服薬を使用する期間は、通常は短期間です。急性発作や症状が重い場合に、炎症を迅速に抑えるために使用されます。一般的に、数日程度で、症状が改善すれば中止されます。
長期的な内服は副作用のリスクが高まるため、避けることが推奨され、必要な場合は最小限の用量で管理されます。
以前は難治性喘息に対して長期にステロイド内服薬を連用するケースもありましたが、近年、生物学的製剤の登場により、難治性喘息の治療選択肢が広がっています。生物学的製剤は、特定の炎症物質を標的とするため、ステロイドと比較して副作用が少ない傾向があります。
ただし、生物学的製剤は高価であり、すべての患者さんに適応されるわけではありません。医師の指導に基づいて適切に使用することが重要です。
なかなか治らない重症喘息では、どのような治療の選択肢がありますか?
生物学的製剤などが治療選択肢となります。
なかなか治らない重症喘息には、通常の吸入薬に加え、生物学的製剤が選択肢となります。
抗IL-5抗体や抗IgE抗体などが使用され、免疫系を調整し炎症を抑えることで喘息を改善します。経口ステロイドの長期使用も場合によっては必要ですが、副作用に配慮し医師の指導が求められます。また、環境改善やアレルゲン除去なども重要な治療の一環です。
症状や検査所見に応じて適切な治療法を組み合わせることが、重症喘息の管理には不可欠です。
気管支喘息はどのくらいの期間で治りますか?治療を開始してから治るまでの流れを教えてください。
気管支喘息は完治が難しく、治療で症状を管理し続ける必要があります。
気管支喘息は完治が難しく、症状を管理しながら生活する慢性的な病気です。治療の期間は個人差があり、症状の重さや頻度、患者さんの生活環境や体質により異なります。
治療開始後、まず医師は吸入ステロイド薬や長時間作用型β2刺激薬を使用して炎症を抑え、症状をコントロールします。同時に、アレルゲン(アレルギーの原因物質)回避や生活習慣の改善も行います。症状が安定している場合でも、定期的な医師の診察と薬の調整が必要です。
治療の目標は、発作の予防と症状の軽減であり、治療を続けることで、症状が大幅に改善し、日常生活に支障をきたさない状態に持っていくことが目指されます。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
気管支喘息の治療の流れが知りたいです。
気管支の炎症を抑えるための吸入薬や内服薬などを組み合わせた治療をします。生活環境についての指導も行います。
気管支喘息の治療は、発作予防のための治療と発作時の臨時的な治療に分けられます。
成人では症状がなくなっても「完治」とはならず、予防のための治療は長期間におよびます。
発作予防のための治療
発作予防では、吸入ステロイド薬を中心として、ほかにいくつかの吸入薬や内服薬、定期的な皮下注射薬を組み合わせた治療を行います。
また、気管支喘息の予防には、アレルゲンの回避や睡眠時間の確保など、生活環境を整えることも重要です。
発作時の臨時的な治療
発作時には、重症度に応じて、吸入薬や内服、点滴などを使用して症状の改善を目指します。
重症の発作では、入院による治療(安静のうえでの酸素投与や、重症の場合は人工呼吸器管理など)が必要になることがあります。
受診の目安・何科を受診するべきか
医療機関を受診する目安はありますか?
喘鳴(ぜんめい)や息苦しさを感じたら早めに受診しましょう。咳が長引く際も早めの受診をおすすめします。
息苦しさや喘鳴(ぜんめい:呼吸をする時にゼーゼー、ヒューヒューという音が鳴ること)を自覚した場合は、早めの受診をおすすめします。
症状が咳のみの場合、症状が出始めてから3週間以内のものは、多くが風邪などの感染症による咳と言われていますが、短期間の咳でも症状が夜間や早朝に目立つ場合や喘鳴が伴う場合には、気管支喘息の可能性があります。
咳が2ヶ月以上続く場合は、気管支喘息に限らず、なんらかの病気が隠れていることが多いので、早めに受診しましょう。
受診した際、医師にどのように説明したらよいですか?
咳が出るタイミング、痰の色や性質、喘鳴の有無などの症状に加えて、ペットの有無や職業など、アレルゲンとの接触の有無を説明しましょう。
咳や喘鳴などの症状については、問診時に以下のことを聞かれます。
- いつから出るか
- どのようなきっかけ(会話や運動など)や環境(職場/自宅や気候など)で出やすいか
- 過去にも同じ症状が出たことがあるか
いつから症状があるか、どのようなきっかけで出やすいかは診察室ですぐに思い出せない患者さんが多いように感じますので、事前にまとめておくとスムーズに伝えやすいでしょう。
ほかにも以下のことを伝えてもらえると、診断のうえで参考になります。
- 花粉症などのアレルギーの有無
- 副鼻腔炎(蓄膿症)かどうか
- 喫煙習慣の有無
- ペットの有無
- 家族に喘息の人がいないか
喘息の専門医がいる近くの病院はありますか?
喘息の専門医がいる病院を見る気管支喘息の薬
気管支喘息のステロイドの副作用で、息苦しくなる症状がみられることはありますか?
まれですが、ステロイドによる喉の感染などで息苦しさが感じられることがあります。
気管支喘息の治療で使用される吸入ステロイドは、局所的に気道に作用するため全身への副作用は少ないとされていますが、まれに息苦しさが感じられることがあります。
特に、口腔や喉のカンジダ感染症や声のかすれなどが生じ、これが間接的に息苦しさを引き起こす可能性があります。また、長期間の使用により、肺炎のリスクがわずかに上昇することが報告されています。
吸入ステロイドは気道に直接作用するため、免疫反応が低下し、細菌やウイルス感染による肺炎が発生しやすくなることがあります。
息苦しさや異常な症状を感じた場合は、早めに医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。
気管支喘息で使用するステロイド内服薬について教えてください。副作用はどのようなものがありますか?
強力な抗炎症作用がありますが、副作用には体重増加、骨粗しょう症、免疫低下などがあります。
気管支喘息のステロイド内服薬は、重症の喘息発作や慢性的に症状がコントロールできない場合に使用されます。
内服薬は、吸入薬に比べて全身に作用するため、強力な抗炎症効果があり、気道の炎症や腫れを速やかに抑える効果があります。
通常、短期間の使用が推奨され、症状が改善したら減量や中止が行われます。しかし、長期間の使用や高用量の場合、副作用が懸念されます。
主な副作用として以下のような症状があります。
これらのリスクを軽減するため、医師の指導のもと、適切な用量と期間で使用することが重要です。
気管支喘息で使用するステロイド吸入薬について教えてください。副作用はどのようなものがありますか?
吸入ステロイドは気道の炎症を抑えます。副作用は喉のカンジダ症や声のかすれです。
気管支喘息の治療では、吸入ステロイド薬(ICS)が中心的な役割を果たします。 ICSは気道の炎症を抑える効果が高く、多くの患者さんの症状をコントロールすることができます。
ICSの副作用
しかし、ICSはいくつかの副作用が知られています。主な副作用としては、以下のようなものが挙げられます。
口腔内カンジダ症
ICSを吸入すると、口の中に残った薬剤の影響で、カンジダ菌という真菌が増殖しやすくなります。 口の中が白くなったり、痛みを感じたりすることがあります。
嗄声
声帯にICSが付着することで、声がれを起こすことがあります。
身長の伸びへの影響
特に小児では、長期にわたり高用量のICSを使用すると、身長の伸びが抑制される可能性があります。
骨粗鬆症
長期にわたり高用量のICSを使用すると、骨がもろくなる骨粗鬆症のリスクが高まる可能性があります。
副作用の予防対策
これらの副作用を予防するために、以下のような対策が重要です。
- ICS吸入後、うがいをしっかり行う
- 吸入時に適切な吸入方法を守る
- 定期的な診察を受け、医師の指示に従ってICSの用量を調整する
など
副作用が気になる場合は、医師に相談して、適切な対応を検討しましょう。
気管支喘息で使用するステロイド点滴について教えてください。副作用はどのようなものがありますか?
強力な抗炎症作用がありますが、副作用には血糖値上昇、骨粗しょう症、体重増加などがあります。
気管支喘息の重症発作時や、通常の治療で十分な効果が得られない場合、ステロイド点滴が使用されます。
ステロイド点滴は強力な抗炎症作用を持ち、気道の炎症や腫れを速やかに抑えるため、呼吸を楽にする効果があります。通常、経口ステロイドや吸入薬が効かない場合に短期間使用されます。
しかし、ステロイド点滴には副作用のリスクもあります。短期間の使用でも、血糖値の上昇、血圧の上昇、不眠、胃腸障害などが現れることがあります。長期使用では、骨粗鬆症、体重増加、免疫力低下、ムーンフェイス(顔のむくみ)などの副作用が出ることがあり、慎重な管理が必要です。
副作用を最小限に抑えるため、医師の指導のもとで使用されます。
気管支喘息で使用するステロイドにはどのような種類がありますか?また、副作用はありますか?
吸入ステロイド薬(ICS)と経口ステロイド薬(OCS)の2種類があり、それぞれ副作用があります。
気管支喘息の治療で使用されるステロイド
気管支喘息の治療で使用されるステロイドには、主に吸入ステロイド薬(ICS)と経口ステロイド薬(OCS)の2種類があります。
吸入ステロイド薬(ICS)
ICSは、気管支に直接吸入することで、気道の炎症を抑える薬です。 喘息治療の基本となる薬であり、軽症から重症の喘息まで幅広く使用されます。
経口ステロイド薬(OCS)
OCSは、飲み薬や注射薬として使用されるステロイド薬です。 ICSで効果が不十分な場合や、喘息発作時などに使用されます。
副作用
ステロイド薬は、喘息治療に有効な薬ですが、副作用も認められます。
吸入ステロイド薬(ICS)の主な副作用
- 口腔内カンジダ症
- 嗄声https://ubie.app/byoki_qa/diseases/diabetes-mellitus
などがあります。なお、小児では、長期使用により身長の伸びが抑制される可能性があります。
経口ステロイド薬(OCS)の主な副作用
OCSは、短期間の使用では問題となる副作用は少ないですが、長期間使用すると副作用のリスクが高まります。 特に、高用量のOCSを長期間使用すると、重篤な副作用が起こる可能性があります。
ステロイド薬を使用する際の注意点
- 医師の指示に従って、決められた量を正しく使用することが大切です
- 副作用が現れた場合は、すぐに医師に相談してください
- 自己判断でステロイド薬の使用を中止しないでください
重症の気管支喘息に効果のある治療薬はありますか?
重症喘息には、抗IL-5抗体薬、抗IL-4受容体抗体薬、抗IgE抗体薬などの生物学的製剤が有効です。
吸入ステロイド薬でも管理が難しい重症の気管支喘息に対しては、以下の治療薬が有効です。
生物学的製剤
抗IL-5抗体薬(メポリズマブ、ベンラリズマブ)、抗IL-4/13受容体抗体薬(デュピルマブ)、抗IgE抗体薬(オマリズマブ)などがあります。これらの薬は、特定の免疫反応を標的にして気道の炎症を抑制するため、重症喘息患者さんに有効です。特に、好酸球の数が多いタイプやアレルギー性の喘息に効果的です。
長時間作用型ムスカリン受容体拮抗薬(LAMA)
チオトロピウムなどのLAMAは、気道を広げる効果があり、吸入ステロイド薬と長時間作用型β2刺激薬(LABA)との併用で症状をコントロールしやすくします。
経口ステロイド薬
重症発作の管理に使われることがありますが、副作用があるため、できるだけ短期間で使用します。
これらの治療法を組み合わせ、個別の症状や反応に応じて医師と共に治療計画を調整することが重要です。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
主にどのような薬を飲んで気管支喘息の治療をしますか?
炎症やアレルギーを抑えたり気管支を拡張させる吸入薬・内服薬・皮下注射薬を使用して治療を行います。
気管支喘息の治療のために使われる薬は、発作予防のための薬と発作時に臨時で使用する薬に分けられます。
発作予防のための薬
発作予防では、炎症を抑える作用のある吸入ステロイド薬が治療の中心になります。
ほかにも気管支拡張剤の吸入や、アレルギーを抑える内服薬と皮下注射薬を組み合わせます。
発作時に用いる薬
発作時には、予防とは別に緊急で使用する、即効性の気管支拡張剤(吸入薬)を使用します(一部、予防にも発作自体にも使用できる薬もあります)。
緊急用に内服のステロイド剤を処方されることもありますが、使用するタイミングについては医師の指示に従ってください。
気管支喘息の経過・予後
気管支喘息が重症化すると長生きできないのでしょうか?寿命は短いのでしょうか?
重症化しても適切な治療を続ければ、気管支喘息で寿命が短くなることは少ないです。
気管支喘息が重症化すると、適切な治療を受けない場合、呼吸困難や発作が繰り返され、健康状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
しかし、現代の医療では多くの喘息患者さんが適切な治療を受けることで症状をコントロールでき、通常の生活を送ることが可能です。早期診断と適切な治療、定期的なフォローアップによって、重症の気管支喘息でも長生きすることは十分に可能です。
治療を怠ることがなければ、喘息が直接寿命を短くする要因になることは少ないとされています。
気管支喘息の原因にコロナ後遺症の可能性はありますか?
コロナ後遺症は喘息患者さんでは起こりやすいですが、気管支喘息の原因となるわけではありません。
気管支喘息発作は、インフルエンザウイルスやRSウイルスなどのウイルス感染をきっかけにも起こりますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と喘息発作との関連は現時点では明確に示されていません。
また、喘息患者さんがCOVID-19に罹患しやすいか、重症化しやすいかという点に関しても結論は出ていません。
一方で、COVID-19感染後の後遺症については、喘息患者さんでは頻度が高いとされています。
ただし、コロナ感染後に初めて気管支喘息の診断を受けた場合も、「コロナ感染によって発症した」というよりも「もともと気管支喘息による気管支の炎症を抱えていて、コロナ感染症によって発作が起きた」と考えるのが妥当です。
気管支喘息の予防
気管支喘息の発作予防のために気管支を強くする方法はありますか?
喘息の発作予防のためには薬物療法が重要です。
喘息の発作予防の主な目的は、気道の炎症を抑え、発作が起こりにくい状態を維持することです。そのためには、主に薬物療法が行われます。
吸入ステロイド薬
気道の炎症を抑える中心的な薬です。
長時間作用性β2刺激薬
気管支を広げる効果が持続する薬で、吸入ステロイド薬と併用されることが多いです。
ロイコトリエン受容体拮抗薬
気道を狭くする物質の働きを抑える薬です。
生物学的製剤
特定の物質の働きを抑えることで、炎症をコントロールする比較的新しい薬です。
また、薬物療法以外にも、喫煙を避ける、アレルゲン(アレルギーの原因物質)や大気汚染から身を守る、適切な体重を維持するなどの生活習慣の改善も重要です。
気管支そのものを直接『強くする』というよりは、気道を健康な状態に保ち、発作を予防することが治療の基本となります。
対処法・セルフケア
気管支が狭くなる状況への対処方法にはなにがありますか?
医師から処方された吸入薬などを使用します。原因となるアレルゲンやきっかけの回避も重要です。
気管支が狭くなる状況にならないように、普段から吸入ステロイドや気管支拡張薬(β2刺激薬)を定期的に吸入することが基本となります。これらの薬は気道の炎症を抑え、気管支を広げる効果があります。喘息の症状や重症度により、量を調節したり他の薬を追加したりします。
また、発作を予防するためにはアレルゲン(アレルギーの原因物質)やきっかけの回避が重要であり、チリ・ダニやハウスダストなど、原因が分かっている場合はそれらを避けたり、禁煙することも有効です。
発作が起こってしまった場合には、即効性のある短時間作用型β2刺激薬(SABA)の使用が有効です。また、酸素吸入が必要な場合もあります。
使用しても改善しない場合は、すぐに病院を受診してください。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
喘息に効果のある市販薬はありますか?
喘息の一時的な症状緩和に市販薬が使えることがありますが、治療の基本は医師が処方する吸入薬です。
喘息の症状をやわらげる市販薬はいくつかありますが、病気そのものを根本から治療するためには、医療機関で処方される吸入薬が欠かせません。ここでは、喘息における市販薬の位置づけや使用時の注意点について解説します。
喘息の治療の基本は吸入薬
喘息は、気道(空気の通り道)に慢性的な炎症が起きている病気です。
治療の基本は、吸入ステロイド薬を中心とした「長期管理薬(コントローラー)」で気道の炎症を日頃から抑えることにあります(参考:喘息予防・管理ガイドライン2024)。一方、発作時に気管支を広げる薬(リリーバー)は即効性がありますが、気道の炎症そのものを抑える作用はありません。
これらの吸入薬はいずれも医療用医薬品であり、市販はされていません。 症状がないときでも、医師の指示通りに長期管理薬を続けることが重要です。
喘息に使える市販薬の種類
薬局で購入できる市販薬の中には、気管支を広げる成分、抗アレルギー成分、漢方薬などが含まれており、一時的な症状の緩和に用いられることがあります。
しかし、これらの市販薬は気道の炎症を十分に抑える効果はありません。そのため、市販薬だけで喘息をコントロールし続けることは極めて困難です。あくまで医師による治療の補助的な位置づけと考えましょう。
喘息の市販薬を使うときの注意点
喘息の診断を受けている方、あるいは疑いがある方が市販薬を使う際、特に注意すべきなのが解熱鎮痛薬(痛み止め・風邪薬)です。
ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」と呼ばれる成分は、一部の喘息患者さんに「アスピリン喘息」という激しい発作を引き起こすおそれがあります。
飲み薬だけでなく、湿布や塗り薬でも症状が誘発されることがあるため注意が必要です。市販薬を使用する前には、必ず医師や薬剤師にご相談ください。
喘息の症状が続くときは早めの受診を
市販薬で一時的に楽になっても、気道の炎症が進行している可能性があります。咳や息苦しさが繰り返す場合や、市販薬の効果が感じられない場合は、放置せず早めに呼吸器内科などの医療機関への相談をご検討ください。
参考文献
喘息予防・管理ガイドライン2024(JGL2024). 一般社団法人日本アレルギー学会, 株式会社協和企画, 2024.
独立行政法人環境再生保全機構『成人ぜん息 治療 ぜん息の薬』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/medicine.html,(参照 2026-08-14).
独立行政法人環境再生保全機構『さまざまなぜん息 アスピリンぜん息(解熱鎮痛薬ぜん息)』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/aspirin.html,(参照 2026-08-14).
厚生労働省『重篤副作用疾患別対応マニュアル 非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作(アスピリン喘息)』https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1b05.pdf,(参照 2026-08-14).
気管支喘息に効く食べ物や飲み物はありますか?
気管支喘息に効くと確立された食べ物や飲み物はなく、治療の基本は薬物療法とされています。
気管支喘息によいとされる食べ物や飲み物を探す方は少なくありません。ここでは、現時点でわかっていることと、食生活で注意したい点を整理します。
気管支喘息に効く食べ物や飲み物はある?
気管支喘息を治したり、治療薬の代わりになったりすることが、科学的に確立された食べ物や飲み物はありません。
果物や野菜の摂取量が多い人では、喘息や喘鳴のリスクが低い傾向にあるという研究報告があります(Nutr Rev. 2014)。ただし、観察研究が多く、果物や野菜を食べることで喘息を予防・治療できると証明されたわけではありません。
特定の食品に効果を期待するのではなく、主食・主菜・副菜を組み合わせた、栄養バランスのよい食事を心がけることが基本です。
気管支喘息とカフェイン(コーヒー・紅茶)の関係
コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインには、気道をわずかに広げる作用があります。小規模な研究をまとめた報告では、軽度から中等度の喘息がある人の呼吸機能を一時的に改善し、その影響が最大4時間程度続く可能性が示されています(Cochrane Database Syst Rev. 2010)。
ただし、研究対象者は少なく、効果も限定的です。コーヒーや紅茶を発作治療薬や長期管理薬の代わりにすることはできません。
また、カフェインが検査結果に影響する可能性があるため、肺機能検査や気道過敏性検査の前に摂取を控えるよう指示されることがあります。必要な制限時間は検査の種類によって異なるため、医療機関からの案内に従ってください。
気管支喘息の症状を悪化させる飲食物
すべての喘息患者に共通する「避けるべき食品」があるわけではありません。ただし、次のような飲食物が、一部の人で症状の引き金になることがあります。
- アルコール: アルコールの分解で生じるアセトアルデヒドの影響により、動悸や皮膚の紅潮とともに喘息症状が悪化することがあります。また、ワインやビールなどに含まれる亜硫酸塩が症状を引き起こす場合もあります(環境再生保全機構)
- 食物アレルギーの原因食品: 食物アレルギーでは、咳、喘鳴、呼吸困難などの呼吸器症状が現れることがあります。食物アレルギーがある人の約30%に呼吸器症状または粘膜症状がみられるとされていますが、すべてが喘息症状という意味ではありません(アレルギーポータル)
- 亜硫酸塩を含む食品: ワイン、ビール、ドライフルーツ、加工されたイモ類、エビなどに含まれることがあり、感受性のある人では喘息症状を誘発する場合があります(GINA 2026)
特定の飲食物との関係が明らかでない場合、一律に避ける必要はありません。必要のない除去食は栄養不足につながる可能性があるため、自己判断で除去しないようにしましょう。過去に症状が出た食品を自己判断で食べて確かめることも危険です。除去や摂取再開については、医師や管理栄養士に相談してください。
食後に呼吸困難や声のかすれ、意識がもうろうとするなどの症状が現れた場合は、アナフィラキシーの可能性があります。処方されたアドレナリン自己注射薬があれば使用し、ただちに医療機関を受診してください。
気管支喘息と食生活・体重管理のポイント
肥満は、喘息の発症や悪化に関係する要因のひとつです。肥満のある人では、適切な減量によって喘息の症状や呼吸機能が改善することがあります。
体重を管理するときは、極端な食事制限ではなく、次のような取り組みを続けることが大切です。
- 主食・主菜・副菜をそろえる
- 野菜や果物を適量取り入れる
- 摂取エネルギーや間食を見直す
- 体調に合わせて運動する
- 定期的に体重を確認する
喘息の状態によって安全に行える運動量は異なります。運動で症状が出る場合は、医師に相談してから取り組みましょう。
気管支喘息の治療の基本と食事の位置づけ
喘息治療の基本は、吸入ステロイド薬などによって気道の炎症を抑える治療と、医師から指示された発作時の対応です。食生活の改善は治療を補うものであり、飲食物を理由に薬を減らしたり中止したりしてはいけません。
飲食後に咳や喘鳴、息苦しさが繰り返し現れる場合や、体重管理の方法に迷う場合は、医療機関に相談しましょう。
参考文献
独立行政法人環境再生保全機構『成人ぜん息 ぜん息悪化の要因(悪化因子)』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/causes.html.(参照 2026-09-09).
独立行政法人環境再生保全機構『成人ぜん息 日常生活の改善』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/measures/lifestyle.html.(参照 2026-09-09).
日本アレルギー学会・厚生労働省 アレルギーポータル『成人ぜん息』https://allergyportal.jp/knowledge/adult-asthma/.(参照 2026-09-09).
日本アレルギー学会・厚生労働省 アレルギーポータル『食物アレルギー』https://allergyportal.jp/knowledge/food/.(参照 2026-09-09).
Welsh EJ, Bara A, Barley E, Cates CJ. Caffeine for asthma. Cochrane Database Syst Rev. 2010;2010(1):CD001112.
Seyedrezazadeh E, Moghaddam MP, Ansarin K, Vafa MR, Sharma S, Kolahdooz F. Fruit and vegetable intake and risk of wheezing and asthma: a systematic review and meta-analysis. Nutr Rev. 2014;72(7):411-28.
気管支喘息でも貼れる市販の湿布はありますか?
市販の湿布でも発作の引き金になることがあり、使用前に医師や薬剤師への相談をご検討ください。
気管支喘息(きかんしぜんそく)は、空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起こり、さまざまな刺激によって気道が狭くなる発作を繰り返す病気です。
喘息のある人がすべての湿布を使用できないわけではありません。ただし、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)に過敏な人では、NSAIDsを含む貼り薬や塗り薬によって喘息発作が起こる可能性があります。
気管支喘息で市販の湿布に注意が必要なのはなぜ?
市販の湿布や貼り薬には、NSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる鎮痛・抗炎症成分が含まれているものがあります。喘息のある人の一部では、NSAIDsによって喘息症状が急激に悪化することがあります。
厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」では、NSAIDs過敏喘息の患者さんやその既往がある人は、内服薬、坐薬、注射薬だけでなく、貼付薬や塗布薬などの外用薬にも注意が必要とされています。
NSAIDs過敏喘息の既往がある方が、ケトプロフェン2.0%配合の貼付剤を使用した約2時間半後に、生命を脅かすほどの喘息発作を起こした症例が報告されています。この患者さんは、それ以前にはケトプロフェン0.3%配合の貼付剤を使用しても発作を起こしていませんでした(Kashiwabara et al.Intern Med. 2001)。
これは症例報告であり、成分濃度と発作の起こりやすさを一般化できるものではありませんが、以前に低濃度の製品を問題なく使用できたとしても、別の製品を安全に使用できるとは限らないことを示しています。
アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息)とは
NSAIDsによって喘息や鼻の症状が悪化する病態を「NSAIDs過敏喘息」または「解熱鎮痛薬喘息」と呼びます。「アスピリン喘息」という名称も使われますが、アスピリン以外のNSAIDsでも発作が起こる可能性があります。
厚生労働省のマニュアルでは、NSAIDs過敏喘息は成人喘息の約5~10%を占めるとされています。また、病歴を確認してもNSAIDsによる症状の誘発歴がない「潜在例」が約4割あるとされ、過去に明らかな問題がなかったことだけでは否定できません。
国際的なメタ解析では、成人喘息におけるNSAIDs過敏喘息の有病率は、負荷試験による評価で9.0%、自己申告による評価で9.9%と報告されています(Morales et al.Allergy. 2015)。
成人になってから喘息を発症した人や、鼻ポリープを伴う慢性副鼻腔炎、嗅覚障害、重症喘息がある人では、NSAIDs過敏喘息の割合が高いとされています。
気管支喘息が湿布で悪化したときの症状
NSAIDs過敏喘息では、主に次のような症状がみられます。
一般に、内服薬などでは使用後1時間以内に症状が現れることが多いとされています。一方、貼付薬や塗布薬では、皮膚から成分が吸収されるため、数時間たってから症状が現れることがあります。発症まで時間がかかると、使用した薬との関係に気づきにくいため注意が必要です。
気管支喘息の人が市販の湿布を使う前に確認したいこと
自己判断で選ばず、次の点を医師や薬剤師に伝えたうえで相談することをご検討ください。
- 過去に痛み止めや解熱薬で咳・息苦しさが出たことがあるか
- 現在の喘息の状態や使っている薬
- 使いたい湿布に含まれている成分
湿布や塗り薬の使用後に、咳、喘鳴、息苦しさ、強い鼻づまりなどが現れた場合は、ただちに使用を中止し、貼付剤は剝がしてください。医師から指示された発作治療薬がある場合は、その指示に従って使用し、速やかに医療機関を受診しましょう。
呼吸が苦しくて話せない、動けない、意識がもうろうとしている、唇や指先が青紫色になっているなどの症状がある場合は、ただちに救急車を呼んでください。
参考文献
厚生労働省『重篤副作用疾患別対応マニュアル 非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作(アスピリン喘息、解熱鎮痛薬喘息、アスピリン不耐喘息、NSAIDs過敏喘息)』平成18年11月(令和4年2月改定) https://www.pmda.go.jp/files/000245262.pdf.(参照 2026-09-08).
一般社団法人日本呼吸器学会『C-01 気管支ぜんそく(C. アレルギー性肺疾患)』 https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/c/c-01.html.(参照 2026-09-08).
Morales DR, Guthrie B, Lipworth BJ, et al. NSAID-exacerbated respiratory disease: a meta-analysis evaluating prevalence, mean provocative dose of aspirin and increased asthma morbidity. Allergy. 2015;70(7):828-35.
Kashiwabara K, Nakamura H. Analgesic-induced asthma caused by 2.0% ketoprofen adhesive agents, but not by 0.3% agents. Intern Med. 2001;40(2):124-6.
重症喘息で薬が効かないとき、どうしたらいいですか?
医師に相談し、生物学的製剤や環境改善、生活習慣の見直しを検討します。
重症喘息で薬が効かない場合、まずは医師に相談し、治療計画の見直しが必要です。
吸入薬で効果がない場合、生物学的製剤(抗IL-5抗体や抗IgE抗体など)の使用が検討されることがあります。これらの薬は免疫系に働きかけ、炎症を抑えることで症状を改善します。
また、アレルゲンの徹底的な回避や環境改善も重要です。生活習慣の見直しやストレス管理が効果を上げる場合もあります。
最適な治療法を見つけるために、専門医のフォローアップを受け、症状を総合的に管理することが大切です。
咳をすると胸や肺、みぞおちが痛いのですが、対処法はありますか?
安静、加湿、温かい飲み物、鎮咳薬を試し、痛みが続く場合は医師の診察を受けてください。
咳をすると胸や肺、みぞおちが痛む場合、まずはその原因を特定することが重要です。風邪や気管支炎、肺炎、または気管支喘息などが原因である場合があります。
安静にして体を休め、室内の空気を加湿することで咳の頻度を減らし、痛みを和らげる効果があります。温かい飲み物を摂取することも喉を潤し、咳を和らげる手助けとなります。
市販の鎮咳薬や鎮痛剤を使用することも考えられますが、これらは一時的な緩和策であり、根本的な治療にはなりません。
痛みが強い場合や長期間続く場合は、肺炎や肋間神経痛などの重篤な病気の可能性もあるため、早めに医師の診察を受け、適切な治療を受けることが必要です。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
大人の気管支喘息がなかなか良くならない場合、どうしたらいいですか?楽になる方法があれば教えてください。
治療を見直し、生物学的製剤の導入も検討します。
大人の気管支喘息がなかなか良くならない場合、まずは治療計画の見直しが重要です。
吸入薬が適切に使われているか確認し、効果が不十分なら生物学的製剤(抗IL-5抗体や抗IgE抗体など)の導入も検討されます。環境改善として、アレルゲンや大気汚染を避けることも症状の緩和に役立ちます。空気清浄機の使用や、寝具のアレルゲン対策も有効です。
加えて、適度な運動や呼吸法のトレーニングも呼吸機能を改善させる効果があります。また、ストレスが喘息を悪化させる場合があるため、十分な休息を取ることも大切です。
気管支喘息でやってはいけないことはありますか?
喘息の発作の原因となる行動は控え、お薬を忘れず使用するようにしましょう。
気管支喘息で避けるべきことは以下の通りです。
- アレルゲン(アレルギーの原因物質)や刺激物を吸い込まない
- 喫煙をしない
- 長期管理薬を忘れずに使用する
- 医師の指示に従わない
アレルゲンや刺激物には、花粉、ペットの毛、ダニ、カビ、タバコの煙、強い香り(香水や洗剤)などが含まれます。吸入ステロイドや長時間作用型気管支拡張薬などの長期管理薬は、気道の炎症を抑え、発作を予防する重要な役割を果たします。医師の指示に従わないと、症状が悪化し、入院が必要になることもあります。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
気管支喘息に対して自分でできる、即効性のある対処法はありますか?
手持ちの吸入薬があれば使用し、安静にしましょう。
気管支喘息の発作が起こった際に即効性のある対処法としては、まず吸入薬(救急用の短時間作用型β2刺激薬、例: サルブタモール)を使用することが重要です。これにより気道を迅速に拡張し、呼吸を楽にします。
また、発作の際は安静にし、できるだけ座った姿勢を保ち、ゆっくりと深呼吸を行うことで症状の悪化を防ぐことができます。
さらに、アレルゲン(アレルギーの原因物質)や刺激物(タバコの煙、冷気、強い匂いなど)から離れることも大切です。
ただし、症状が改善しない場合や重篤な場合は、速やかに医療機関を受診することが必要です。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
気管支喘息の治療中に日常生活で気をつけることはありますか?
気道の炎症を抑え、発作を予防することが大切です。吸入を毎日欠かさず、規則正しい生活を心がけましょう。
発作予防となる毎日の吸入をしていないと、発作を起こしやすくなります。
また、睡眠不足などのストレスやアレルゲンの吸入、風邪、肺炎などが発作を起こすきっかけになることがあるので注意しましょう。
その他、予防のためには、以下のことに注意しましょう。
- 症状がなくても毎日の吸入を続けること
- 規則正しい生活を心がけること
- 風邪を引かないよう体調管理すること
- アレルゲンを回避すること(自宅や職場の環境改善や、花粉時期のマスク着用など)
発作が起こった場合には、我慢せず早めに発作用の吸入薬を使用することが重要です。
気管支喘息に関連するその他の質問
大人が気管支喘息になった場合、熱が出ることはありますか?
気管支喘息自体で熱が出ることは通常ないとされ、風邪や肺炎などの感染症の併発が背景と考えられます。
大人の気管支喘息(きかんしぜんそく)では、熱が出るのかどうかが気になる方も多いようです。ここでは、喘息そのものの症状と、発熱がある場合に考えられる原因について解説します。
気管支喘息そのもので熱は出る?
気管支喘息は、空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起こり、咳や痰、息苦しさなどを繰り返す病気です。
発熱は、気管支喘息の典型的な症状ではありません。喘息のある人に発熱がみられる場合は、風邪やインフルエンザ、肺炎などの感染症を併発している可能性があります。
気管支喘息の主な症状
成人の喘息では、次のような症状がみられるとされています(環境再生保全機構、日本呼吸器学会)。
- 夜間や早朝に起こりやすい咳や息苦しさ
- 呼吸のたびに聞こえる「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音(喘鳴)
- 発作的に現れる咳や痰、息苦しさ
- 運動、冷たい空気、たばこの煙などをきっかけに起こる咳や息苦しさ
- 胸の圧迫感や胸苦しさ
症状の現れ方や程度には個人差があり、喘鳴を伴わず、咳だけが続く場合もあります。
気管支喘息で発熱するときに考えられる原因
発熱がある場合は、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、肺炎などの呼吸器感染症を併発している可能性があります。
こうした呼吸器感染症は、喘息の症状や発作を悪化させる大きな要因です。特に、空気が乾燥して感染症が流行しやすい冬は注意が必要とされています(環境再生保全機構)。ただし、発熱の原因が必ず感染症とは限りません。発熱が続く場合や、咳、痰、息苦しさなどが強くなっている場合は、医療機関で原因を確認してもらいましょう。
気管支喘息が感染症で悪化するとどうなる?
成人の喘息増悪に関する43件の研究、計3,511人を対象としたシステマティックレビューおよびメタ解析では、急性感染症の統合割合は40.19%でした。また、病原体別ではウイルスの統合検出割合が38.76%と報告されています(Chen X, et al. Ann Thorac Med. 2023)。
ただし、対象者や検査方法などは研究によって異なるため、この数値がすべての喘息患者さんにそのまま当てはまるわけではありません。
感染症を併発すると、それまで落ち着いていた咳や喘鳴、息苦しさが強まり、喘息発作につながることがあります。
気管支喘息で発熱したときの対応
喘息発作が起きた場合は、あらかじめ医師から指示された方法に従い、発作治療薬を使用します。薬の使用方法や受診のタイミングについて、日頃から医師と確認しておくことが大切です。次のような場合は、ためらわずに医療機関を受診してください(環境再生保全機構)。
- 苦しくて眠れない、または横になれない
- 発作治療薬や内服薬を使用しても十分に改善しない
- 発作治療薬が手元にない
- 強い喘息発作の症状がある
- 発熱とともに、咳や痰、息苦しさが悪化している
参考文献
独立行政法人環境再生保全機構『ぜん息とは|成人ぜん息|ぜん息基礎知識』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/index.html.(参照 2026-09-08).
独立行政法人環境再生保全機構『日常生活におけるぜん息悪化の要因|成人ぜん息|ぜん息基礎知識』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/causes.html.(参照 2026-09-08).
独立行政法人環境再生保全機構『発作が起こったら…|成人ぜん息|ぜん息基礎知識』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/attack.html.(参照 2026-09-08).
一般社団法人日本呼吸器学会『C-01 気管支ぜんそく|C. アレルギー性肺疾患』https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/c/c-01.html.(参照 2026-09-08).
Chen X, Zhang P, Ma Y. Prevalence of acute infection in adults with asthma exacerbation: A systematic review and meta-analysis. Ann Thorac Med. 2023;18(3):132-151.
喘鳴がみられない場合でも気管支喘息の可能性はありますか?
喘鳴がなくても気管支喘息の可能性はあります。
喘鳴がみられない場合でも、気管支喘息の可能性は十分にあります。
喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)は、気道が狭くなることで発生しますが、必ずしもすべての喘息患者さんにみられるわけではありません。特に大人や軽度の喘息の場合、喘鳴が顕著でないことが多く、主な症状が咳や息苦しさ、胸の圧迫感に限られることがあります。
咳喘息と呼ばれるタイプでは、慢性的な咳が主な症状で、喘鳴がほとんどみられないこともあります。そのため、喘鳴がない場合でも、他の症状や肺機能検査などを基に、気管支喘息の診断が必要です。喘鳴がなくても症状を軽視せず、医師に相談することが大切です。
気管支喘息で喘鳴が起きる原因を教えてください。
気道の炎症や狭窄により空気が通りにくくなることで生じます。
気管支喘息の主な病態は、気道(空気の通り道)の慢性的な炎症です。
この炎症が長期間続くと、気道でさまざまな変化が起こります。
具体的には、以下のような状態になることで気道が狭くなり、空気が通りにくくなるため、特徴的な喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼーという呼吸音)が発生します。
気道の腫れ
炎症によって気道の壁がむくんで厚くなります。
粘液の増加
気道の内側で粘液(痰)がたくさん作られ、気道を塞ぎます。
気管支の収縮
気管支を取り巻く筋肉が縮んで、気道がさらに細くなります。
これらの変化には、好酸球、リンパ球、マスト細胞、好中球など、さまざまな炎症に関わる細胞が関与しています。
気管支喘息重積発作ではどのような状態になりますか?
重積発作は、喘息の発作が24時間以上持続する状態です。
気管支喘息の重積発作は、持続的な喘息発作が24時間以上続き、適切な治療がなければ生命に危険を及ぼす状態です。
重積発作の主な症状には、激しい息切れ、胸の圧迫感、咳、重度の呼吸困難が含まれます。
治療には、酸素療法や気管支拡張薬の投与、ステロイドの使用が含まれ、重症の場合には人工呼吸が必要となることもあります。
重積発作は、適切な治療が遅れると呼吸不全に至り、命に関わるため、集中治療が必要です。早めの対処が非常に重要で、重症化する前に速やかに医療機関を受診することが大切です。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
気管支拡張症と気管支喘息の違いを教えてください。
両者は異なる病気ですが、喘鳴などの症状や生理学的な特徴が似ているため、区別が難しい場合があります。
気管支拡張症と気管支喘息は、それぞれ異なる根本的な原因で起こる病気です。
気管支喘息は、主にアレルギー反応によって気道(空気の通り道)に「好酸球(こうさんきゅう)」という種類の白血球が多く集まって炎症(腫れや赤み)が起きるのが特徴です。これにより気道が過敏になり、狭くなったり、ゼーゼーやヒューヒューといった喘鳴が起きたりします。
気管支拡張症は、気道が広がり、そこに病原性の細菌が定着して、主に「好中球(こうちゅうきゅう)」という別の種類の白血球が多く集まる炎症が起きるのが特徴です。
これらの病気は炎症の種類が異なるものの、症状や体の機能面で似ている点が多く、区別がつきにくいことがあります。
例えば、気管支拡張症の患者さんの約34%に喘鳴が見られ、19%以上の人に気道が過敏になる症状が、60%以上の人に空気の通り道が狭くなる症状が見られます。また、両方の病気を同時に持っている人も少なくありません。
気管支拡張症の患者さんの7%〜46%に喘息が見られます。重症喘息の患者さんの25%〜68%に気管支拡張症が見られることがあります。
特に、アレルギー性の重症喘息では、「アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)」という、アレルギー反応によって気管支が広がるタイプの気管支拡張症を合併することが知られています。
このように、見た目の症状が似ていたり、両方の病気を合併したりすることがあるため、それぞれの病気に合った適切な診断と治療を行うためには、詳細な検査が必要になります。
気管支喘息が悪化するとどうなりますか?
発作を繰り返し、症状がコントロール不良になり、生活の質が低下することがあります。
喘息のコントロールが不良となり悪化すると、さまざまな状態につながります。
急性増悪(発作)の繰り返し
治療を受けていても、発作が頻繁に起こるようになります。
症状の重症化とコントロール不良
日中や夜間の喘息症状が頻繁に現れ、日常生活や運動が制限されるようになります。通常の治療薬では症状がコントロールしきれない「難治性喘息」となることもあります。
呼吸機能の低下
肺の機能が低下し、努力肺活量や1秒量(FEV1)が予測値の80%未満になるなど、空気の通り道が強く狭くなる状態(気流制限)が見られます。中には、肺機能が急速に低下していくケースも報告されています。
生活の質(QOL)の低下
症状の悪化は、患者さんの生活の質を著しく低下させます。
医療機関受診の増加
重い発作が起き、救急外来への緊急受診や入院が必要になる頻度が増加します。
死亡リスクの上昇
重症な喘息の場合、残念ながら死亡に至るケースも報告されています。
肺活量の基準値を教えてください。また、気管支喘息の場合、肺活量はどれくらい低下しますか?
肺活量の基準値は性別・年齢・身長から予測値を算出して比較し、喘息では一秒量が主な指標とされます。
肺活量の基準値は、誰にでも共通するひとつの数値ではありません。年齢、性別、身長などから算出した予測値や正常下限値と比較して評価します。気管支喘息では、肺活量そのものよりも、息を吐くときの気流制限とその変動性が重要な手がかりになります。
肺活量とは?気管支喘息で行う呼吸機能検査(スパイロメトリー)
スパイロメトリーは、息を吸ったり吐いたりして肺の働きを調べる検査です。主に次のような指標を測定します。
- 肺活量(VC): 最大限に息を吸ったり吐いたりしたときに出し入れできる空気の量
- 努力性肺活量(FVC): 最大限に息を吸ってから、できるだけ速く最後まで吐き出した空気の量
- 1秒量(FEV1): 努力性肺活量の測定で、息を吐き始めてから最初の1秒間に吐き出した空気の量
- 1秒率(FEV1/FVC): 努力性肺活量に対する1秒量の割合
肺活量と努力性肺活量は、測定方法や意味が異なる指標です。特に高齢者では両者に差が生じやすく、基準値を相互に置き換えて使用できないと報告されています(Kubotaら, Respir Investig. 2014)。
肺活量の基準値は気管支喘息でも同じ?
肺活量の基準値は病気ごとに決められているわけではありません。健康な人の測定データをもとに、年齢、性別、身長などから予測値や正常下限値を算出し、本人の測定値と比較します。気管支喘息がある場合も、この基本的な考え方は同じです。
正常下限値(LLN)は、健康な基準集団で得られた値の下側の境界で、一般には下位5%に相当する値です。現在では、「予測値の80%」などの一律の基準だけで判定せず、正常下限値やzスコアを用いて評価することが推奨されています(ERS/ATS技術標準)。
測定値が基準に近い場合は、数値だけで正常・異常を明確に分けられないこともあります。症状やほかの検査結果を含めた総合的な判断が必要です。
気管支喘息では肺活量はどれくらい低下する?
肺活量が低下する程度は、発作の有無や重症度などによって異なります。気管支喘息では、発作時に気道が狭くなって息を十分に吐き切れなくなるため、努力性肺活量が低下することがあります。一方、症状が落ち着いているときには正常な場合もあります。
また、努力性肺活量の低下は喘息だけにみられるものではありません。肺が十分に膨らまない拘束性換気障害や、強く息を吐き切れなかった場合などでも低下します。努力性肺活量が低いという結果だけで、喘息や拘束性換気障害を診断することはできません。
喘息の評価では、次の項目が特に重視されます。
- 1秒量や1秒率が低下しているか
- 気管支拡張薬によって1秒量が改善するか
- 呼吸機能が時間帯や測定日によって変動するか
- ピークフローに日内・日々の変動があるか
長期間にわたって喘息の炎症が続くと、治療しても気流制限が完全には元に戻らない「固定性気流制限」が生じる場合もあります。
喘息では、狭くなった気道が治療によって広がる「気管支拡張薬反応性」を調べることがあります。
GINA 2026では、喘息を疑う典型的な症状がある成人において、気管支拡張薬の吸入後に1秒量が吸入前よりも12%以上かつ200mL以上増加することが、喘息の診断を支持する所見のひとつとされています(GINA 2026)。
ただし、この基準を満たさなくても喘息を否定できるわけではありません。検査を受けた時点で気道が狭くなっていなければ、明らかな改善が確認できないことがあるためです。必要に応じて、症状がある時期の再検査、ピークフローの測定、気道過敏性検査などが行われます。
気管支喘息の症状
日本呼吸器学会は、代表的な症状として次のような点をあげています。
気管支喘息の検査・治療と受診の目安
GINA 2026では、喘息診断の基本として「変動する呼吸器症状」と「変動する呼気の気流制限」を確認することが重視されています。日本呼吸器学会も、気管支拡張薬の吸入後に気流が改善する場合は、喘息の可能性が高いと説明しています。
肺活量が正常でも喘息を否定することはできません。咳、喘鳴、胸苦しさ、息苦しさを繰り返す場合や、症状が3週間以上続く場合は、呼吸器内科などの医療機関へ相談しましょう(日本呼吸器学会)。
参考文献
一般社団法人日本呼吸器学会『気管支ぜんそく|呼吸器の病気』https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/c/c-01.html.(参照 2026-09-09).
Global Initiative for Asthma. Summary Guide for Asthma Management and Prevention (GINA 2026). https://ginasthma.org/wp-content/uploads/2026/07/GINA-Summary-Guide-2026-WEB-WMS.pdf
Kubota M, Kobayashi H, Quanjer PH, Omori H, Tatsumi K, Kanazawa M. Reference values for spirometry, including vital capacity, in Japanese adults calculated with the LMS method and compared with previous values. Respir Investig. 2014;52(4):242-50.
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気管支喘息の場合、献血はできないのでしょうか?
気管支喘息の症状がある方やときどき発作を起こす方は、献血をご遠慮いただくとされています。
気管支喘息(きかんしぜんそく)があると献血できないのか、気になる方もいるでしょう。喘息がある人すべてが一律に献血できないわけではありませんが、症状や発作の状況、使用している薬などによって献血を控える必要があります。ここでは、日本赤十字社が公開している情報をもとに、判断の考え方を解説します。
気管支喘息でも献血はできる?
日本赤十字社の「献血をご遠慮いただく場合」では、喘息が「特定の病気にかかったことのある方」の項目に挙げられています。
ただし、喘息と診断された人すべてが一律に献血できないという意味ではありません。現在の症状や発作の頻度、治療薬、当日の体調などを確認したうえで、献血会場の健診医が最終的に判断します。
気管支喘息で献血を控えるのはどんなとき?
日本赤十字社は、「ぜんそく症状がある方や時々発作を起こす方」について、採血中に発作が起こると事故につながるため、献血を控えるよう案内しています。
次のような場合は、献血よりも治療や体調の回復を優先しましょう。
体調が不安定な状態で献血すると、採血をきっかけに症状が悪化するおそれがあります。
気管支喘息の治療薬を使っている場合の献血はどうなる?
喘息の治療薬を使用していることだけを理由に、必ず献血できなくなるわけではありません。
服薬中の方の扱いについて、日本赤十字社は次のように説明しています。
- 支障がないとされるのは、ビタミン剤やごく一般的な胃腸薬などの類です
- それ以外は、病気の種類や薬の種類によって献血をご遠慮いただくことがあります
- 外用薬・坐薬・点眼薬・点鼻薬でも、その内容により献血できない場合があります
- 可否の判断は医師が行うとされています
- 治験に参加している場合は、観察期間が終了するまで献血はできません
気管支喘息の症状
気管支喘息は、空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起こり、さまざまな刺激に対して気道が敏感になって、発作的に狭くなることを繰り返す病気です。
主に次のような症状がみられます(日本呼吸器学会)。
- 発作的な咳や痰(たん)
- 「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音(喘鳴/ぜんめい)
- 息苦しさ
- 夜間や早朝に起こりやすい咳や息苦しさ
症状がないときでも気道の炎症が続いていることがあるため、吸入ステロイド薬などによる長期管理を自己判断で中止してはいけません。献血するために治療薬を休薬するのではなく、薬を使用していることを問診で申告してください。
気管支喘息の方が献血を検討するときの注意点
献血前には、次の点を確認しておきましょう。
- 現在、咳、喘鳴、息苦しさがないか
- 最近、喘息発作を起こしていないか
- 発作治療薬を使用した時期
- 使用している薬の名称と使用目的
- 風邪、発熱、睡眠不足などの体調不良がないか
日本赤十字社のウェブサイトに掲載されている薬や予防接種などの情報は、すべてのケースを網羅したものではありません。判断に迷う場合は、事前に最寄りの血液センターや献血ルームへ問い合わせてください。
献血当日の問診では、喘息の症状、直近の発作、使用している薬について正確に申告しましょう。症状がある場合や最近発作を起こした場合は献血を延期し、喘息の治療を受けている医療機関に相談してください。
参考文献
日本赤十字社「特定の病気にかかったことのある方(ぜんそく)」https://www.jrc.or.jp/donation/about/refrain/detail_01/.(参照 2026-09-08).
日本赤十字社「当日の体調不良、服薬中、発熱等の方」https://www.jrc.or.jp/donation/about/refrain/detail_02/.(参照 2026-09-08).
日本赤十字社「献血をご遠慮いただく場合」https://www.jrc.or.jp/donation/about/refrain/.(参照 2026-09-08).
一般社団法人日本呼吸器学会「気管支ぜんそく」(呼吸器の病気)https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/c/c-01.html.(参照 2026-09-08).
スパイロメーターの基準値と結果の見方を教えてください。どのような結果だと気管支喘息が考えられますか?
1秒率70%未満で気道の狭まりが疑われ、気管支拡張薬で改善すれば気管支喘息が考えられます。
スパイロメーターは、息を吐き出せる量や速さを測定する検査機器です。この機器を使った呼吸機能検査を「スパイロメトリー」といいます。気管支喘息では、1秒量や1秒率などから、気流制限の有無や変動性を評価します。
気管支喘息の検査で使うスパイロメーターとは
スパイロメーターは、気道がどの程度狭くなっているかを、数値やグラフで調べるための機器です。最大限に息を吸ったあと、できるだけ速く、最後まで息を吐き出して測定します(環境再生保全機構)。
主に確認する項目は次のとおりです。
- 努力性肺活量(FVC): 最大限に息を吸ったあと、勢いよく最後まで吐き出した空気の総量
- 1秒量(FEV1):息を吐き始めてから最初の1秒間に吐き出した空気の量
- 1秒率(FEV1/FVC):努力性肺活量に対する1秒量の割合
気管支喘息のスパイロメーター基準値(1秒率・1秒量)
喘息予防・管理ガイドライン2018の解説では、正常範囲は「1秒率70%以上かつ%FEV1(予測値に対する1秒量の割合)80%以上」とされています(玉置, アレルギー, 2018)。ただし、1秒率は年齢などの影響を受けるため、実際には年齢、性別、身長などに基づく基準値や正常下限値も考慮して評価されます。1秒率が70%未満だからといって、気管支喘息と診断されるわけではありません。
喘息の診断では、症状の経過や発症のきっかけに加え、気流制限が時間の経過や治療によって変化するかどうかを確認することが重要です。
気管支喘息が考えられるスパイロメーターの結果
気管支喘息では、気道の狭まりが自然に、または治療によって改善する「変動性」や「可逆性」がみられることがあります。
代表的な評価項目は次のとおりです。
- 気流制限:1秒率が基準値や正常下限値を下回っている
- 気道可逆性:気管支拡張薬の吸入後に、1秒量が吸入前と比べて12%以上かつ200mL以上増加する
この可逆性の基準を満たす結果は、喘息の診断を支持する所見のひとつです。ただし、基準を満たさなくても喘息を否定できるわけではなく、反対に、基準を満たすだけで喘息と確定できるわけでもありません。
気管支喘息のピークフロー(PEF)の見方と日内変動率
ピークフロー(PEF)とは、息をできるだけ強く吐き出したときの最大呼気流量です。一般的には、スパイロメーターではなく、携帯型のピークフローメーターを使って自宅で測定します。
測定するときは、できるだけ同じ時間帯や姿勢、同じ測定器を使用します。通常は3回測定し、そのうち最も高い値を記録します。
自己最良値に対する割合を用いたゾーン管理の目安は、次のとおりです(環境再生保全機構)。
- 80〜100%:グリーンゾーン
- 50〜80%:イエローゾーン
- 50%以下:レッドゾーン
これらはあくまで一般的な目安です。境界値の扱いや数値が低下した場合の対応については、医師と相談して個別の行動計画を立てておきましょう。
ピークフローの日内変動を見ることで、喘息のコントロール状態や気流制限の変動性を評価できます。ただし、日内変動率には複数の計算方法があり、管理目標と診断の判定基準も同じではありません。数値だけで自己判断せず、記録を医師に確認してもらうことが大切です。
気管支喘息は検査が正常でも否定できる?
喘息は、症状や呼吸機能が時間とともに変化する病気です。そのため、症状が落ち着いているときにはスパイロメトリーの結果が正常になることがあり、1回の検査が正常でも喘息を完全には否定できません。
必要に応じて、症状があるときの再検査、気管支拡張薬の吸入前後の検査、ピークフローの継続測定、気道過敏性検査などを組み合わせて診断します。
咳や喘鳴、息苦しさなどを繰り返している場合は、呼吸器内科やアレルギー科に相談してください。
参考文献
玉置淳. ガイドラインのワンポイント解説 喘息予防・管理ガイドライン(成人喘息)2018. アレルギー. 2018;67(9):1263-1268.
相澤久道, 冨岡竜介, 名取宏記. 喘息診断のピットフォール. 日本内科学会雑誌. 2009;98(12):3019-3025.
独立行政法人環境再生保全機構『検査と診断|成人ぜん息(ぜんそく、喘息)|ぜん息基礎知識』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/knowledge/test.html.(参照 2026-09-08).
独立行政法人環境再生保全機構『自分のぜん息の状態を把握する ピークフロー測定とぜん息日記|成人ぜん息』https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/condition/peakflow.html.(参照 2026-09-08).
気管支喘息の合併症にはどのようなものがありますか?
多くの合併症や併存症があり、これらが喘息の難治化や悪化に関わることが知られています。
気管支喘息の患者さんは、さまざまな病気を同時に抱えている(合併症や併存症がある)ことが多く、これらが喘息の症状を悪化させたり、治療を難しくしたりする原因となることがあります。
そのため、これらの合併症をきちんと診断し、治療することが喘息の管理において非常に重要です。
主な合併症や併存症としては、以下のものが挙げられます。
- 鼻・副鼻腔疾患:アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎(特に好酸球性副鼻腔炎など)。
- 肥満:喘息の発症や病状悪化、治療抵抗性に関わります。
- 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA):睡眠中に呼吸が止まる病気で、喘息のコントロールを悪化させます。
- 胃食道逆流症(GERD):胃酸が食道に逆流する病気で、喘息の症状を悪化させるリスクを高めます。
- 薬剤:アスピリンなどの痛み止めで発作が誘発される「アスピリン喘息(AERD)」や、特定の心臓の薬(β遮断薬)などが喘息に影響を与えることがあります。
- 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA):全身の血管に炎症が起こる稀な病気で、喘息を伴うことが多いです。
- アレルギー性気管支肺真菌症(ABPA):特定のカビが気道でアレルギー反応を引き起こす病気です。
- 声帯機能障害(VCD):喘息と症状が似ており、鑑別が必要です。
- 心不全:喘息患者さんは心不全を合併するリスクが高く、症状が喘息の発作と似ていることがあります。
- 精神障害・心理的因子:不安、パニック、うつ症状などが喘息のコントロール不良につながります。
- 喫煙/慢性閉塞性肺疾患(COPD):喫煙は喘息を悪化させ、長期喫煙によりCOPDという別の肺の病気を合併することもあります。
- ホルモンの影響:女性ホルモンの変動(月経関連喘息、妊娠中の喘息)や甲状腺ホルモンの異常が喘息の病態に影響することがあります。
気管支喘息の場合、フローボリューム曲線の特徴はありますか?
気管支喘息では、呼気相が下にへこみ、ピークフローが低下するのが特徴です。
フローボリューム曲線は、気流量(フロー)と肺気量(ボリューム)の関係を示したグラフで、病気ごとに特有のパターンが現れます。
気管支喘息では、気道が狭くなるため、呼気相の初期でフローが低下し、ピークフローが低くなるのが特徴です。
これにより、呼気相が下にへこんだ形状を示します。
正常なフローボリューム曲線では、呼気相が滑らかに下降しますが、喘息ではこの部分が不規則になります。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
小児喘息の原因はなんですか?
喘息はさまざまな要因が絡みあって発症すると考えられていますが、小児喘息はアレルギーが関与していることが多いです。
喘息はさまざまな要因が絡みあって発症すると考えられていますが、成人の喘息と比較して小児喘息はアレルギーが関与していることが多いです。
小児喘息の発症に関係する要素として、以下のようなものがありますが、「○○が喘息の原因だ」とひとつの原因に絞ることはできませんし、これらがあるからといって必ずしも喘息を発症するとは限りません。
- 近親者に喘息患者さんがいる
- 新生児期〜乳児期にかけてのアトピー性皮膚炎
- 3歳までの吸入アレルゲン(ダニ・ハウスダスト・花粉など)への感作(=その物質に対するアレルギーになること)
- 乳幼児期の気管支炎や肺炎
- 妊娠中の母親の喫煙や乳児期の家族の喫煙
- 大気汚染
- 人工乳育児
喘息を発症させないための生活上の注意として、妊娠中から母親・家族が禁煙する、可能な範囲で感染症を予防する、などが挙げられます。
乳児期にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーがある場合には、その適切な治療が喘息の発症予防に重要です。
また、まだはっきりと証明されたデータはありませんが、ダニやペットの毛などを吸入しないようにしたり、ぬいぐるみやカーペットの使用を控えたりすることなども、発症予防につながる可能性があります。
ただし、すでに喘息を発症している場合は、発作の予防としてダニやペットの毛などを吸入しないように環境を整えることが重要になります。
大人の喘息で仕事を休む目安はありますか?ドクターストップがかかる基準などはありますか?
発作の強さやピークフロー値、コントロール状態をもとに、主治医と相談して判断するとされています。
大人の気管支喘息で仕事を休むかどうかは、そのときの発作の強さと、普段のコントロール状態の両面から考えるのが基本です。判断材料となる公的な目安を整理します。
気管支喘息で仕事を休む目安はありますか?
喘息の症状だけを基準に、就業の可否を一律に決める公的な基準はありません。ただし、次のような場合は無理に出勤したり仕事を続けたりせず、休養や医療機関への相談を検討する必要があります。
- 咳や息苦しさで仕事に集中できない
- 会話や歩行などの日常的な動作で息苦しくなる
- 夜間の症状で十分に眠れていない
- 発作治療薬を使用しても症状が十分に改善しない
- 発作治療薬を使う回数が普段より増えている
- ピークフローが普段より大きく低下している
- 職場の煙、粉じん、化学物質などで症状が悪化する
- 運転、高所作業、機械操作など、安全に関わる仕事に支障がある
喘息の調子が悪いときには、無理をせず休むことも必要です(環境再生保全機構)。
ピークフローを仕事を休む判断に使える?
ピークフローとは、息を勢いよく吐き出したときの最大呼気流量です。自己最良値に対する割合を用いて、喘息の状態を次の3段階に分ける「ゾーン管理」があります。
- グリーンゾーン(80%以上): 症状がほとんどなく、日常生活や睡眠に支障がない
- イエローゾーン(50%以上80%未満): 咳、喘鳴、胸の圧迫感などがあり、睡眠や日常生活に支障が出ている
- レッドゾーン(50%未満): 安静にしていても症状があり、日常生活が大きく妨げられている
ピークフローのゾーンは、仕事を休むかどうかを直接決める基準ではなく、薬の使用や受診のタイミングを判断するための目安です。
イエローゾーンでは、医師とあらかじめ決めた行動計画に従って対応し、無理な活動を避けます。レッドゾーンでは仕事よりも治療を優先し、行動計画に従って速やかに医療機関へ連絡または受診してください。
数値の境界や対応方法は患者さんごとに異なる場合があります。症状とピークフローを組み合わせて判断し、主治医と個別の行動計画を作っておくことが大切です。
気管支喘息の発作の強さの見分け方
発作の強さは次のように区分されています(環境再生保全機構)。
- 軽度(小発作): 苦しいが横になれる
- 中等度(中発作): 苦しくて横になれない
- 高度(大発作): 苦しくて動けない
- 重篤: 呼吸音が弱くなる、チアノーゼが現れる、呼吸が止まる
軽度の発作でも、仕事によって症状が悪化する場合は無理をせず休みましょう。苦しくて横になれない中等度以上の発作では、仕事を続けずに治療と受診を優先してください。
発作時は、医師から指示された方法で発作治療薬を使用します。薬の種類や追加使用の間隔は治療内容によって異なるため、自己判断で繰り返し使用せず、事前に作成した行動計画に従いましょう。
苦しくて動けない、会話が難しい、唇や指先が青紫色になる、意識がもうろうとするといった症状がある場合は、ただちに救急車を呼んでください。
気管支喘息のコントロール状態を確認する方法
喘息コントロールテスト(ACT)は、過去4週間の状態について、次の5項目を確認する質問票です。
- 仕事、学校、家庭での活動制限
- 息切れの頻度
- 夜間や早朝の症状
- 発作治療薬の使用頻度
- 喘息のコントロール状態に対する自己評価
合計点は、一般に次のように評価されます。
- 25点: 完全にコントロールされている
- 20~24点: 良好にコントロールされている
- 20点未満: 十分にコントロールされていない
ACTには仕事への支障も評価項目として含まれています。ただし、ACTは過去4週間の状態を振り返る検査であり、その日の出勤可否や急性発作の重症度を判断するものではありません。20点未満の場合は、治療内容や吸入方法などについて主治医に相談しましょう。
気管支喘息でドクターストップがかかる基準はある?
喘息を理由とする就業制限や休職について、すべての患者さんに当てはまる一律の基準はありません。症状や呼吸機能、仕事内容、職場にある悪化因子、本人や周囲への安全上の影響などを踏まえて、主治医や産業医が個別に判断します。
特に、職場にいるときや特定の作業をするときに症状が悪化し、休日には改善する場合は、職業性喘息の可能性もあります。勤務日と休日の症状、ピークフロー、作業内容などを記録し、主治医や産業医に相談してください。
デンマークの18~45歳の喘息患者さん6万534人を対象とした観察研究では、コントロール不良の喘息は、コントロール良好な喘息より一時的な病気休暇が多いことと関連していました(Håkansson KEJ, et al. 2022)。
喘息を良好にコントロールすることが、仕事への影響を減らすうえでも重要であることを示す知見です。
気管支喘息が悪化したときの受診の目安
次のような場合は、早めに主治医へ相談してください。
- イエローゾーンの状態が続く
- 発作治療薬を使う回数が増えている
- 夜間や早朝に症状が現れる
- 喘息のために遅刻、早退、欠勤を繰り返している
- ACTが20点未満である
- 職場に行くと症状が悪化する
次のような場合は、仕事を休んで速やかに医療機関を受診してください。
- レッドゾーンに該当する
- 苦しくて横になれない、または眠れない
- 発作治療薬を使用しても十分に改善しない
- 強い喘息発作の症状がある
- 発作治療薬が手元にない
普段から発作時に使う薬、薬の使い方、仕事を中止する目安、医療機関を受診するタイミングを主治医と確認しておきましょう。
参考文献
独立行政法人環境再生保全機構『自分のぜん息の状態を把握する ピークフロー測定とぜん息日記』(成人ぜん息基礎知識)https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/condition/peakflow.html.(参照 2026-09-08).
独立行政法人環境再生保全機構『発作が起こったら…』(成人ぜん息基礎知識)https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/attack.html.(参照 2026-09-08).
独立行政法人環境再生保全機構『自分のぜん息の状態を把握する コントロール状態を調べよう』(成人ぜん息基礎知識)https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/condition/control.html.(参照 2026-09-08).
Håkansson KEJ, Backer V, Ulrik CS. Disease Control, Not Severity, Drives Job Absenteeism in Young Adults with Asthma - A Nationwide Cohort Study. J Asthma Allergy. 2022;15:827-837.
気管支喘息とメンタルヘルスの関係について教えてください。
喘息とメンタルヘルスは密接に関連しており、不安やうつなどの精神的な問題が相互に影響を及ぼし合います。
喘息患者さん、特に治療が難しい「難治性喘息」の患者さんでは、以下のようなメンタルヘルスの問題が併存するリスクが高いとされています。
- 不安障害
- パニック障害
- うつ症状:うつ症状を抱える喘息患者さんでは、そうでない患者さんに比べて喘息のコントロールが不良で、発作の回数が多い傾向が見られます。また、メンタルヘルスと喘息の関係は相互的であると考えられています。
- 精神的なストレス:喘息の発症に関連する可能性が指摘されています。
- 慢性的なストレス:気管支拡張薬やステロイド薬といった喘息治療薬の効果を低下させる可能性も報告されています。
うつ状態は、薬を指示通りに服用する意欲(「服薬アドヒアランス」と呼びます)の低下にもつながり、これが喘息コントロールを悪化させる一因となることもあります。
このため、喘息の治療では、認知行動療法などの心理的なアプローチが、喘息のコントロールや生活の質(QOL)の改善に役立つ可能性があるとされています。
気管支喘息とアトピーは関係がありますか?
気管支喘息とアトピー素因(アレルギー体質)は深く関連しています。
喘息は、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に体が過剰に反応する「アトピー型喘息」と、そうでない「非アトピー型喘息」に大きく分けられます。
アトピー型喘息は、アレルゲンに体が感作されている(アレルギー反応を起こしやすい状態になっている)ことが特徴で、血液検査でダニ、花粉、ペットの毛などに対する「特異的IgE抗体」が陽性になることでわかります。
これらのアレルゲンが体内に入ると、体内でアレルギー反応が起こり、気道の炎症や狭窄を引き起こします。
難治性の喘息の治療では、このアトピー型喘息に対して、アレルギー反応の鍵となるIgE抗体の働きを抑える「抗IgE抗体」(オマリズマブ)という薬が有効であることが報告されています。
このように、アレルギー体質は喘息の重要な要因の一つであり、治療法の選択にも影響します。
喘息性気管支炎と気管支喘息は関係がありますか?
「喘息性気管支炎」はかつて診断名として使われましたが、現在はより適切な診断名が用いられています。
かつて、乳幼児期に繰り返し喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)がみられる疾患に対して、「喘息性気管支炎」や「喘息様気管支炎」といった曖昧な名称が用いられていました。
しかし、これは診断名ではなく、複数の病態を含む「症候群」であると考えられています。
具体的には、「喘息性気管支炎」という言葉の中には、次のような状態が含まれていました。
反復性気管支炎
繰り返し起こる気管支の炎症です。
アレルギー性気管支炎(喘息前段階)
アレルギー体質(アトピー素因)があり、血液中の好酸球(アレルギー反応に関わる白血球の一種)が増えているなど、喘息に似た特徴を持つ喘息の前段階です。
乳児喘息
呼吸が苦しくなる「努力性呼吸」を伴う喘鳴が繰り返される場合、乳児でも喘息と診断されます。
初期喘息・咳喘息
呼吸困難がはっきりしないものの、アレルギー体質がある場合は初期喘息や軽症型喘息、強い咳が長く続く場合は咳喘息と診断されます。
このように、「喘息性気管支炎」という総称を用いると、個々の病態が不明瞭になり、適切な喘息治療の早期に治療を開始することが遅れる可能性がありました。
そのため、現在ではこれらの具体的な疾患名を使って診断することが推奨されています。これにより、より的確な治療へ早期につなげられるようになりました。
喘息は遺伝する病気ですか?
喘息は遺伝する傾向がありますが、遺伝だけで決まる病気ではありません。
喘息は単一遺伝子で発症する病気ではありませんが、遺伝的素因が重要な多因子疾患です。
両親のいずれかが喘息の場合、子どもの発症リスクは約3~5倍に上がり、双生児研究でも一卵性の一致率が高いことが示されています。
ただし、遺伝だけでは発症せず、ダニ・花粉、ウイルス感染、大気汚染、肥満など、環境要因が重なることで初めて症状が現れます。
そのため、家族歴があっても、早期からの環境整備と適切な治療で発症・悪化を抑制できます。
気管支喘息では造影剤は禁忌なのでしょうか?
必ずしも禁忌ではありませんが、喘息患者さんはアレルギー反応のリスクが高く慎重な対応が必要です。
気管支喘息の患者さんに対して、造影剤の使用は必ずしも禁忌ではありませんが、慎重な判断が必要です。
特に、造影剤(ヨード造影剤)に対するアレルギー反応を起こしやすい喘息患者さんや、過去に造影剤によるアレルギー歴がある場合はリスクが高まります。造影剤が気道の収縮やアナフィラキシーショックを引き起こすことがあり、重篤な発作につながる可能性があるためです。
喘息患者さんに造影剤を使用する際は、事前にリスクを評価し、必要に応じて予防的にステロイドや抗ヒスタミン薬を投与することがあります。担当医師と十分に相談し、適切な対策を講じることが大切です。
難治性喘息と重症喘息に違いはありますか?呼び方が違うだけですか?
難治性喘息と重症喘息は、基本的に同じ意味です。
難治性喘息と重症喘息は、基本的に同じ意味です。従来は異なる定義が用いられていましたが、現在日本では統一した概念として用いられます。
統一された定義は、「コントロールに、高用量吸入ステロイド薬 および 長時間作用性β2刺激薬、必要に応じて ロイコトリエン受容体拮抗薬、 テオフィリン徐放製剤、長時間作用性抗コリン薬、経口ステロイド薬、生物学的製剤の投与を要する喘息、またはこれらの治療でもコントロール不良な喘息」かつ「コントロールを不良にさせる因子に充分対応するにもかかわらず、なおコントロール不良であるか、治療を減少させると悪化する喘息」です。
これは海外のガイドラインにおける重症喘息に相当します。
新型コロナウイルスやインフルエンザにかかることで、気管支喘息が重症化するリスクはありますか?
ウイルス感染が喘息の症状を悪化させ、重症化リスクを高めます。
新型コロナウイルスやインフルエンザに感染すると、気管支喘息が重症化するリスクが高まる可能性があります。これらのウイルス感染は、気道に強い炎症を引き起こし、喘息の症状を悪化させることがあるためです。
特に、インフルエンザやCOVID-19は呼吸器系に影響を与えるため、喘息患者さんにとって呼吸困難や発作のリスクが増加します。
予防のために、ワクチン接種や手洗い、マスクの着用などの感染対策を徹底することが重要です。喘息患者さんは特に注意を払い、感染時には早めに適切な医療を受けることをおすすめします。
気管支喘息の薬が効きにくい人に特徴はあるのでしょうか?
喫煙や肥満がある人や、吸入薬の使用法を誤っている場合には薬が効きにくいです。
気管支喘息の薬が効きにくい人には、いくつかの特徴があります。
アレルゲンや環境要因に対する過敏性が強い人、喫煙者、肥満の人は、通常の吸入薬の効果が低くなる傾向があります。さらに、薬の使用方法が適切でない場合や、吸入薬を正しく吸えていない場合も、治療効果が不十分になることがあります。
心理的ストレスや不安、他の慢性疾患(例えば、COPDや心疾患)がある人も、喘息管理が難しくなることがあります。
このような場合、専門医と相談し、治療計画を再評価することが大切です。
気管支喘息を治す方法にはどのようなバリエーションがありますか?
普段は主に吸入ステロイド薬で管理し、発作時には速効性の吸入薬やステロイドを使用します。
気管支喘息の治療は、普段の管理と発作時で異なります。普段の管理では、吸入ステロイドが主に使用され、気道の炎症を抑える役割を果たします。β2刺激薬などの長時間作用型薬も併用され、気道を広げることで症状を予防します。
重症喘息では、抗IL-5抗体、抗IgE抗体などの生物学的製剤も用いられます。また、アレルゲンの除去、生活習慣の改善も管理の一環となります。
発作時には、短時間作用型β2刺激薬(SABA)や経口ステロイドが使用され、気道を迅速に広げて呼吸を楽にします。重度の場合、酸素療法や点滴によるステロイド投与が必要になることもあります。発作を早めに抑えることが重要です。
大人の気管支喘息で気をつけるべきことはありますか?
定期的な薬の使用、アレルゲンの回避、禁煙が重要です。
大人の気管支喘息では、日常生活においていくつかの点に注意が必要です。
まず、規則正しい薬の使用と定期的な医師の診察を受けることが重要です。また、発作を引き起こす可能性のあるトリガーを特定し、避けることが大切です。例えば、アレルゲンや大気汚染、寒冷な気候などが喘息症状を悪化させることがあるため、これらを避ける工夫が必要です。
さらに、禁煙や受動喫煙の回避は、肺機能を維持するために不可欠です。適度な運動は呼吸機能を改善しますが、運動誘発性喘息には注意が必要です。ストレス管理も喘息の発作を予防するために役立ちます。
気管支喘息発作の重症度はどのように分類されますか?
症状により軽度、中等度、高度、重篤の4段階に分類されます。
喘息発作の重症度は、軽度、中等度、高度、重篤の4段階に分類されます。
重症度チェックの目安として以下をご参照いただき、ご自身の症状を確認してみましょう。
具体的には、軽度では軽い息切れや咳があり、中等度では日常生活に支障をきたす呼吸困難が現れます。
高度になると会話が困難になるほどの呼吸困難が見られ、重篤では意識障害(呼びかけへの反応が悪いなど)やチアノーゼ(皮膚や唇が青紫色になる状態)などが現れます。
加えて、ピークフロー値(呼気の最大速度)や酸素飽和度などの検査結果も重症度の判断に役立ちます。
自覚症状だけでの判断は難しく、臨床症状や検査結果を総合的に評価して治療することが重要です。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
気管支喘息の重症度はどのように分類されますか?
軽症間欠型、軽症持続型、中等症持続型、重症持続型の4段階の重症度があります。
気管支喘息の重症度は、症状の頻度や程度により次の4段階に分類されます。
軽症間欠型
症状は週に1回未満で軽度かつ短時間。低用量吸入ステロイド薬の定期使用が推奨されます。
軽症持続型
症状が週に1回以上あるが、毎日ではありません。吸入ステロイド薬の定期使用が推奨されます。
中等症持続型
症状が毎日あり、発作治療薬がほぼ毎日必要です。吸入ステロイドと長時間作用型β2刺激薬の併用が一般的です。
重症持続型
毎日症状があり、しばしば悪化します。高用量の吸入ステロイドの他、生物学的製剤が必要となる場合があります。
この分類に基づいて治療が行われ、重症度に応じた適切な管理が重要です。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
喘息にアドレナリンを使用するのはなぜですか?よくなるのでしょうか?
アドレナリンには気管支拡張の作用があり、重篤な発作の場合に使用されることがあります。
アドレナリンは、気管支を拡張し、喘息発作を迅速に緩和するために使用されます。
アドレナリンの作用には、気管支の筋肉を弛緩させる効果や、気道粘膜のむくみを軽減する効果があり、これにより気道が広がります。
主に他の薬が効かない場合や、重篤な発作時に緊急対応として使用されます。
通常の吸入薬やステロイドが効果を示さない場合に限って使用されることが多く、日常的なコントロールがうまくいっている場合には使用されません。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
気管支喘息の観察項目にはどのようなものがありますか?
症状のほか、スパイロメトリー、ピークフロー、好酸球数、FeNO、気道過敏性検査などがあります。
気管支喘息の観察項目には、以下のような検査や評価が含まれます。
- スパイロメトリー:肺の容量や気流を測定し、気道の狭窄を評価
- ピークフロー:最大呼気流量を測定して、日常的な気道状態をモニタリング
- 質問票:発作の頻度、症状、治療効果を評価
- 痰中の好酸球比率:気道の炎症の程度を評価
- 血中の好酸球数:全身的なアレルギー反応を評価
- 気道過敏性検査:気道の反応性を評価
- 呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)測定:気道の炎症を評価
これらの検査により、肺機能や炎症の程度、気道の反応性が総合的に評価されます。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのもよいでしょう。
気管支喘息はアレルギー疾患ですか?アレルゲンにはどのようなものがありますか?
気管支喘息はアレルギー疾患で、アレルゲンにはダニ、ハウスダスト、ペットのフケ、カビなどがあります。
気管支喘息はアレルギー疾患のひとつです。主なアレルゲン(アレルギーの原因物質)には、チリ、ダニ、ハウスダスト、ペットのフケ、カビ、花粉などが含まれます。
特異的IgE抗体の検査によってアレルゲンを特定できることもありますが、必ずしも原因が特定できない場合もあります。
発作の予防には、特定されたアレルゲンを避けることが重要です。
例えば、ダニ対策として寝具のこまめな洗濯や、掃除機を使った部屋の清掃が有効です。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
喘息の種類は気管支喘息以外に何がありますか?
喘鳴や呼吸困難を伴わない、咳喘息があります。
気管支喘息の他に、咳喘息があります。
気管支喘息は、気道が狭くなり、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)や呼吸困難を伴うのが特徴です。
それに対して咳喘息は、喘鳴や呼吸困難はなく、8週間以上続く慢性的な乾いた咳が主な症状です。
咳喘息の初期治療が不十分だと、後に気管支喘息に発展すると言われており、早期の適切な診断と治療が重要です。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
気管支喘息はオンライン診療で診てもらえますか?
気管支喘息はオンライン診療で管理可能ですが、重症時や初診は対面診療が推奨されます。
気管支喘息はオンライン診療で診てもらうことが可能ですが、いくつかの制約があります。
オンライン診療は、軽度から中等度の喘息症状の管理や治療、薬の処方、既存の治療計画の確認などに適しています。特に、定期的なフォローアップや慢性期の管理では、オンライン診療が便利です。
患者さんの症状の経過や薬の効果、副作用について医師と相談することができます。
ただし、重症の発作や急な悪化、呼吸困難が強い場合には、オンライン診療だけでは適切な評価が難しく、対面診療や緊急医療が必要です。
また、初めての喘息診断には、肺機能検査やアレルギー検査が必要となる場合が多いため、対面での診察が推奨されます。
オンライン診療は、症状が安定している患者さんにとっては便利な選択肢ですが、適切な場合とそうでない場合を理解し、必要に応じて対面診療を選ぶことが重要です。
急性気管支炎はうつる病気ですか?
急性気管支炎は原因のウイルスや細菌が感染することで、うつる可能性があります。
急性気管支炎はうつる可能性があります。
急性気管支炎の主な原因はウイルスや細菌による感染であり、これらの病原体は咳やくしゃみ、呼吸を通じて飛沫感染することが多いです。特に風邪のウイルスやインフルエンザウイルスが原因となる場合、周囲の人にうつるリスクが高まります。
予防策としては、感染者との密接な接触を避けること、手洗いの徹底、マスクの着用などが有効です。特に、免疫力が低下している人や高齢者、小児は感染に対するリスクが高いため、注意が必要です。
10代や20代などの若年層でも「気管支喘息」になるリスクはありますか?
若年層でも遺伝や環境要因により気管支喘息を発症するリスクがあります。
10代や20代などの若年層でも「気管支喘息」になるリスクはあります。
喘息はあらゆる年齢で発症する可能性があり、若年層でも環境要因や遺伝的要因、アレルギーなどが影響します。特に、家族に喘息の既往歴がある場合や、花粉、ダニ、ペットの毛などのアレルゲン(アレルギーの原因物質)にさらされることでリスクが高まります。また、タバコの煙や大気汚染も喘息発症の要因となることがあります。
ストレスや運動も喘息の発作を引き起こすことがありますが、適切な管理と治療により症状をコントロールすることが可能です。
気管支喘息の治療について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。また、受診や薬の待ち時間の負担が少なく、気軽に医師に相談できるオンライン診療サービスを利用するのも良いでしょう。
小児喘息は、母親が喘息持ちだと発症するものなのでしょうか?
母親に限らず、近親者に喘息の方がいる場合は発症するリスクが高くなります。
両親の少なくとも片方が喘息の場合に子どもが喘息を発症するリスクは、両親ともに喘息でない場合の3〜5倍と言われています。
ただし、両親や近親者に喘息があるからといって、必ずしも子どもが喘息を発症するわけではありません。
喘息にはアレルギー体質などの遺伝が関係するものの、ほかにもさまざまな要素が絡みあって発症するためです。
小児喘息の原因については以下のQ&Aもご覧ください。
気管支喘息の発作はどのようなときに起こりやすいですか?
普段の喘息治療が順調でないときや、発作を引き起こすようなきっかけがあったとき(アレルゲン吸入や風邪など)などに発作が起こりやすいです。
発作(増悪)を起こしやすくする要因として、以下の2つに分けられます。
- 気管支が過敏になって刺激を受けやすい状態(個人的要因)
- 気管支に対する刺激になるもの(環境要因)
以下に挙げる発作を起こしやすくする要因のうち、どのようなときに特に発作が起こりやすいかには個人差があります。
個人的要因の例
- 過去(特に1年以内)に重篤な発作を起こしたことがある
- 喘息の治療が順調でない、もしくは未治療である
- 治療薬の不適切な使用(毎日の吸入ができていない、吸入を上手にできていないなど)
- 依存症(鼻炎・副鼻腔炎、肥満、胃食道逆流症、COPDなど)
- 月経・妊娠
- 運動
環境要因の例
- 喫煙
- アレルゲンの吸入(ハウスダスト、ダニ、花粉、動物の毛やフケ、カビ、昆虫など)
- 天気(気温・気圧の変化、雨など)
- 大気汚染(屋外:黄砂やPM2.5、屋内:ホルムアルデヒドなど)
- アルコール
- 薬(一部の鎮痛剤など)
- 呼吸器感染症(風邪など)
子どもの気管支喘息(小児喘息)には何か特徴がありますか?
小児喘息の多くが(特にダニの)アレルギーに関連します。 症状や治療は大人の場合とほとんど同じです。
小児喘息の特徴
小児喘息では、アレルギー性(アトピー型)が多く、特にダニに対するアレルギーが関連していることが特徴です。
気管支喘息以外のアレルギー疾患を合併することが多く、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーに始まり、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎と、いろいろな臓器で次々にアレルギー性疾患を発症することを「アレルギーマーチ」と呼びます。
小児喘息の治療方針
気管支喘息は乳幼児期に発症し、思春期にかけて改善・寛解する傾向があり、治癒を目指した治療を行います。
一部の皮下注射薬は乳幼児期には使用できませんが、6~12歳以降では大人と同様の薬を使用できます。
一部の小児喘息は、大人の気管支喘息に移行します。
吸入薬は妊婦に影響がありますか?
母子ともに影響はほとんどなく、妊娠中でも使用可能です。気管支喘息を持つ方は、妊娠中も吸入薬を継続することが重要です。
発作予防・発作治療の吸入薬の多くは、母子のリスク増加がほとんどないと言われており、妊娠中でも使用することができます(吸入薬だけでなく内服薬も同様です)。
しかし、妊娠がわかったら、念のため主治医に報告し、不安があれば主治医に相談しましょう。
妊娠中の減薬は症状や発作が増えやすいと言われており、妊娠中の発作は早流産や低出生体重のリスクになってしまいます。
発作が起きないよう毎日の吸入薬を継続すること、また、発作が起きたときは躊躇なくいつも通りの発作治療をすることが、妊婦と胎児のどちらにとっても最良の選択です。
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この記事の監修医師
折茂 圭介
呼吸器内科・アレルギー科・内科
東北大学医学部卒。東京都立駒込病院での初期研修を経て東京女子医科大学呼吸器内科入局。大学院で国立成育医療研究センター研究所 免疫アレルギー感染研究部に国内留学。博士課程修了後、同研究室で研究員として勤務。専門は呼吸器内科学、特に喘息をはじめとするアレルギー学。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/12/15